デイサービスのおばあちゃん達が釘付け♡の彼はブラジル人 特定技能介護で就職した外国人は幸せになっているか 現場レポート
こんにちは。
全国の介護事業所さまの外国人採用と受け入れをお手伝いしているソミです。
今介護の現場では外国人の採用が少しずつ進んでいます。
政府が「圧倒的に不足するであろう介護人材を外国人で補おう」といった政策を打ってから既に2年が立ちました(特定技能制度)。
2021年度8月時点、特定技能介護人材は3,502人。(法務省統計)
その数が同年の初月に比べ3.7倍増している事をみると、外国人の採用が浸透し始めたかのようにも思えます。
ところで、この制度を使って就職した人材と、採用した介護事業所さまは、果たしてハッピーになっているのでしょうか。
外国人の採用と聞くと、「劣悪な環境」「多額の借金」「失踪」といったようなネガティブ印象を真っ先に思い起こしてはいませんか。
今日はお互いが相思相愛に恵まれ、「働けてよかった」「採用して良かった」という生の現場の声を皆様にお届けしたいと思います。
母国では保健局の公務員だった(特定技能人材)
「私は日系ブラジル人ではありませんよ。日本に親戚やゆかりがあるわけでもありません。アニメが好きで日本が好きになり、日本で住むための機会を掴みたいと想いました。」と話すイゴルさん。
特定技能生の中には主に2種類の人材がいます。帰国を前提にしている「出稼ぎ労働者」と介護福祉試験の合格をもってキャリアアップを目指す「永住志向者」。イゴルさんは後者でした。
将来国家試験に合格できる地頭の良さと、30過ぎで海外への留学を決める決断力、そして高齢者に好かれる柔らかい性格。介護施設からすると将来の幹部候補にもなれる、喉から手が出るほどほしい人材です。
どんな職場が良いだろうかと社内のチームで議論しました。
①入社後も育成に力を入れてくれる職場体制
②外国人に対しての差別がなく、昇進の機会を与えてくれる風通しの良い社風
がイゴルさんには必要なのではないか、と考えました。
しかし、彼を面接してくれる介護事業者さんを見つける事は至難の業でした。
特定技能制度がそこまで認知されているわけでも、活用されているわけでも無いからです。
介護事業者さんが特定技能人材の採用を決めるまでには、以下のような決済のハードルを乗り越えないといけません。
①特定技能制度の理解
②採用する側の義務の認知と同意
③↑のためにかかる人員稼働の確保
④↑のためにかかる予算の確保
場合によっては検討が終わるまで半年から1年掛かる事もある程に複雑なプロセスです。
更にはイゴルさんの就職の難易度を上げる要素がもう一つありました。イゴルさんには「有効期限」があったのです。留学のビザで日本に来ていたので、ビザが切れてしまうと一度帰国しなければなりません。期限を切らすまで後2か月。「風通しの良い社風」だなんて悠長な事は言っていられませんでした。
これは、国内にいる留学生や技能実習生が特定技能へ切り替えして就職する時に直面する共通課題でもあります。
「特定技能制度」は初めて聞いたけど…
今回イゴルさんの採用を決めてくれた株式会社ツインキールズの赤星さん。東久留米市の商店街でデイサービスを3所、有料老人ホーム1所を運営しています。
同社の経営陣や現場監督者は30代~40代の若者ぞろい。若いうちにどんどん昇進していく、活気溢れる楽しい社風です。また、社内で介護福祉士講座を開いており、合格率は100%だそう。
そんな中、外国人の採用には日頃関心があったといいます。「今は安定していても社員の出入りは必ずあるから、採用導線は増やしておいた方が良いと思っていました。でも外国人採用といえば技能実習の事しか知らなくて。」
では技能実習生の導入になぜ至らなかったのか。
理由はコストだといいます。技能実習生を採用する場合、一般的に初期費用が約100万円、月額費用が約4~5万円かかります(人件費とは別途)。内訳は海外の送り出し機関への手数料や実習生招聘の実費、また住居の用意やお小遣い支給、監理組合への管理費等。
「日本人の採用単価は(自社募集する場合)一人当たり20万円くらいです。仮に人材紹介会社さんを使ったとしても紹介料は90万円くらいでしょう。でも技能実習生は初期費用が100万円もかかる上、月額もかかる。コスト的な理由で見送りました。」
そんな中、赤星さんに特定技能についての説明をさせて頂く機会を頂きました。早速ご訪問し、ひと通り説明を終えたところ「これなら技能実習とは違って採用に無理が無い費用感。人が良ければ是非採用してみたい!」と言って頂きました。
イゴルさんを含む10名の候補生をその後提案し、そのうち2名を採用頂くことに。
ビザの手続きは思ったより面倒だったと苦笑されましたが、無事ビザ認定も降り、イゴルさんは9月からデイサービスで働いています。また、勤務時間の中から週に1回、初任者研修の学校に通学させてもらう事になりました。来年の1月には卒業予定。授業費は施設負担です。
「イゴルが来てくれて、実は周りの職員がとても刺激を受けています。彼、一生懸命学ぶから、日本人の職員もたくさん教えてあげなきゃ!という気持ちになってて。イゴルはその日感じた事や学んだ事をびっしりノートに書いてきます。日本人にあんな子はなかなかいないですよね。」
とその後、赤星さんから絶賛頂きました。
イゴルさん、良かったね!
「みんなとっても優しいです。この会社で本当に良かった。意地悪な人というのはどこの職場にも付き物だと思っていたけど、ここはそういう人がいない。僕はまだまだ学ぶ身なので得意なのはお皿洗いぐらいしかないかもしれないけど、これから焦らずに頑張ります。」
イゴルさんも満足げに、日本でのキャリアの第一歩を歩みはじめたのでした。
入社祝いにイゴルさんとブラジル料理を食べにいきました♪(Feat.GTN特定技能チーム)
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株式会社グローバルトラストネットワークス 特定技能推進セクション 担当:ソミ 電話:03-6804-6800/070-1313-6178 メール:somee@gtn.co.jp
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