飲食店のSNSで、何がカッコ悪いかって
緊急事態宣言解除まであと少し。
お客さんの入りは相変わらず低調であるが、
慎重に行動される方が多いのだと、むしろ喜ぶべきと思うようにしている。
たまにお客さんから
「今の時代、いろいろな宣伝の媒体があるから、いいですね。」
なんて言われることがある。
逆に言うと、今の時代、SNS くらいやらないと、営業努力を怠っていると思われるので、それはそれで大変である。
世の中便利になったはずなのに、どんどんやることが増えている。
昔は店の前で、のどかに新聞を広げて読んでいた時代もあった。
やがて、新聞を広げていたスペースにパソコンが置かれ、ホームページを作り、ブログを始め、Twitter、Facebook、Instagram、そしてこの note と、どんどんやることが増えている。
もはや、お店の営業そのものよりも、労力の比重は多いくらいだ。
「飲食店たるもの、味で勝負。SNSなんかに頼るなんて、カッコ悪い。」
というご意見もあるかと思う。
しかし、街を見ていると、周りを眺めながら歩いている人などほとんどいない。
皆、スマホの画面を見ながら歩く。
店を見つけてもらうには、まず画面の中に店がなければ話にならない時代なのだ。
もはや、「知名度」のない店にとって、SNSの活用は「宿命」になっている。
何よりも、まず、「知ってもらう」ことが先決なのだ。
ところで、
飲食店が、こういったSNSを活用するに当たって、よく見られる傾向を、勉強を兼ねて、わたくしなりに、大雑把に分類してみた。
【飲食店のSNS活用傾向分類】
S ランク : 一切やらない。(そんなものやらなくても、充分経営が成り立っている。むしろこれ以上目立ちたくない。)
A ランク : 一応やる。(基本、営業案内など店側からの一方的な通知。「いいね」や、コメントに対する返信などは一切しない。フォローも「0」だったりする。芸能人的使い方。)
B ランク : 内容メイン。(一応やるが、それほど熱心でないにもかかわらず、先天的に内容が良いのでフォローがつく。店側も有益なアカウントだと思えばフォローする。)
C ランク : 相互フォローメイン。(通信欄的な使い方で、顧客との繋がりを切らさないよう務める。労力的には一番大きい。)
D ランク : 追っかけメイン。(新規客を求めて、「いいね」「フォロー」をしまくる。獲得したフォロワーの数の割に「いいね」は少ない。)
E ランク : 途中でやめる。(この時代SNSくらいやらなくちゃ、と始めたはいいが、内容が続かず挫折。実質凍結アカウント。)
F ランク : ただの私物。(店主のただの戯言の垂れ流し。「うおー!!」とかで終わってたりする。)
ランク外 : 一切やらない。(そもそも知らない。)
てな感じでしょうか。
うちの場合、「宣伝目的」ということもあって、迷惑にならないよう、こちらからは、基本「フォロー」はしないことにしているのだが(詳しい理由については、また別の機会に述べようと思う)、状況としては「C ランク」周辺をウロウロしているといったところかと思う。いつか、「A」ないし「S」ランクへ登ってみたいものだが、このランク階層は、残念ながら、下から上へは移動できないものなので、せめて下へさがらないよう努めたいと思う。
そして、最も気をつけるべきは、この「 E ランク」である。
僕がこれまで、飲食店のSNSをリサーチしてきた中で、一番「カッコ悪い」と思ったことなのだが、お客さんは、グルメサイトなどからその店の Twitter などを訪れて、もう随分と更新されていなかったりすると、かなりの確率で「がっかり」する。そして、そのSNSというより、その店の存在そのものを疑ってしまう。「まだ、あんのかな。」である。それならば、最初からやらなければいいのにと思うのだが、やはり経営状況がままならなくなると、いろいろ試してみたくなるのだろう。ただ、何事もそうだが、「始めるよりも、続ける方が難しい。」のである。
もうすぐ緊急事態宣言が終わる。
やがて、飲食店の「大淘汰」時代がやってくる。
「まだ、あんのかな。」時代の到来である。
「まだ、あります。」と「知ってもらえる」だけでも、「カッコいい」のか・・。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
あと、6本(笑。
お待ちしております。
Wanna know / idealism
idealism
2017
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)