潰れている店が少ないという事実
しばらくぶりに、「アメ横」へ買い出しに行った。
人出の多い所なので、極力控えるようにはしていたのだが、通販がきくような店ばかりではないので、やはり定期的に行かなくてはならない。
しかし、今回行って、本当に驚いた。
「閉店」して、シャッターを降ろしているテナントが、随分目立つのだ。
この騒動になってからも、何回かは訪れているのだが、今回が一番増えたような気がする。
まあ、もともと流行に敏感な街で、テナントの入れ替わりは頻繁なエリアではあるとは思う。
新しい服屋さんや靴屋さんなどが、まるで出店屋台のように出来ては消え、出来ては消え、
その、常に入れ替わる「新陳代謝」のようなものが楽しみで、行かれている方も多いかと思う。
しかし、今度のは、ちょっと様子が違う気がする。
新しいテナントの準備がされている気配がない。
やはり、こう騒動が長引くと、ボディーブローのように効いてきて、徐々に活気を失ってしまうのかもしれない。
そんな様子を見ていたら、
自分が用のある店の所存が気になってきた。
「アメ横」に用事のある、あるいは個人的にちょくちょく覗いていたところは5〜6軒、といったところだろうか。
ナッツ、ドライフルーツなどの乾物屋、スルメなどの干物屋、冷凍の魚介売場、通勤用のスニーカー屋、個人利用の海苔屋、腕時計屋、カジュアル洋服屋、などなど。
どれも古くからやられている店で、僕の長年の「アメ横」通いで、徐々に開拓していった店だ。
早速、一様にザッと見て回る。
これが、どれも全て「潰れていない」のだ。
どれも、長く続けてらっしゃる「良店」であることは事実なのだが、
こう、揃いも揃って、何食わぬ顔で営業されているのを見ると、
あらためて、己の選定眼の素晴らしさに惚れ惚れしてしまう(笑。
長年通って獲得した「僕だけのルート」である。
いや、
僕がそう思っているだけで、
向こうからしてみれば、至極当たり前のことなのか?
僕が呼んだのか、
僕が呼ばれたのか。
どっちだかわからなくなってきた。
まあ、いい。
どちらにしても、どの店にも共通して言えることは、
「あまり派手な宣伝をしていない。」
という事だろうか。
きらびやかな看板や、商品ポップなど一切なし、
いつ行っても、わかりやすく、整然と物が並べられてある。
呼び込みなどもってのほかで、声をあげての価格連呼などあり得ない光景だ。
(ご経験の方もいると思うが、一度、つられて1000円のマグロの切り身を買っって、酷い思いをしたことがある。)
あの騒々しい「アメ横」で、それでは気付いてすらもらえないのでは、と心配する方もおられるかもしれないが、
「分かる人だけに、分かればいい。」
という風情は、自力のなせる技なのだろう、と常々思う。
「待っていれば、自然とそうなる。」
と言ったところだろうか。
実際、こうして僕に見染められているのだから。
さて、振り返って、自分の店はどうなのかと言われると、
以前、とある方から、
「5年間前を通っているけど、全く気が付かなかった。」
と、言われたことがある。
いくら「待っていれば」と言っても、それでは、、、ねえ。
ましてや、自力があるのかと問われると・・・、
そんなわけで、こうしてコソコソと、宣伝活動をすることになっています(笑。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
自力とジン・リッキーは、20歳をすぎてから(笑。
お待ちしております。
Waiting for Your Call / Jordy Chandra
Jordy Chandra
2020
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)