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テクニカルサポート
この会社には、日本人が私を含めて3人、日本語を流暢に話せるアメリカ人が1人在籍していた。
私はテクニカルサポート担当、もう一人の日本人はインゲームサポート、さらにもう一人はマーケティングを担当していた。
日本語を話せるアメリカ人は、インゲームサポートのスーパーバイザーを務めていた。
日本人がいるのはこの3つのセクションだけだったが、日本のユーザーからのバグレポートが継続的に寄せられていた。
このレポートを再現し、英語でバグレポートを書き直して開発チームにエスカレーションする役割が必要となり、私がその担当になった。
また、当時の翻訳の制度が悲惨だったため、翻訳の修正も同時に行うことにした。
通常、翻訳は外注するが、外注先の翻訳が初期の自動翻訳機のように質が低かったため、私が直接翻訳するようにお願いし、任されることになった。
日々の仕事の流れは、朝早めに出社し、メールの案件を午前中にできるだけ片付けることから始まる。
全てのチケット処理が終わったら、日本語のバグレポートを再現し、エスカレーションを済ませ、その後は翻訳業務に専念した。
その間、テクニカルサポートの依頼が来ればチャットで対応していた。
このゲーム会社でのテクニカルサポート業務について少し説明しよう。
製品やサービスによってテクニカルサポートが行う要件は様々だが、私が働いていたPCオンラインゲーム開発会社でのサポート業務は、ユーザーのPC環境でゲームがベストなパフォーマンスを発揮するための情報提供が主な仕事だった。
また、不具合が発生した場合、その原因を特定するためのトラブルシューティングも行った。
トラブルシューティングとは、実際に修理するのではなく、原因を特定し、何をすれば問題が解消されるかのアドバイスをすることだ。
修正や買い替えなど、実際の問題解決はユーザー自身が行う。
PCゲームの場合、ユーザーのPCスペックが異なるため、同じゲームを起動してもパフォーマンスが異なる。
ハイスペックなPCなら高速に動くが、ロースペックなPCでは遅延が発生し、遅延中に敵に殺されることもある。
これを完全に防ぐことはできないが、少なくとも持っているスペックで最大のパフォーマンスを発揮できるよう、グラフィックボードのドライバーの更新を勧めたりするのが私の仕事だった。