📷撮った写真を「作品」と思えるか
これは偶発性が介在するストリートスナップならでは、の課題かもしれないんだけど
自分が撮影したストリートスナップを
「作品」と思えるか
もし仮に写真展を開催できたとする
来場者が僕の写真を見て
「素晴らしい作品ですね」
と言ってくれたとする
「作品…か…」
と僕なら思ってしまう
たしかに写真を撮ったのは僕だ
僕がその場に行って、カメラを構えて、シャッターを押した、僕が撮った僕の写真だ
でもストリートスナップって
偶発性という要素が確実に介在する
いい光だな、いい構図のだな、と思っても
やっぱり街行く人々が最後の仕上げをしてくれる
こちらの2枚の写真は同じ画角で撮影した
どちらが良い写真だろうか
僕は下の写真を採用した
理由は「左の女性の目線が真っ直ぐだから」
これによって左右対称の構図が整った気がする
このようにストリートスナップでは
街の人々がどう写るかが重要要素になる
絵や音楽を作るなら「作品」と言えそうだが
悲しいかな、写真はその場でシャッターを押しただけだ
1/800秒で完成してしまう芸術だ
たしかに、その場に行って構図を気に入ってシャッターを切っているので、撮影者の意図は多分に介在している。1/800秒で完成してはいるが、その前の工程に時間をかけている
作品と呼んでいいかもしれないが、
なんだかすんなり受け入れられない
無から芸術を生み出す絵や音楽とは違い、
写真は「カメラ」を使って「風景」を撮るので
無から芸術を生んでいるわけではないからかも知れない
すでにあるモノを切り取り
加工したものが写真だ
モデルに立ってもらうなら別だが
普通のストリートスナップは自分ではどうにもできない要素が多すぎる
天気も、人々の動きも、風も、影も、
自分ではどうしようもない
あらゆる偶然が折り重なってスナップ写真として切り取られ、保存される
そこがストリートスナップの良いところでもある
その中でも撮影者の意図をより多く反映出来たときに、胸を張って「作品」と呼べるのかもしれない