見出し画像

【CLE】決着の時。そして次の舞台へ【9月振り返り】

 お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
 地区首位をひた走っていたガーディアンズですが、シーズンが半分を過ぎてからの失速と後ろからの猛追で、8月末に一時首位交代を起こされてしまいました。9/30に行われたメッツとブレーブスのダブルヘッダーをもって、レギュラーシーズンの全日程が終わりましたが、残り1ヶ月でガーディアンズは踏ん張ることはできたのでしょうか。

※日付は全て現地時間
※Baseball SavantのSearchでソートをかけたリンクがnoteに反映されないので、確認したい方はお手数ですが、ご自身で確認してください。


1. 9月の成績

 9月は15勝10敗で貯金5、シーズン成績は92勝69敗の貯金23で終えました。29日に予定されていたシーズン最終戦は悪天候のためキャンセルとなり、ガーディアンズはレギュラーシーズンを161試合の消化で終了となっています。8月28日のロイヤルズ戦でなんとかスイープを回避したところから状態がマシ(❌️良化)になり、翌週のロイヤルズ戦で2勝1敗、苦手のホワイトソックス戦を3勝でスイープしたところで地区優勝争いを事実上終わらせました。
 その後は9/19にワイルドカード以上確定、9/21に地区優勝、9/24に上位シード確定とトントン拍子に決まります。そのたびにシャンパンファイトではしゃいでいたようで、チームの雰囲気自体は良いようです。肝心の試合内容は一時期よりまだマシになった程度なので、ポストシーズンでの奮起を願います。
 詳しい成績は以下のとおりです。

  • チーム打撃成績

・90得点 (22位)
・31HR (6位タイ)
・196安打 (15位)
・205三振 (9位タイ)
・66四球 (24位)
・22盗塁 (9位タイ)
・wRC+ +100 (12位)

Fangraphsより引用(()内はメジャー30球団中の順位)
  • チーム投手成績

・70失点 (1位, 2位のパドレス、レイズと5差)
防御率 2.19 (1位, 2位のブレーブスと0.53差)
・FIP 2.95 (1位, 2位のメッツと0.03差)
・15被HR (1位, 2位のメッツと1差)
・166被安打 (2位, 1位のパドレスと6差)
・238奪三振 (10位)
・66与四球 (4位)

Fangraphsより引用(()内はメジャー30球団中の順位)

 ホームランはよく出ていますが、やけに得点が少ないですね。とにかくあと一本が出ないひと月でした。投手陣がとんでもなく頑張ったのに10敗した理由はここにあります。ただ、ポストシーズンではいい投手がどんどん出てくるので、ヒットで繋いで点を取る方法が取りづらくなります。ホームランがよく出たということだけでも、ポストシーズンに向けては十分ポジティブな要素でしょう。
 対して投手成績は、良い意味で嘘みたいな数字が並んでいます。開幕から前月までずっと「先発が酷いけど代わりがいない」と嘆いていたのに、一体どうしたのでしょうか。鉄壁のリリーフ陣が、今月はとうとう103.0回を投げて防御率1.31とバグみたいな成績を残していましたが、先発陣も取りこぼしたくない試合で素晴らしいパフォーマンスを見せたことが、この好成績に繋がりました。

2. ピックアッププレイヤー

2-1 José Ramírez

9月の成績
.306(98-30)/.355/.592 6HR 14打点 7盗塁 8四球 11三振 wRC+ +162 fWAR +1.2

ラスト15試合の成績
.368(57-21)/.393/.789 OPS1.183 5HR 6二塁打 wRC+ +226 fWAR +1.2

シーズン通算成績
158試合 .279(620-173)/.335/.537 39HR 41盗塁 39二塁打 54四球 81三振 wRC+ +162 fWAR +6.5

Fangraphsより引用(9月ラスト15試合通算)

 MLBファンがShoheiショウヘイ Ohtaniオオタニの前人未到の50-50達成を固唾をのんで見守る中、Joséホセ Ramírezラミレスは史上2人目の大記録に挑んでいました。
 ターゲットはホームランと盗塁に二塁打も加えた40-40-40。これは過去に2006年のAlfonsoアルフォンソ Sorianoソリアーノしか達成していない記録です。元々は40-40があるのでは、とまことしやかに囁かれていましたが、8月中旬からしばらくは、ホームランはおろか長打すらまともに打てていませんでした。しかし、残り15試合で6HRが必要になったところでようやくギアがかかります。特に、ラスト7試合では4HRに4二塁打を放ち、飛んだ方向や風向き次第ではホームランを3本くらい増やせたほど乗りに乗っていました。このあたりから二塁打も40本が近づいて来たことに周りが気が付き始め、40-40から40-40-40に目標がシフトしていきましたね。161試合目でも1HRと1二塁打を放っており、それだけに162試合目が悪天候で開催できなかったことが残念でなりません。

 本人は試合中止が決まったあと、Stephenスティーブン Vogtヴォート監督に「来年やってやるよ」と伝えたそうです。レギュラーシーズンは40-40を思いきり意識していましたが、目線は既にポストシーズンを見据えているチームの柱。10月も頼りにしています。

2-2 Lane Thomas

9月の成績
.264(91-24)/.295/.560 OPS.855 7HR 20打点 wRC+ +137 fWAR +0.7

Fangraphsより引用

先月本当にヤバいとか言ってすみませんでした

 ガーディアンズに加入後は目も当てられない成績を残していたLaneレーン Thomasトーマスですが、正確には8月末から急激に本来の打撃が戻ってきました。
 今月の7HR20打点はチームトップで、フラフラな打撃フォームで空振り三振を量産していた加入直後とは見違えるようなバッティングを見せています。しかも、7HRのうち6本は右投手から放っており、私がトレード時のnoteで言った「IL明けのThomasは右投手からも打っている」という発言を見事に回収してくれています。ありがとね😁

↓↓↓トレード時のnoteはこちら!(ダイマ)↓↓↓

Thomasが9月にホームランを放った右投手一覧
baseball savantより引用, 左投手からはStevenスティーブン Matzマッツのみ

 ガーディアンズはシーズン中盤以降、2番と5番に誰を置くか試行錯誤していました。これだけ打てれば再昇格後は好調なKyleカイル Manzardoマンザルドと共に、Thomasも候補に入れていいでしょう。RamírezJoshジョシュ Naylorネイラーに頼り切って勝ち上がるのは無理があるので、彼にもポストシーズンでの活躍を期待しています。

2-3 Jhonkensy Noel

9月の成績
.118(51-6)/.167/.196 OPS.363 0HR wRC+ 0

Fangraphsより引用

 逆に成績が急降下してしまったのが、Jhonkensyジョンケンジー Noelノエルです。
 今月はどん底みたいな成績を残してスタメンを外れる試合が増えてしまいましたが、最も心配な点が、打球速度70~80mphくらいの弱々しい打球が多いところです。怪物級のパワーが持ち味の彼がこのようになってしまうと、わざわざ起用する意味がなくなってしまいます。AAAに控えている他の選手と代えるのも一つの手でしたが、そのままシーズンを終えたということは、一発で雰囲気を変えられる彼の力を必要としているということでしょう。

 幸いワイルドカードをスキップできたので、ALDSが始まるまで6日間の調整期間があります。自分のモンスターパワーを信じ、空振り三振を恐れず、当たれば強い打球を放てるよう調整して欲しいですね。彼の力が必要になる瞬間が必ず来るはずです。

3. トピック:2人の有望株のデビュー

 7月と8月も1人ずつメジャーデビューを果たしましたが、他の出来事が多すぎて触れていませんでした。今月は2人のプロスペクトがデビューしています。

3-1 Erik Sabrowski

公式の初昇格記念ポストがなかった😭

 1人目はErik Sabrowskiエリック  サブロウスキーです。MLB公式のプロスペクトランキングでは傘下トップ30圏外ですが、リリーフなので仕方ないですね。彼は8/28に、実質無限オプションみたいな形でDFAとセレクトを繰り返していたAnthonyアンソニー GoseゴースをDFAした際に昇格しました。ただ、昇格後はしばらく登板がなく、1週間後となる9/4のロイヤルズ戦で初登板を果たします。

 Sabrowskiは2022年オフのルール5ドラフトのマイナーフェーズで、パドレスから加入しました。ただ、2021年、2022年と2度のトミー・ジョン手術を受けており、復帰は23年の6月となります。復帰後はイニングに近い数の四球を出しており、肘に靭帯が馴染むまでもう少し待つ必要があるか、と思っていたところの昇格でした。
 ところが、昇格後は別人のような投球を見せています。たまにとんでもないボール球を投げ込むことはありますが、それが連続することはなく、12.1回で4四球しか出しませんでした。メジャーでもトップクラスに質の良い4シームを持っているので、ストライクゾーンから多少外れても簡単に空振りが取れているのが大きいと思われます。8登板12.2イニングを無失点、19奪三振は文句なしのデビューですね。

 8月末までにメジャーに来たので、ポストシーズンの出場資格はクリアしています。他のリリーフも強力ですが、プレーオフのロースターに割って入ることはできるのでしょうか。

3-2 Andrew Walters

 2人目はAndrewアンドリュー Waltersウォルターズです。彼は、爪が割れて15日ILにいたAlex Cobbアレックス カッブが復帰したと思いきや、1先発してまた15日ILに戻った9/12に昇格しました。

 Waltersは2023年ドラフトにて、戦力均衡ラウンドB(全体62位)の指名でガーディアンズに入団しました。MLB公式では傘下21位のプロスペクトです。ドラフトイヤーはマイナーで投げなかったので、メジャー到達まで1年もかからなかったというスピード昇格でした。ちなみに、同年のドラフティーの中では10番目でした。
 大学時代はほぼ90mph中盤から後半の4シームのみでゴリ押すスタイルでしたが、プロデビュー後はスライダーを40%使うようになっています。ただやはり武器は4シームですね。Sabrowskiは質が突き抜けた4シームですが、Waltersは質と威力を両立した4シームと言えます。これを高め中心に投げ込めば、当然空振りを容易に取れますね。そのおかげで、デビューから8登板7.2イニングでノーヒットピッチングを見せてくれました。シーズン最終登板となった28日のアストロズ戦で、先頭のJasonジェイソン Heywardヘイワードにツーベースを打たれて記録は止まってしまいましたが、十分インパクトのあるデビューを飾れました。

 9/12の昇格なので、通常はポストシーズンは出られないですが、ガーディアンズは現在、60日ILに60日以上いる選手が3人います。彼らがポストシーズンも出られない大怪我をしているので、彼らの代替選手として登録が可能です。まだあるかもしれないポストシーズンの出番に備えてほしいですね。

4. 10月の展望

ALDS vs HOU / DET
第1,2戦 10/5, 10/7 (ホーム)
第3,4戦 10/9~10 (アウェイ✈️)
第5戦 10/12 (ホーム)

ALCS vs NYY / BAL / KC
第1,2戦 10/14~15
第3~5戦 10/17~19
第6,7戦 10/21~22

WS vs LAD / PHI / MIL / SD / ATL / NYM
第1,2戦 10/25~26
第3~5戦 10/28~30
第6,7戦 11/1~2

ALCS以降は対戦相手の勝率の高低で決定

 敗退したら即シーズン終了なので、全部勝てと言うしかありません。ただ強いて言うなら、勝ちパターンを担うCadeケード SmithスミスHunterハンター GaddisギャディスEmmanuelエマニュエル Claseクラッセをどこまで使い倒さずに勝てるかでしょう。
 彼らはレギュラーシーズンで、Gaddisは78登板、他2人も74登板しながらClaseは防御率0点台、他2人も1点台でフィニッシュしました。この3人が最も頼れるのはわかりますが、ガーディアンズには他にも素晴らしいリリーバーが複数人います。

 昨年のレンジャースは、勝ちパターンの3人を毎試合投げさせてワールドシリーズ制覇まで駆け上がりました。そのやり方もできなくはないですが、今年のガーディアンズは勝ちパターンの3人を軸に、他のリリーバーたち全員が脇を支えて勝ち上がれるだけの戦力を整えています。レギュラーシーズンの勝ち方をポストシーズンでも再現し、他球団を震え上がらせることを期待しつつ、このnoteを締めます。

Go Guards!!!!!!!!!!!🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥


いいなと思ったら応援しよう!