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綾部文々
2022年4月17日 00:35
開くのに、ほんの少しばかり"力"の要る密閉されたその空間。入り口の扉を引くと、その子は大抵いつもそこにいてくれる。深い窪みにちょこんと腰を据えて、"すっく"と背筋を伸ばし、2列に整列している。居てくれたら、安心。居てくれないと少し……いえ…ずいぶんと不安。1日に1度は勝手に視界の隅をかすめて来て、そこに居てくれるのが"当然"のような存在。……そう、思い込んでいたのに……。
2022年4月14日 00:48
寒い日も、暑い日も、"まあるく"て"張りのある衣"を幾重にも着重ねて、どこまで"厚着"が出来るものなのか……調子に乗って試していたのか?もう既に、ぱんぱんのコロンコロン状態。動き出したい衝動に駆られることがあっても、もはや動き回るなんてことは出来やしない。……というより、彼は初めからそこに深く根付いてきたのだから"動けない"なんて、それは当然のこと。丁度良い頃合いで、人間たちに
2022年3月9日 16:40
『 アルモンデ食堂 』それは大体"木曜か金曜日"辺り。週末近くになると営業を始めることが多くなる。土日あたりで買い溜めた食材たちが、冷蔵庫のお腹の中をパンパンに満たすと、冷蔵庫はどこか満足げ。パントリーだって負けてはいない。食材たちは、日々人間の胃袋を満たし満足させると、1つ、2つ……と、その姿を消してゆく。そして金曜日を迎える頃、数日前にはあんなに満たされ、生き生きとして