見出し画像

フイルムカメラで撮らなくなった理由

僕はNikon F3を持っている
フイルムカメラだ

Nikon F3

本題に入る前にF3について書きたい

まず
フイルムカメラって握った感触たまらん

金属ボディのひんやりとした肌触り
所有欲を満たしてくれる適度なずっしり感
ファインダーを覗いた時のラバーのにおい

そしてこの造形美!!!

真上から


ウエストレベルファインダーにカスタマイズ


僕が中学生になった頃には、時代はもうデジカメ全盛期だった
だからフイルムカメラに触れる機会はあまりなく、このNikon F3を手にしたのも大人になってからだ

巻き上げないとシャッターが切れない
オートフォーカスが無い
すぐに写真を確認できない

そんな「不便さ」が一周回って新しく感じた

そしてフイルムに景色を焼き付かせるという原理がロマンチックだと思った
消去ボタンで簡単に消せないなんて!
「これこそカメラだ!」と思った
ちゃんと写真に向き合っているなら、デジカメなんかではなくフイルムカメラで撮るべきだ!と



そんな僕のNikon F3は
今どうなっているかというと

インテリアになっとる!!!



使っていない



はっきり言おう

不便だった!!
めんどくさくなっちゃった!!
ごめんなさい!!

魅力は見方によっては欠点となる
とはよく言ったもので
だんだんと不便さにストレスを感じてしまったのだ

フイルムは高騰し
撮り終えたと思ったらフイルムがちゃんと噛んでなくて一枚も撮れていなかったこともあったり
現像にもお金と時間がかかる

「お前のこと分かるの俺だけだから」
と自信満々でメンヘラと付き合ってみたものの、だんだんと手に負えなくなっていき、3ヶ月で別れを切り出す男のような気持ちになった

Nikon F3も言ってた
「こんな私でも受け入れるって言ってくれたじゃん!」
と…

「ごめん、たぶん君のことを幸せにする男は僕じゃなかったんだ」

「常套句言いやがる!じゃあさっさと私を解放してよ!」

「いや、でも、君の見た目が大好きだし、そのボディをたまに触りたいんだ。誰かに渡したくはないんだ」

「体目当て…ってコト?そんな自分勝手な考え通用するわけないじゃん!もう一緒に出かけてもくれないんでしょ?!私ってあなたにとって何なの?!」

「キープ」

「…えっ?」

「キープで」


最低な男である

Nikon F3には申し訳ないと思ってる
たぶんもう君で撮ることはない
でもたまに手に持って、カチャッという金属音を感じて楽しんでいるから許して欲しい


しかし、フイルムでしか表現できない色があるのは確かだ

ノスタルジックというか、現代ではエモいというのかもしれないが、様々なデジカメで「フイルムっぽい写真」を撮ろうと試行錯誤している人が多いことから分かるように
やはりフイルムの写りは素晴らしい


デジカメが無い時代にフイルム写真を撮り続けた先人たちには最大限の敬意を表さずにはいられない

そんなカメラの歴史に思いを馳せながら
Nikon F3をたまになでなでしてあげたい

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?