すべてが無料化する世界を、子どもたちはどう生きるのだろう
もう20年近く前のできごとになります。
学校の帰りにTOWER RECORDに寄って、CDを買いました。
BUMP OF CHICKENの4番目のアルバム『ユグドラシル』です。
3,000円は、お小遣いの中から出すにはかなりの痛手で。
でもバスの中で歌詞カードを読むと、ワクワクが止まらなくて。
あ、ONE PIECEの新刊も買わないとな。
来月発売するテイルズオブシンフォニアも買いたいし、お金が足りないよ。
そして今。
音楽は、かつてCDを一枚買うのに支払っていた値段で聴き放題となり、
漫画もゲームも、無料が当たり前の世界となりました。
今回は、我が子の将来を見据え、
「すべてが無料化した世界」に思いを馳せてみます。
参考書籍は佐藤航陽・著『未来に先回りする思考法』です。
それでは最後までよろしくお願いします。
「ありえない」なんて事はありえない
「無料化」の一例として、先ほどは音楽、漫画、ゲームを挙げました。
しかしそれらは氷山の一角に過ぎません。
皆さんもよく知っているように、現代は娯楽だけでなく「大学レベルの講義」も「資格の勉強」も、「実用書」でさえも無料化あるいは無料に極めて近くなりました。
これはYouTubeやGoogle、Amazonといった巨大テック企業の為せる技であり、無料にすること自体がマーケティングの一部だったり、他のビジネスと組み合わせてトータルで利益を出す構造になっていたりします。
『未来に先回りする思考法』では、近い将来、人間の根本的な生活を保障する「衣食住」でさえも無料化すると述べられています。
「それはありえない」?
果たしてそうでしょうか。
もし中学校時代の私に「ゲームは無料で遊べるようになるよ」と教えても、一体何がどういう理屈で無料になるのか全く想像ができないでしょう。
つまり20年前、私たちは音楽や漫画、ゲームが無料になるなんて全く予想していなかったわけで。
今から20年後、衣食住もそこに加わるのは何ら不思議なことではありません。
むしろ、あなたがいま履いている2990円のレギュラーフィットチノが二年目に突入しているのなら、既に無料化の波は衣食住にまで浸透してきていると言えるでしょう。
「ありえない」なんて事はありえない。
これは我が子の将来を考える上で、親に必要な思考法だと思います。
我が子はどう生きるか
もし「すべてが無料化」したら、どんな世界が待っているのか。
それは本書には書かれていないので、自分で想像してみました。
皆さんも想像してみて下さい。
今の家計を、「家賃」「食費」「光熱費」が全て0円になったものとして計算し直してみると分かります。
きっと我が子にとって、「お金を稼ぐこと」は必須ではなく、趣味の領域になるでしょう。
彼らの親世代(私たち)のように、週5日働く、なんてのは仕事が大好きな一部の人間の働き方になるハズです。
そして遊びも無料なので気兼ねなく遊びます。
親は「遊んでばかりでは人間が駄目になるぞ」なんて鬱陶しいことを言ってきますが、「そんなのお父さんの時代の話でしょ」と何処吹く風で。
もちろん「将来の金銭的不安」なんてものも存在しません。
彼らは「老後のために貯蓄するなんて、何の意味があるの?」ぐらいに思っています。
その代わり「評判」みたいなものがお金にとって代わり、誰もがそこに関心を向けるようになります。
仕事はお金ではなく評判を得るために行い、承認欲求や自己実現欲求を満たすためだけに働くようになるでしょう。
解像度を高めて、子育てに活かす
半分妄想のような展望となりました。
これが本当に自分の子ども世代に起こることなのか、それより後の世代に起こることなのかは分かりません。
ただ全部が全部ハズれることも無いと思っています。
こうやって子どもの将来を解像度を高くして想像することで、「子育てのあり方」に対する心積もりを持っておくことができます。
例えば、
「良い大学に行くことは、我が子にとって正しいことなのだろうか」
「お金の稼ぎ方よりも、お金の使い方を教えた方が良いかもしれない」
「“寄付” という行為に、小学校のうちから触れさせておこう」
などといった考え方を持つことができそうですね。
まとめ
佐藤航陽・著『未来に先回りする思考法』を引用して、
「すべてが無料化する日が来たら、我が子はどう生きるのか」を考えてみました。
個人的に好きな書籍だったので、是非読んでみて下さい。
Amazon prime会員は電子版を無料で読めます。
(読める人が多いのではないでしょうか)
無論、「すべてが無料化する "可能性もある" 」というだけの話なので、
これを「絵空事」と一蹴して子育ての軸をブラさないのも、一つの選択だと思います。
でも私はこういったことを考えるのが大好きなので、
またこの場で妄想を広げさせていただけると嬉しいです。
読書によるインプットをもとに、日記やエッセイを書いています。
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それでは、また。