【店舗戦略DX事例インタビュー】株式会社白洋舍様
こんにちは。
技研商事インターナショナルのマーケティング担当、平井です。
今回のコラムは、出店計画や顧客分析、販促施策等、店舗戦略の幅広い業務におけるDX推進事例のインタビューをご紹介します。
お話を伺ったのは、業界最大手のクリーニングサービスチェーンを運営されている株式会社白洋舍様。
なんと創業117年を迎えられる老舗企業で、日本で初めてドライクリーニングを開発した会社なんだそうです。
白洋舍様は、当社GIS(商圏分析ツール)「MarketAnalyzer™ 5」で様々なデータを活用し、商圏のポテンシャルを加味した店舗戦略やエリア戦略を進めていらっしゃいます。その戦略立案を担う事業戦略室 部長の小田 洋大様に、ツールやデータの活用についてお話を伺いました。
店舗戦略DXを進めていくために
GISでできることは、まだあると感じた。
-GISは、もっと活用できるはず。
小田様:
当社は、明治39年、創業者五十嵐健治の「世の中のためにご奉仕できる仕事がしたい」という熱心な祈りと願いにより、立ち上げたクリーニングの会社で、今年で創業から117年になります。
クリーニング事業を中心として、現在ではホテルやレストランなどのリネン品を取り扱うリネンサプライ事業、店舗や工場の制服を、洗濯し貸し出しを行うユニフォームレンタル事業といった、大きく3つの柱で事業を展開しています。その中で私は、主にクリーニング部門でのCRMツール等を活用したOne to OneマーケティングやECサイトの運営等など、クリーニング事業全般におけるDX推進を担っています。
コロナ禍にあった2020年頃、様々なDXを導入し効率化を進めていくことになりましたが、MarketAnalyzer™(以下、MKA)も、有効なツールであるものの、あまり有効活用できていないなとも感じていました。もっとMKAを使って店舗戦略をロジカルかつ効率よく立案し、ツールの費用対効果を高めていかなければいけないと思うようになったのが、GIS活用の幅を広げるきっかけとなりました。
10年以上前からMKAを使っていますが、それまでは世帯数や年収等、店舗周辺の商圏データを見る程度の活用しかしていませんでした。ただ、昔と比べて今は取れるデータやツールの機能なども進化していますし、GISの分野においてもDXを効率よく進めていくヒントがあると感じていました。
まずはMKAで何ができるのか。
技研商事インターナショナルさんのセミナー等で勉強しつつ、自社にとってのMKAの価値、運用の方向性を徐々に固めていきました。
顧客のペルソナを、より鮮明に。
販促施策の最適化にも活用。
―GISを活用した顧客分析
小田様:
一つ目は、クリーニング事業の顧客像の深掘りです。
当社の顧客は、今まで漠然と年収1000万円以上の層がターゲットとなるといったイメージ感でしたが、「c-japan🄬(エリアセグメンテーションデータ)」という、エリアを軸に顧客のペルソナを把握できるデータがあることを知りました。顧客の住所データと重ねれば、当社のお客様のペルソナ像が明確になりますし、そこから新規顧客の開拓や広告のセグメント等にも活かせそうだということで、実際に分析してみました。
年収1000万以上がターゲットという仮説はその通りでした。
例えばクリー二ングの集配部門ではエリアに絞って営業をしたほうが効率的なため、町丁目単位でターゲットがどこに多くいそうかが分かるのは良かった点です。
ただ、年収1000万以上の全ての人が当社のクリー二ングを使う層ということでもありません。“洋服に興味がある”という要素も必要です。逆にそういう人は、年収1000万未満でも当社のクリーニングを選ぶ傾向にあり、将来的に見ても生活者がどういう意識で行動するかといった軸でも分析しなければと感じているところです。これは、c-japan🄬と掛け合わせて分析できる「生活意識データ」に期待したいと思います。
〇 c-japan🄬および生活意識データ詳細はこちら
https://www.giken.co.jp/products/psycho-demo-geo/
様々なデータを掛け合わせ
商圏のポテンシャルを見極めていきたい。
―GISを活用した出店エリア調査
小田様:
二つ目は、店舗の出退店戦略を立てる際の商圏調査です。
店舗の商圏分析は従来からやっていますが、コロナ禍で店舗のリロケーションを検討することになり、直近ではどのエリアやどの店舗に注力をしていくのかといった分析を、戦略的に進めることを行っています。
コロナ禍では、多くのチェーン企業が大きな打撃を受けたと思いますが、当社もダメージを受けました。特に行動制限を受けたことにより、外出が少なくなったことでおしゃれ着のクリーニング需要の減少や、在宅勤務等が進み、働き方も変わっていく中で、ワイシャツ、スーツなどのビジネスウェアの着用機会が減少したことも大きな一因です。
そんな生活者のライフスタイルの変化もあり、店舗の再配置等も検討していますが、単純な売上データやベーシックな商圏レポートを見るだけでは、本当に当社のニーズが見込めるエリアか否かを容易に判断することは困難です。
MKAを使えば商圏のポテンシャルを考慮した既存店分析ができるといった話を聞き、ぜひ一度分析結果を見てみたいと思いました。
仮に、今売上が高くなくとも、商圏自体のポテンシャルが高いエリアであれば、店舗を閉じる前にオペレーションなりプロモーションなりを変えていけば売り上げ拡大につながり、採算改善が図られます。そういったポテンシャルのある店舗やエリアを見つける手段としてMKAを活用していきたい、そう思っています。
こうしたエリアのポテンシャルを知ることは、各店舗の出退店だけでなく、大きな括りでの店舗戦略にも活かせます。日本全国を視野に、注力すべきエリアやそうでないエリアを見極めつつ、リソースの投下配分の最適化にもつなげていきたいと思います。
(取材月:2023年9月)
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