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西暦121年当時のお悩みは? ~マルクス・アウレリウス「自省録」~

「変化しないものは役に立たない」
「思い込みを放り出せ」

今やイノベーションを語らない経営者はいないし、その文字を見ない日もない。
現状や過去の成功体験に縛られていてはダメだ、変化を恐れるな。

マネジメント何とかセミナーで聞くようなハナシがてんこ盛りに綴られている。
第16代ローマ皇帝、マルクス・アウレリウス(121- 180)が自身の内面に向かいながらその折々の思索や内省の言葉を日記のように書きとめたものが「自省録」だという。

皇帝なのだから公務に忙殺されていたはずだ。その自省も生々しい。そして、その「お悩み」は実に人間くさい。自分自身を鼓舞したり、自らとの対話を通じてセルフカウンセリングをしたりしている。

「しっかりするんだ、自分!」と自分を奮い立たせながらも、自らの中にあった「思い込みを放り出す」ことでトラブルから解放されたとしている。皇帝として責務を果たすために、「避けなければならないこと」として、「不注意な行動、混乱した会話、ふらついた考え、内にこもった魂、感情むき出しの魂、余裕がないほど多忙な生活」を挙げている。
ブレたらいかんということだ。Big Tomorrowを読みすぎた青年のような印象さえする。職務を誠実にこなしていたに違いない。

どの言葉をとっても2021年の今、全く違和感がない。2000年前から人間の思考、営みは同じだということがわかる。ゴータマ・シッダールタやアルフレッド・アドラーの悟りや心理学もみんなマルクス・アウレリウスのパクリだ。

ではアウレリウスは誰をパクったのだろう。ソクラテスか、プラトンか。

「本人に気づかせてあげればいい」という項では、腋臭と口臭に触れられていて、笑える。今のような「みだしなみ」という概念もあったのだろうか。それらがひどい人には「理性を使ってその人に気づかせてあげたらいい」という優しいアドバイスを皇帝はしている。

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