【CLE】予想通り地区優勝が厳しくなってきました【8月振り返り】
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
なかなか波に乗れないながら、5月からずーっとツインズの背中が見える距離で追い続けたガーディアンズですが、何度か首位に立つものの突き放すまでは至らぬまま、3ヶ月も経ってしまいました。トレードデッドラインを過ぎ、いよいよシーズンの終わりに向けてラストスパートをかけ始める8月はどこまでやれたのでしょうか。
1. 8月の成績
8月は11勝16敗で借金5、シーズン成績は64勝70敗の借金6としました。ワイルドカード争いは先月末の時点で絶望的でしたが、地区首位のツインズとも5ゲーム差の地区2位となり、ポストシーズン進出が非常に厳しくなってしまいました。細かい成績は以下のとおりです。
チーム打撃成績(()内の順位はメジャー30球団中)
チーム投手成績(()内の順位は同上)
8月はコンテンダーか同地区対決しかなく、どう考えても厳しい戦いが続くひと月でした。しかし、実際はコンテンダー相手に7勝10敗とまずまずの結果を残したものの、同地区対決、特にタイガースとホワイトソックス相手に合計2勝5敗と負け越したことが大きく響いています。
打撃ではJosh Naylorの離脱が露骨に響きました。上記の項目は全て先月から悪化しています。このチームには常時期待できるポイントゲッターがJosé Ramírezと彼しかいなかったので、片方が抜けてしまってはこの成績になるのは当然でしょう。
投手は平均以上の成績を残してくれました。しかし突出した項目はなく、不振の打撃陣を救うまではいきませんでした。主力は先発が怪我で消え、リリーフが不振に喘いでいるなかでのこの成績はよくやっています。Cal Quantrillのリハビリ登板が進んでいるので、フレッシュな彼が帰ってきて成績が良化することを祈るのみです。
2. トレードデッドライン
最初にドジャースと行ったAmed RosarioとNoah Syndergaardのトレードは、わるものさんが単独の記事で書かれています。そちらをご覧ください!!!
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7月末に敢行したAaron CivaleとKyle Manzardoは、先月の振り返りの終盤で話しました。Civale放出の是非に関する内容が多くなっていますが、詳しくはそちらをご覧ください。
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困惑と嘲笑に塗れた2つのトレードを行ったガーディアンズですが、期限の日本時間8月2日午前7時を過ぎて、最後のトレードが飛び込んできました。
なんと、不振だったJosh Bellをマーリンズに放出し、対価としてこちらも不振だったJean Seguraを引き取り、さらにマーリンズ傘下Top30に入るプロスペクト、Kahlil Watsonを貰いました。
ガーディアンズとしては、指標は良かったものの結果が伴っていなかったBellはコンテンドする上で悩みの種でした。いくら指標がよくても、地区連覇に暗雲が立ち込めてきた今、チームが欲しいのは結果です。チームに欠けていた長打力を強化できたと思ったら他の選手と遜色ない成績に収まっていたため損切りをしたいものの、安くない年俸のせいで八方塞がりになっていると勝手に思っていたので、放出できたことには驚きました。
Bellの来年の契約は選手オプションとなっています。成績が良ければオプションを使わず、更に良い契約を求めてFA市場に出ることができます。しかし、今季はそんなことが到底かなわない成績なので、オプションを行使して来年の年俸$16.5Mを貰うことが既定路線でしょう。となると、ガーディアンズは彼のバウンスバックという不確実性に賭けて残り1年半の合計$22Mを払わなければならず、スモールマーケットで経営しているチームには重荷となります。とにかくペイロールの圧迫を抑えたいガーディアンズと、長打力不足に喘いでいたマーリンズの利害が一致したのでしょう。
獲得した2人ですが、Seguraについては1時間も経たぬうちにリリースされました。獲得即リリースのおもしろムーブは、2年ぶり2度目です。サラリーダンプが目的のトレードなので、この動きには納得です。
もう一人のWatsonですが、年俸はBellよりも安いもののBell以上に酷い成績だったSeguraと均衡を取るために獲得したと思われます。以前から続けている二遊間のプロスペクト抱え込みの一環だと思いますが、この手の選手は安定的にメジャーデビューまで育て上げているので、その流れに乗って成長してほしいところです。結果的にガーディアンズは、このトレードで$9M程度のペイロール削減をすることができました。
他2つのトレードを合わせて考えると、今回のトレードデッドラインはロースター整理に終始し、半ばポストシーズンを諦めたような動きになりました。今後の日程やチームの調子を考えるとこの動きはわからなくもないですが、ツインズと1ゲーム差だったにも関わらずこの動きをしたことで、現場には動揺が広まりました。GMがわざわざ遠征先のヒューストンまで言って説明する必要があったほどで、未来のことも考えなければいけないフロントと眼の前の試合に全力を注ぐ現場の難しさが窺えます。
3. TDL後の補強
多くのチームはトレードデッドラインで補強が終わりますが、ガーディアンズはまだまだ終わりません。何を言っているんだと思われる方もいらっしゃると思いますが、ウェーバー公示された選手のクレームと、マイナーリーガーのトレードはまだ可能なのです。それを利用し、デッドラインの翌週に2人の選手を獲得しました。
8/4 ドジャースとの金銭トレードでKole Calhounを獲得
8/7 8/5にアスレチックスからDFAされたRamón Laureanoをウェーバー経由で獲得
Calhounについては後ほど書くので、ここでは割愛させていただきます。Laureanoは今のところ守備で目覚ましい活躍を見せています。打撃は今年アスレチックスにいたときより少し改善した程度ですが、良いところで打ってくれているのでとても助かっています。ウェーバーから獲得したことを考えたら、この動きは成功と言っていいでしょう。
4. ウェーバークレーム総括
先程ウェーバー公示された選手のクレームは可能と言いましたが、8月末にまでに獲得、登録しないとポストシーズンで起用することができなくなります。8/29にエンゼルスが計6選手をウェーバー公示したことはご存知の方も多いと思いますが、ガーディアンズはそこでも3選手を獲得しました。
Lucas Giolito
Reynald López
Matt Moore(ソフトバンクにいたムーアです)
LópezとMooreは、状況次第で獲得していなかった可能性が十分にあったと思われます。
ガーディアンズは8/28~30に、ロードで地区首位のツインズと直接対決3連戦がありました。ここで1敗でもすると地区優勝があまりにも厳しくなり、負け越そうものならシーズン終了が決定的になるところでしたが、1敗で耐えました。地区優勝に僅かな望みを繋いだことで、獲得に踏み切ったのでしょう。
Giolitoは、ウェーバーに出てきた時点で獲得することは決まっていたと思われます。
ガーディアンズはトレードデッドラインで獲得したSyndergaard(あれ?去年エンゼルスにいたよな)を8/28にDFAし、獲得する球団が現れなかったためそのままリリースしました。加入から僅かひと月足らずでしたが、彼は被弾の雨嵐を一身に受けながら6先発で33.1イニングを消化しました。
他にルーキーしかいないローテーションで彼に求められていた役割は、イニングイートして他の投手の肩肘を守ることでした。Syndergaard在籍期間中の投球イニングはチーム2位で、役割は十分に果たしたと思われます。そのスポットが空いたので、エンゼルスで不振だったGiolitoに期待する役割の一つはSyndergaardと同じでしょう。ただ、彼は今シーズン前半はホワイトソックスで好投していました。1ヶ月ぶりにア・リーグ中地区に帰り、見知った選手を相手に前半戦の感覚を取り戻すことも考えていると思います。というか加入初戦がツインズ戦なので、やってくれないと終わりです。マジで頼む。勝たんと終わりなんや😭
5. ピックアッププレーヤー
5-1 Kole Calhoun
この人も元エンゼルスやん…ズブズブか?()
そんなことはさておき、移籍後のCalhounは非常によく打っています。8月前半は3割前後の打率を残していましたが、ヒットは出るもののほとんどが単打でした。しかし、後半からは長打が増えて、さらに最も点が欲しい場面で打点を上げてくれました。金銭トレードでの獲得だったので当たれば儲けものと思っていたら、とんでもない活躍を見せています。
今月のハイライトは、ツインズとの首位攻防戦で放った勝ち越し3ランでしょう。初戦を落としており、ここで負けたら実質シーズン終了となる試合でしたので、値千金でした。
惜しむらくは8年間守ったことのないファーストを突貫工事で守らされているせいで、勝てる試合を守備のミスでいくつか落としてしまったことです。これは守る本人というよりファーストで使う首脳陣に責任があるので、一刻も早くライトかDHで使っていただきたいです。
このチームはベテランが少なすぎて、35歳の彼が野手ではダントツで最年長です(次がJosé Ramírezで30歳)。ここまで12年メジャーで戦ってきた男の経験、頼りにしています!
最後に先ほどのホームランを見た私の感想をご覧ください。
わかるけど言い方が他の選手に失礼すぎる。
5-2 Trevor Stephan
開幕前に4年契約を結んだTrevor Stephanですが、開幕から成績に反して印象の悪い投球を続けていました。それでもセットアッパーを務め続けた結果、メジャー2位タイの7度のBS(※)を重ねてしまいました。まあ、ちゃんと抑えたところで、クローザーのEmmanuel Claseもメジャーワーストである9回のBSを記録しているんですが…。
8月はとにかく踏ん張ることができていました。9試合でランナーを出しましたが、そのうち7試合を無失点で帰ってきています。これまでは一度ランナーを出すとなかなか止められなかったので、ようやくセットアッパーとしての働きをしてくれた印象です。投げている球は特に変わっていないため、成績が戻ってしまう可能性はあります。ただ、勝負の9月に向けて頼れるリリーフが帰ってきたことは非常に大きいです。あと1ヶ月踏ん張ってください!
※セーブ失敗 or セーブシチュエーションの引継ぎ失敗のこと
5-3 Sam Hentges
Stephanのように肝心なところで打たれるくらいだったと思ったら7月に崩壊し、リリーフ内での序列が地に堕ちていたSam Hentgesですが、密かに8月を無失点で終えました。
変わった点は明らかで、三振を奪えるようになりました。4シームとカーブを中心に投げていましたが、ボール球も多いカーブを捨てられると無限に打たれるので、ストライクゾーンに入れるスライダーを増やしたのが良かったようです。WHIPに表れている通り圧倒的だったわけではなく、ヒットは打たれていました。BABIPが.429と運もありませんでしたが、三振という運に左右されず確実にアウトを取れる手段をもっていれば、そんなことは関係なくなります。まだビハインドでの起用が続くと思いますが、落とせない試合が続くので頼りにしています!
6. 終わりに
夏休み明け初日の明け方に、まだ宿題が終わっていない小学生レベルで追い込まれたチームです。この期に及んで特に言うことはありません。全部勝つ!…で終わらせるのは乱暴なので、残りの日程に軽く触れます。
先程言ったように本気で1つも落とせない試合が続きますが、特に直接対決のツインズ戦、ポストシーズンが絶望的または可能性が絶たれたエンゼルス戦、ロイヤルズ戦、タイガース1,2戦目の計12試合は死んでも落とせません(3戦目はMiguel Cabrera引退試合ブーストで何が起こるかわからん🥶)。1つでも落とした瞬間終戦です。
ツインズの最後5試合がアスレチックスとロッキーズなので、レッズ戦を前に2ゲーム差をつけて首位に立っているのが理想です。そんな調子なのに何試合勝つつもりなんだとツッコまれそうですが、それだけ追い込まれているということを理解していただければ幸いです。
7. 余談
先月は振り返りnoteを出して以降1本も投稿していませんでした。6月と同じことになっていましたが、モチベーションを上げてくれないガーディアンズのせいが上がらなかったあのときとは違い、今回はちゃんとした理由がありました。
8/4 7月の振り返り投稿
8/12~14 旅行
8/17~21 コロナ感染
8/22~26 別件の体調不良
中旬から下旬にかけて2週間以上何もできなかったんです。来月はまた頑張るので許してください。
記事紹介
トレードデッドライン直後の混乱について
今回のウェーバークレームの意義