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”事実”を見つける/面接官が「見極め」で押さえておくべきポイント
こんにちは、宮田です。
最近クライアントより、面接官のスキルアップ研修のご依頼をいただきます。入社後のミスマッチや離職をできるかぎり防ぐための施策の一つとして行っています。
面接官としてのスキルは様々な要素が考えられますが、今回は見極めの基本的なポイント「ファクトファインディング」について書きたいと思います。
面接官の役割
まず私たち面接官の役割を確認しておきましょう。大きく2つの役割があります。
<面接官の2つの役割>
① 見極め
採用判定に必要な情報を十分に引き出すこと。また、自社・自部門の採用基準に照らし合わせ採否を決定する。
② 魅力付け
応募者が必要とする情報を提供すること。また、採用ページなどからは得られない新たな気づき・発見を伝える。
面接においては魅力付けよりも、まずは見極めが重要です。魅力付けはあくまでも採用基準をクリアした応募者に行うものだからです。
見極めができていなければ、入社後のミスマッチや離職に繋がってしまい双方にとって幸せとは言えない状況を作ってしまいます。
では、見極めをする上で面接官はどのようなポイントに注意しておく必要があるのでしょうか。
事実を見つける
見極めをするためには、応募者を深く理解しなければなりません。
”深く”とは、どのようなスキルを持っているのかを知ることはもちろん、考え方や価値観、物事の判断軸までを知ることです。
履歴書や職務経歴書、面接時の話し方や態度などからは分からない「見えにくい要素」まで把握することが大切です。
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応募者を深く理解するためには、ファクトファインディングをする必要があります。ファクトファインディングとは「事実(ファクト)を見つける(ファインディング)」ことを言います。
つまり、応募者の発言を鵜呑みにしないこと。「この人は主体性ある人だ」と判断できる、あるいはその根拠となる(できれば客観的)な情報を見つけることです。
具体的なシーンにおける、具体的な行動と結果、その行動をとった際の考えなどを深堀していくとよいでしょう。
たとえば、
「チームで仕事を進める中で、最も苦労したことはどんなことですか?」
「どのように考え、工夫されたんですか?」
「その経験からどのようなことを学びましたか?」
などの質問をすることで、応募者が過去に実際に取った行動、つまり事実を把握することが可能です。
面接の中では、
「今後はどのようなことに挑戦したいですか?」
「3年後・5年後・10年後はどんな姿になっていたいですか?」
など、未来に目を向けた質問をすることで応募者の理解をしようとすることもあります。
しかし、将来のことは”何とでも言えてしまう”ので、見極めをするための応募者情報としては不十分です。
未来に目を向けた質問をしてはいけないという意味ではありませんが、応募者理解のための自分の質問が未来の話ばかりになっていないかを確認しておきましょう。
面接をしながら、事実を見つける質問と未来に目を向けた質問を使い分けるのは容易ではありません。ですので慣れるまでは、面接前に質問を準備しておくとよいでしょう。
見極めに自信が持てない・・・という方は、まずはファクトファインディングを行なってみてください。(執筆者:宮田)