『カオスは続くよ、どこまでも』 458字
「お支払いは、『なるべく動物園』でお願いいたします」
「え?」
本社への日帰り出張を終え、家族に土産物を購入しようと思った僕は、耳慣れない言葉に面食らってしまった。
「はい、ですから恐れ入りますが、当店ではお支払いは『なるべく動物園』でお願いしております」
「・・・それは、どこで両替出来るの?」
(これだから『御上りさん』は・・・)
とでも言いたげに、免税店の店員が無愛想に説明する。
「両替には個人コードが必要です。
先ずは、お住まいの地域の役所にマイナンバーチップを申請なさって下さい。
次に、個人コードでチップをアクティベイト(云々)・・・」
「もう結構です」
店員が言い終わる前に、僕は店を後にした。
久しく来ない間に、此方では何やら面倒臭い事になってしまった様だ。
しかも、これを皆が唯々諾々と受け入れているとは・・・
僕は「長居は無用」とばかり、早々に転勤先に帰ることにした。
愛想笑いを浮かべた旅行社の窓口AIが復唱する。
「火星行き指定席、一名様でございますね」
「それでは、代金のお支払いは、『なるべく動物園』でお願いいたします」
<了>
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読んで下さった皆様へ
毎度、拙作にお付き合いくださり誠に有難うございます✨
今回も「たらはかに」さんの企画への応募です。
はい、本編ストーリーに『なるべく動物園』の必然性ナッシングですね(^◇^;)
恐縮です🙇♀️💦
ナンセンスには、チョッピリ風刺風味のナンセンスで。
しかし、、、この彼、無事に火星に戻れるのでせうか、、、(汗)
そんなこんなで
今週も本当にお疲れ様でした✨
ようやく秋めいてきた今日この頃、皆様と皆様の大切な方々には、どうぞ良き週末をお過ごし下さいませ✨
いつの日も感謝のLOVE✨
アッシュ拝