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授業の様子⑤グローバルスタディーズ学科
このブログでは、これまで数週に渡ってグローバルスタディーズ学科の授業(ゼミ)についてご紹介してきましたが、今週は全学共通教育科目をご紹介したいと思います。
京都精華大学のカリキュラムは、各学部・学科で編成された「学部専門教育科目」と、全学部すべての学生が履修できる「全学共通教育科目」とに分かれて構成されています。
全学共通科目は、自らの興味や専門をより深めるための土台となる科目、あるいは必ずしも専門ではない視点からものごとを観察し、視野を広げてより豊かな思考を探求していく科目など、多分野かつ多彩な科目構成が特色です。また、国際文化学部やグローバルスタディーズ学科所属以外の学生とともに授業を受けることで、学内交流を深める絶好の機会でもあります。
今回は山田が担当する「身体文化演習(ボディコントロール)」の授業の様子をお届けします。
この授業では、ヨガを中心に、ピラティス、気功、フェルデンクライス、アレクサンダー・テクニック等のメソッドを取り入れたエクササイズを実践します。しかし、ただ漠然と各エクササイズメニューをこなし、「うまくできるようになること」が必ずしも最終目的ではありません。授業では、様々なエクササイズを通して「自分の「からだ」を知覚し自らコントロールする」ことを目標にしています。
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例えば、「背中を丸める/背中を反らす」という動きを行うとしましょう。言葉にすると実に簡単な動作のように聞こえますし、これは背中を柔軟に保ち適切な姿勢の維持に役立つ代表的なエクササイズなので、動き自体は動画などを通して簡単に見ることができるでしょう。
しかし、実際に自ら実践してみると、意外にも「背中を自在に動かすのは難しい」ということに気がつくはずです。
この授業では、様々な身体の動きを体験することを通して「自分の身体ってこんな風に動くんだ/こんなにも動かすのって難しいんだ」「この動きをする時ってこんな身体の感覚なんだ」といった、自らの「からだ」に対する気づきや発見を大切にしています。
そこから、「ではどうしてこの部分はこんなにも動かしにくいのだろう?」「その原因は?」「動かしにくいことが原因で起こる身体の不調って何だろう?」「どうしたら動かしやすくなるのだろう?」と追求していきます。
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時には鏡を使って自身の動きを客観的に確認し、主観的な身体感覚と比較しながらエクササイズ。
(2022年7月撮影)
授業や事前事後学習、作品の制作や論文の作成などに日々忙しく、自覚の有無にかかわらず身体の疲れや肩こりなどの不調を抱えている学生さんは多いように思います。姿かたち、性格がみな違うように、身体の状態も当然みな違います。自身の身体のどこが動きにくくなっているのか、それを解消するためにはどのような生活習慣の改善やエクササイズの実践が必要なのか、すべて「自ら」気づき、探求していくことが大切です。
授業を通して、自己の身体への意識や気づきを高め、身体制御や心身のコンディションを自ら管理する重要性や方法について考え、理解を深めていって欲しいと考えています。
2022年8月29日
山田 小夜歌(グローバルスタディーズ学科教員)