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自分らしさを貫くリーダーシップ──『リーダーシップに出会う瞬間』

リーダーシップは「教わる」ものではなく「気づく」もの

吉井理人氏の『リーダーシップに出会う瞬間』は、リーダーシップの本質に迫る一冊です。本書は、成人発達理論をベースに、主人公の女性リーダーが自分らしいリーダーシップを模索し成長していく過程を描いています。ストーリー仕立ての構成が読者を引き込み、まるで自分自身の経験を振り返るような感覚で読み進めることができました。

特に「リーダーシップは要領よくこなすものではなく、自分の内面に向き合い、成熟していくプロセス」というメッセージは、非常に心に響きました。


印象深いポイント

1. 「コアリーダー」と「エゴリーダー」

第1章で示される「コアリーダー」と「エゴリーダー」の違いは、リーダーシップの本質を捉える上で欠かせない視点です。エゴリーダーは自己中心的で表面的な成果を重視する一方、コアリーダーは自分の信念や価値観に基づき、組織や他者にポジティブな影響を与えます。この対比が、読者にとって理想のリーダー像を明確にしてくれます。

2. 自己犠牲からの脱却

第3章では、「他者依存段階」から「自己主導段階」への成長が描かれています。主人公が他人の期待に応えようと自己犠牲的な行動を繰り返しながら、その苦しみから脱却する過程には、多くの共感を覚えました。「自己犠牲の排気ガス」という表現が印象的で、自分を大切にすることが他者との健全な関係につながるという考え方に納得しました。

3. 「譲れない理念」に立つリーダーシップ

第4章で描かれる「正しいリーダーではなく、自分の理念に基づくリーダー」を目指す姿勢は、リーダーシップにおける本質的な成長を表しています。この理念に立つことで、自分らしさを失わずにチームや組織に貢献できることを学びました。

4. 相互発達段階への挑戦

最終章では、「コアリーダー」に向けたプロセスが描かれます。「損してもいい」「嫌われてもいい」という言葉は、リーダーシップが単なる成果追求ではなく、自己変容を伴うプロセスであることを示しています。この点は、自己成長を続けたい全ての人にとって参考になる部分です。


感想と学び

本書は、リーダーシップに必要な「自己認識」「内省」「価値観の明確化」といった要素を分かりやすく解説し、ストーリー形式で深く掘り下げています。成人発達理論という科学的な枠組みに基づきながらも、日常的な場面や感情がリアルに描かれており、実践的で共感しやすい内容でした。

特に、自分の弱さや迷いを受け入れながらも、成長を続ける姿勢に感銘を受けました。リーダーとして「すべてを完璧にこなす」のではなく、「自分らしい道を見つける」ことが成功の鍵であると強く感じました。


この本をどんな人に勧めたいか?

  • 初めてリーダーシップを求められた人

  • 部下やチームの指導に悩んでいる中間管理職

  • 自己成長を目指すビジネスパーソン

  • 自分の価値観や信念に基づいて行動したい人


(この記事には、アフィリエイトリンクを含みます。)


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