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【CLE】John Meansを獲得
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
数日前に投稿したJakob Junisのnoteは読んでいただけましたでしょうか。最後の章で次の補強の噂について言及していましたが、それから1日しか経たないうちに、ガーディアンズは更にJohn Meansを獲得してきました。これまでの補強とは良い意味で少し狙いの異なる獲得に感じたので、少し詳しく書いていきます。
↓↓↓Junis獲得の記事はこちら↓↓↓
※ 日付は現地時間
1. 契約内容
The Guardians have agreed to terms with LHP John Means to a one-year deal with a club option for 2026, pending physical, according to a source.
— Anthony Castrovince (@castrovince) February 17, 2025
John Means
— Jon Heyman (@JonHeyman) February 20, 2025
Guardians
$1M: 2025 opt 2026
$1M - 2025
Club Option 2026 for $6M
Plus in 2026: $75K each for 20ip; 30ip; 40ip; 50ip; $100K each for 60ip; 70ip; 80ip; 90ip; 125K each for 100ip; 110ip; 120ip; 130ip, $150K each for 140ip; 150ip
契約内容は以下のとおりです。
1年 + クラブオプション1年
2025年:$1M
2026年:$6M + インセンティブ
インセンティブは細かく設定されているため、以下の表に記載
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バイアウト金額は設定されていません。既に40人枠は埋まっていたため、その枠を空けるためにシーズン途中までトミー・ジョン手術の影響で復帰できないDavid Fryを60日ILへ移動させました。
2. 所感
We have signed free agent LHP John Means to a 2025 Major League contract with a Club Option for 2026.
— Cleveland Guardians (@CleGuardians) February 19, 2025
Cleveland is ready for you, John!#ForTheLand pic.twitter.com/EwWcSMozQa
2-1 2026年を見据えた補強?
恐らくフロントは、Meansを2025年の戦力ではなく、2026年の戦力と考えて獲得したと思われます。
Meansは昨年6月に左肘の内側側副靱帯を痛め、トミー・ジョン手術を受けました。ですので、一般的なリハビリのスピードだと、復帰は早くても8月以降となります。
しかし、Meansは2022年にも同じ手術を受けているため、これが2回目のメスとなります。そして1回目の手術からマイナーでのリハビリ登板を含めてたった84.2イニングしか投げられなかったため、肘の状況には細心の注意を払ってリハビリを進めなければいけません。そのため、復帰時期は8月よりも遅れる可能性が十分に考えられます。
それを踏まえ、投げられずにシーズン終了する可能性もある2025年は年俸を$1Mと大幅に安くし、今シーズンのペイロールへの圧迫を最小限にとどめることができました。
2-2 Boydの契約で味をしめたか
ガーディアンズは昨年のシーズン中にMatthew Boydと契約しましたが、これが成功裡に終わったことで、2匹目のどじょうを狙いに行ったように見えます。
Boydとは2024年の6月末に契約しましたが、彼は前年の6月にトミー・ジョン手術を受けていました。つまり、契約時点ではリハビリ中だったわけです。肘の靭帯損傷という大怪我はパフォーマンスが完全に戻るか未知数であり、大きなリスクを孕んでいました。それを承知し、最低年俸で獲得できた選手が、ポストシーズンで先発2番手を任せられるほどの成績を残してくれました。
復帰初年度の年俸が安く済めば、大きな故障中のFA選手の獲得はローリスクハイリターン
という経験をBoydとの契約得たフロントは、同じような復帰へのタイムテーブルだったMeansにアタックしたのではないでしょうか。
What a treat it’s been having Matthew Boyd in our rotation.
— Cleveland Guardians (@CleGuardians) September 26, 2024
Since his return from the injured list, Boyd has spun a 2.72 ERA with 46 strikeouts.#ForTheLand | @elkandelk pic.twitter.com/dDj2Bo2ENE
2-3 リスクヘッジも怠らなかった
2026年の契約をクラブオプションにし、バイアウトを設定しなかったのは、彼の怪我の遍歴や来オフのチーム状況をちゃんと考慮していた証でしょう。
Meansが2度のトミー・ジョン手術を経験したのは先述の通りですが、彼はこれ以外にもキャリアで細かな離脱を繰り返していました。シーズン完走できた年はない上、1度目のトミー・ジョン手術からほとんど投げずに2度目の手術となったところにも、耐久面での大きな懸念点がはっきり浮かび上がります。仮にリハビリ中も肘の状況が思わしくなく、2026年も投げられなさそう、という可能性もゼロではありません。その場合、クラブオプションを破棄すれば、バイアウトの金額も設定されていないため、2025年の年俸である$1Mの出費だけで損切りできます。
また、2025年オフにはShane Bieberが選手オプションを行使してFAとなる可能性があります。近年は先発投手の価格の高騰が止まらず、FA市場から引っ張ってくることは、スモールマーケットチームにとってかなり難しくなっています。その事態を避けるため、最大でも$7.5Mで実績のある先発投手を1人確保できる点もよく考えられています。
今オフのフロントは本当に抜け目がありませんね。
3. 消極的とか言ってすみませんでした
晴れてMeansの獲得が決まったわけですが、ここで前回のnoteで筆者が書いた結びの部分を見てみましょう。
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本当に格安で連れてきてしまいました。
大変申し訳ございませんでした。
まさか今シーズンほとんど投げられないことを材料に、$1Mというスモールマーケットチームでも特に痛くない金額で年俸をまとめてくるとは思いませんでした。2年目の年俸もインセンティブを多くしてベースを抑えられており、文句は何もありません。「獲得には消極的な立場」とはいいましたが、この契約であれば大手を振って喜べます。
今シーズンはほぼ投げられませんので、今年のチームへの影響は良くも悪くも特にないでしょう。まずは自らの肩肘に気を遣いつつ、リハビリを進めてもらえればいいのかなと思います。もしBoydのように8~9月に復帰して、疲労が溜まってきた先発ローテーションを助けてくれるならありがたいですね。
負けに負けたオリオールズの再建期を支えた功労者でしたが、チームはポストシーズンに進出できたものの、自らは怪我でその舞台を踏むことができませんでした。チームは変わってしまいましたが、今度はガーディアンズで頑張ってもらいましょう。デビューが間近になってきた先発左腕プロスペクトたちのお手本となってくれることを期待しつつ、このnoteを締めます。