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純情な自己否定、透明な自己肯定

自分を愛せない人間は誰かに愛されるわけではない。簡単に言うが自己否定感の強い人間は簡単に自分を愛することができないのだ。

元々自己肯定のできない自己否定的な人間は幼いころから褒められた経験がない、もしくは人よりいい経験をしたことがない。

「愛されなくて当たり前」
「褒められないことが普通」

自虐はネタでもなんでもなく保険なのだ。その理由は

「傷つきたくないから」

「誰だって傷つくのは嫌」なんていうのはお門違いである。褒められてきた人間は状態がプラスなのだ。そこからネガティブな出来事があったとしても0に近づくだけである。

だが自己否定感の強い人間はどうだろう。0が当たり前の人間にネガティブな出来事が起きた場合、状態がマイナスになる。

「あぁやっぱり」

傷つくどころか少しホッとさえしてしまうのだ。自分の選んだ逃げ道が正解だと安心する。そしてますます逃げることを選んでしまう。

自己否定はというのは根深く残ってしまうもので、ひどくややこしいものでもある。

自己否定癖が招くもの

わたしは例にもれず、親に褒められた記憶がない。対して頭もよくなく容姿についても幼馴染たちに「ブス」だといじられ、それが当たり前だと思っていたのだ。

そんなひねくれていたわたしにも彼氏ができることはあった。だが完全にこじらせているため感情的に泣いてなんとか自分を肯定してもらおうとし、相手をひどく困らせた。

浮気をされたこともあった。相手を感情にまかせて責める!そしてフラれる!自分がこんなだからと自己嫌悪の

悪・循・環!!

の恋愛を繰り返し、年齢を重ねるにつれ、感情だけで話をしないようになった。

相手の言っていることを頭の中で理解し、そして疑問に思ったことを聞く。

「約束したよね」
「忘れてた」
「でも前も言ってたよ」
「忙しくて」
「忘れないようにしようとしないの?」

この繰り返し、俗にいう「理詰め」で話をするように変わったのだ。

相手からしたら逃げ道を塞がれているような気がしてひどくめんどくさいだろう。だが浮気をされていたことに元々「こだわりが強い」性格も加わって、特に「嘘」をついていると感じたことについてはしつこくなっていた。相手を好きだからこそ「信用」させてほしかったのだ。

その時付き合っていた彼は借金癖があった。借金のために借金をする。わたしも彼もどうしたらいいのか解決策を見つけられなかった。

話し合いの中でそのことを問い詰める。問い詰められることが嫌な彼は次の借金をひた隠しにした。

泣きわめいたほうがよっぽど相手は楽だったのかもしれない。

そして彼は解決方法を見出せないまま「うつ状態」になった。仕事を続けられず、実家に帰ることになった彼と別れてわたしはひどく罪悪感に苛まれた。

自分が責めなかったら、なにも知らないふりをしたら、彼を追い詰めることはなかったのではないだろうかと。

そこから自己否定は一気に加速してしまった。好きな人を苦しめてしまった自分の存在価値などない気がしていた。

それから何年かして友人関係だった人が告白をしてくれた。自分に自信がなく後悔しかなかったため、彼には過去あったことをすべて話した。そして彼は受け入れてくれて、わたしはただ幸せだった。

そんな彼が浮気をした。

もちろんケンカにはなったが、なるべく冷静に感情的にならないように話をしたかった。泣いてしまったら、全て認めてしまう気がしていたのだ。そしてそんなわたしに彼は言った。

「そんなに理詰めで話されたら嫌になる。だから前の彼氏もうつ病になったんだろ」

事実は違う。

借金する方が悪い、浮気をする方が悪い。だが

「自分のせいで嘘をつかれる」
「自分が悪いから浮気をされる」

そう考えてしまう自己否定をする人間を追い詰めるには十分すぎる言葉だった。

わたしはLINEを消した。わたしは彼からだけではなく、全てから逃げたのだ。

が、LINEを消してすぐに電話をかけてきた友人がいた。なんとなくわかっていたのだと思う。事情を聞いた友人はわたしを一言も責めなかった。

そう思ったことないけどなぁ。きっと彼は後悔するでしょー。自分の過ちをごまかすためにそう言っただけ。変わる必要なんてないと思うよ」

「そのままでいい」軽く笑うその人に、わたしは頭をなでられたような気がした。

正直いうと「自己否定」する人間は非常にめんどくさい。自分で自分を受け入れられず、悪いところが気になり、今までどおりの行動や言動すらできなくなる。メンヘラと同じ

「百害あって一利なし」

だが頭の中でわかっているものの、簡単に直せるわけでもなく、苦しむこともある。

もし恋人や友達が自己否定するタイプの場合、

めんどくさいと思わず、

かと言って間に受け過ぎない

でほしい。相手が本気で悩んでいたとしても、自分までその悩みに巻き込まれて背負いすぎないでほしい

たった一度や二度褒めたからといってそれが改善するわけではない。何度も繰り返し繰り返し、褒めたり肯定するしかない。あとはそれによって本人が少しずつ意識を変えていく必要がある。変わるのはためには必要なのは

「本人の意識」

わたしは今もいろんなトラウマが残っていてたまに「自己否定」の波にのまれてしまう。

人は簡単に人を傷つけることができる。そして簡単についた傷ほど治らないものはない。

そんな時はその原因から離れてしまうことが一番だと気がついた。その原因から逃げ出したとしても、笑いながら

「君らしいね」

と言ってくれる人たちにわたしは今日も救われているのだ。

そして自己否定する癖のある人へ

まず自分で自分を肯定してみよう。急に自分を愛すなんてできるわけがない。今までいいところを探そうとすらしなかったろう。

それでいい。

だからまず悪い所が1つあったなら、2ついいところを探す癖に変えていこう。

自分で自分を必要以上に傷つけても、かわいくなれるわけでも、頭がよくなるわけでもないことに気がつけたらきっと割とどうでもよくなるから

最後まで読んでいただきありがとうございます。まだまだ不慣れですがサポートいただけるように頑張っていきます❤︎