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石の来訪
先日
生まれて初めて
「尿管結石」になった。
(泣。
噂には聞いていたものの、
あれほどの激痛とは。
平日の昼、
いつも通り仕込み作業をしていると、
脇腹の背中側に違和感。
「あれ、またギックリ腰やったか?」
なんて思っていたら、痛みが徐々に前面の下腹部に回り込んできて、
あっという間に、その場にうずくまって立てなくなってしまった。
一瞬、「盲腸か?」とも思ったが、うちの家系で盲腸になった者はあまり聞いたことがない。
それではなんだろうと考えても、全く頭に思い浮かばない。
そうこうしているうちにどんどん痛みは増す。
救急車を呼ぶか?
いや待て、この騒動下、うまく捕まるかどうか分からない。
仮に捕まったとしても、病院を探すのに待たされるのはゴメンだ。
あれこれあって、とにかく、近所で一番近い内科にとりあえず駆け込む。
選択の余地などない。
問診票に記入してくれと言われて、書いている間にも、手が震えて止まらない。
もう、待合の椅子に腰掛けるのも苦痛で、床に跪きながら待つ。
思いのほか空いていて、早速エコーを撮るために、横になる。
「まあ、典型的な尿管結石だろうね。」
それにしても、ちょっと変わった医師だった。
こちらがうんうん唸っているのを横目に、
「なんでここ来たの?救急車呼べばよかったのに。」
「これが腎臓ね。自分の腎臓の形良く覚えといて。」
「あんた、自営って書いてあるけど、なんかのコンサルでもしてんの?」
なんでそんなこと関係あるんだ。
もう質問に答える気力もなく、ただうなだれているだけだった。
ところが、
そうこうしているうちに、体に変化が。
急に楽になったのだ。
「あれ??」
痛みが消えてる。
立てる。
喋れる。
一体どうしたんだ。
いや、一体なんだったんだ。
「飛びましたかね。」と、その変な医師。
そう。どっかへ飛んで行ってしまったようなのだ。
聞くと、結石が飛んで、急に治ることがあるそうだ。
もう、すっかりなんともない。
幸せだ。
この世は天国だ。
一方で、その変な医師の喋りは続く。
選択の余地などなかったので、駆け込んだこちらもいけなかったのだが、
それにしても酷かった。
「あんたなんか、救急外来に行っていたら、その辺にほっぽり出されてたよ。」
「そっちの喋るところじゃない。黙って聞いてなさい。」
「大体、感染広まっているんだ。軽率に喋るんじゃない!!」
最後には呆れて、何も話す気になれず、病室を後にした。
空いている理由が少しわかった気がした。
しかし、考えてみると、病院も色々大変なのかもしれない。
それに、振り返って自分のことを考えると、この騒動下で、人数制限をしたり、マスクの着用を求めたりと、色々と制約が多く、接客面でそれなりに軋轢を生んでいたことは確かだ。それでストレスを溜め込んでいたようにも思う。
もう2年余り。
それこそ「変な店」になっていなかっただろうか。
それが結晶として現れた??
そんな、石(医師)のお告げだったのかもしれない。
(苦笑。
ところで、
「再発の可能性が高いので、念のため精密検査をするように。」と、無理やり大きな病院の予約を入れられて検査してもらった結果、腎臓にもう一個、2mmほどの小さな結石が残っているとのこと。
「出口に近いところにあるので、ここ1〜2年でまた出てくるでしょう。そうなったらまた来てください。お大事に。」
だそうです。
ああ、せめて営業中じゃありませんように。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
ちなみにヘッダーの写真は、精密検査でお世話になった、九段下の病院のデッキから眺められる、お堀の蓮の葉群です。
ちょっと都会の天国のようです。(一般にも開放しています)
お待ちしております。
Milestones / Walter Boshop jr. Trio
Jazztime
1961
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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