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パソコンの購入
兄と私は、ファミコン全盛期を生きたが、PCへの興味へとシフトするのも早かった。
兄が中学生で私が小学校高学年の頃に、PCの世界へとシフトしていった。
その時代のPCと言えば、ニッチ過ぎる世界で、ノートパソコンなどなく、全てがデスクトップ。CDサイズのフロッピーディスクの全盛期だったが、カセットテープに保存をするという廉価なデスクトップも販売されていた時代だ。
価格は1台30万円。兄の強い要望で母が購入してくれた。あの時代になかなかの先見の明だったと思う。
購入したPCは、NECのPC-8801-FRというモデル。
そのPCが、当時どれ程のスペックの立ち位置なのかも全く知らない中で、ゲームとプログラミング中心の使い方をしていた。
当時、かなりニッチな流行りがあり、PCだけを取り扱った「パソコンサンデー」が日曜日に放映されていた。
山下章氏がゲームを紹介してくれ、高橋雄一氏がコーディングを教えてくれる、ニッチでホットなテレビ番組だ。
小学生が日曜日にこんなテレビ番組を楽しみにしているなんて、当時の私には先見の明があったと言える。
今では信じられない話だが、PCゲームを闇レンタルしてくれる業者が存在した。
目立った場所などにあるわけではなく、古びたマンションの一室がレンタルショップとなっており、そこに市場に出回るPCゲームの全てと、そのゲームをフロッピーディスクに複製できるソフトも貸し出していた。
そこで定期的にレンタルしてはコピーして遊ぶのがニッチな遊びになっていた。
ここでレンタルして遊ぶのはあくまでも軽めのゲームで、がっつりとプレーするRPGなどは、ラオックスなどで購入していた。
当時、最も流行っていたのは「ザナドゥ」というゲーム。2DのRPGで、日本ファルコムが開発したゲームだが、世界観を出すために全編英語で書かれてあったと思う。
思い返すと「ザナドゥ」のような設計を持ったRPGは、後にも開発されていないと思う。
「ザナドゥ」は、通常のRPGゲームのように、武器や鎧を購入してアップグレードしていくのだが、どの武器や防具も「熟練度」というのが設定されている。
例えば、剣を購入したての時は、攻撃力が100だったとする。この剣でモンスターを倒せば倒すほど、攻撃力が120、130と上がっていく。
防具の場合は、攻撃を受けダメージを食らうと、熟練度が上がっていく。だから、新しい防具を購入したばかりの時は、わざとモンスターに当たっていき、攻撃を食らい続けるというプロセスをこなしていた。
パソコンゲームをしていない人は、「日本ファルコム」という企業を知らないと思うが、パソコンゲームをしていた人の間では、「スクエアエニックス」と同じくらいの知名度だった。
当時は、PCゲームを背負って立つ企業になると思っていたが、「ザナドゥ」「イース」の後は、私自身も中学へと進学しバスケを始め、兄は高校進学に伴いバスケと独学でピアノを始めたため、PCゲームの環境から離れてしまったが、あのままPCを続けていたら間違いなく、今のように食品業界に勤めていることはなかったと思う。