本日の読書 #032 「レコメンド拒否力」
参考書籍:『未来のビジネススキル19』友村晋
第一章 AIに代替できない「情報ハンドリングスキル」 より
レコメンド拒否力。
本書で紹介されるスキルの一つで、著者による造語だ。
現代はさまざまな場面で「レコメンド(推薦)」される。
例えばそれはAmazonの「一緒に買われている商品」のほか、ECサイトで買い物中に「初めて購入される方は50%OFF!」というポップアップが表示されることも、レコメンドだ。
インターネットを介さない場合でも、書店におけるPOPなどがそれにあたる。
このレコメンドをあるところで線引きをして「拒否」する力が、これから生きていく上では必要となる、というのが著者の主張だ。
確かに、ここ最近のレコメンド機能の優秀さは目を見張るものがある。
昔は「掃除機買ったばかりのやつに掃除機をススめるなよ!」などと笑っていた私も、今やレコメンドにかなりやられている。
特にKindleの「読書履歴に基づくおすすめ」が不可避で、Kindle Unlimitedに加入すると永遠にここから抜け出せない。
著者によれば、最近はこのレコメンドエンジンもかなり安価になってきており、多種多様な企業がレコメンド機能を自社サービスに導入するようになってきている。
例えばメガネ屋のJINSでは「自分に似合うメガネをレコメンドする」サービスを展開している。
またAmazonの音声認識ALEXAは、咳や鼻をすする音を感知してのど飴を注文する、などという芸当もできるようだ。
レコメンドエンジンはどんどん安価になっていき、こうしたサービスが生活のあらゆる場面に埋め込まれる。
すると、人びとから「自分で考える力」が失われていくという。
自分の掛けるメガネを、自分が選ばない。
自分の読む本も、行く場所も、食べるものも、体調も、全部AIに教えてもらう。
レコメンドにそういった負の側面があるというのは、あまり考えたことが無かった。
ただ著者も書いていたが、「線引きをした方が良い」というだけで、レコメンド自体は積極的に活用していくべきだ。
「いや、そこまでいくと余計なお世話ですよ」と言えるかどうかが、自分の思考力を守ることに繋がる。
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