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高橋幸宏さんを偲び、その軌跡を辿る10曲(+1)
去る1月11日は、ドラマー/音楽家の高橋幸宏さんの1周忌でした。
独特のタイム感から紡ぎだされるグルーヴを失ったことは、ポップ・ミュージック界にとって大きな損失であることは間違いありません。
若かりしころ、同年の土屋昌巳さんから「あのビートはどうやったらできるんですか?」と問われて、「2拍目のスネアの裏です」と即答したというエピソードにはシビれました。
パワーヒッターとは一線を画す、唯一無二のグルーヴを聴かせてくれた高橋さんを偲んで、その膨大なお仕事の中から、時系列に沿って何曲かを取り上げてみます。
♪ ”ケンとメリー~愛と風のように~” by BUZZ
おそらく高橋さんの最初期のコマーシャルな仕事ではないでしょうか。
お兄さんの高橋信之さん作の名曲でゆったりと叩くリズムは、当時土屋昌巳さんを瞠目させたそうです。1972年。
♪ ”タイムマシンにお願い” by サディスティック・ミカ・バンド
伝説的なグループのグラム・ロックなヒット曲。1974年。
太いボトムとタイトなリズム・キープをイヴ・サンローランの革靴でこなしていたというのが信じられません。
♪ ”I'll Be There” by KYLYN
渡辺香津美さん主導のプロジェクト・バンドにて、1979年。
矢野顕子さんのヴォーカルもキュートなフュージョンでも、スネア一発で高橋さんの存在が浮かび上がります。
♪ ”I-KASU!” by 高橋幸宏
1980年のソロ2作目から、スカ・ビートを元気いっぱいに叩く高橋さん。
小品ですが、前ノリ気味のアタックやタメの効いたフィル・インがめちゃくちゃカッコイイ!
♪ ”Cue” by Yellow Magic Orchestra
高橋さんのヴォーカル曲では、個人的に一番好きかも。
未来を希求する力強い歌詞に、絶妙に揺れる高橋さんの声もなんだかポジティヴに感じます。
1981年。
♪ ”ちょっとツラインダ” by The Beatniks
ご存知、鈴木慶一さんとのユニットによるセカンド・アルバムより、1987年。
鈴木さんの良質な歌謡曲センスに高橋さんのせつないユーモアがにじむ、ユニット初期の名曲。
♪ ”Flash Light” by 高橋幸宏
1995年のソロ・アルバムより。
打ち込みもありつつ、全般的に「ドラム演奏」をされているこのアルバムは味わい深いです。
そこはかとないAOR風味も含めて。
♪ ”Supreme Secret” by スケッチ・ショウ
細野晴臣さんとのエレクトロニカ・ユニット、2002年。
ベーシック・トラックを坂本龍一さんが手掛けた超クールでミニマルなファンクがカッコいいことこの上なし。
♪ ”RYDEEN 79/07” by Yellow Magic Orchestra
このあたりでようやく、私は高橋さんの音楽をリアルタイムで意識して聴きはじめたように思います。
2007年、子供心にもあのTV-CMのインパクトは大きかった。
映像は2008年、ロンドンでのライヴから。
♪ ”Your Favorite Pain” by pupa
高橋さんがMETAFIVEと並んで年若のミュージシャンと活動していたpupa。
先鋭的かつポップなこの曲、不思議な爽やかさを残してくれます。
2010年。
おまけにもう一曲。
♪ ”Saravah! (60th Anniversary Live)” by 高橋幸宏
2012年、高橋さんの還暦を記念してのコンサートから、ソロ1作目・1曲目に収められた名曲をアコースティック・ヴァージョンで。
高橋さん、こちらこそありがとうございました。