調査:(株)Wizleap
『ペットフードの廃棄に関するアンケート調査』
― 飼い主の小さな意識がペットフードの廃棄削減に繋がる ―
昨今サスティナブルが問われる中、様々なフードロス削減への取組が広がっています。そこで日常あまり気付かないペットのフードロスについてとらえてみました。
さて、ペット関連市場ですが、矢野経済研究所によれば2018年 約1.54兆円の規模から2022年には約1.75兆円に増加(期間比113%)すると見込まれています。2024年には1.83兆円まで拡大すると予測されています。
また、その飼い主さんたちはペットの記念日やシーズンイベントに何らかのギフト(特にフード、おやつ)を贈る人が約7割近くいらっしゃるそうです。
そこで今回の調査は、ペット保険相談サービス「MOFFME」を運営する株式会社Wizleapが、犬または猫を飼育している飼い主対象に「ペットフードの廃棄」に関するアンケート調査の結果を取り上げてみました。
少子化が進む日本ではペットを飼っている方も多く、すでに15歳未満の人口を大幅に超えるものとなっています。
※すでに2003年に15歳未満の人口と並び、2020年10月現在では犬848.9万頭、猫964.4万頭と、その合計は約 1,800 万頭で、一方の全国子供の数(15 歳未満人口)は1,512 万人(2020 年4月現在)となっています。
では、調査結果を・・・。
■全体の70.1%の人が、今までにペットが食事を残したこと経験があると回答
調査の結果、全体の7割を占める方が今までにペットが食事を残した経験があるようです。
■ペットが必ず食事を残すと回答した人はなんと13%
ペットが食事を残した経験がある人に、残す頻度と量を回答してもらいました。
食事を残す頻度で最も多い回答は「週に1〜2回」で30.9%、次いで「月に1〜3回」で30.6%という結果になりました。
「週に4回以上」「毎回必ず」と回答した人は合わせて19%にも及び、ペットが高頻度で食事を残していることがわかりました。
さらにペットが食事を残す量を聞いたところ、最も多い回答が「1/4程度」で48.6%を占めていることがわかりました。
※例えば100gの食事を与えたところ25gの食事を残していて、「1/4程度」と回答した人だけでも3,850gものペットフードが食べ残されてしまっているという計算になります。
続いて、この残ったフードはどうしているのかを聞いています。
■食べ残したフードは捨てていると回答した人が半数
ペットが食べ残したフードはどうしているのか聞いたところ、48.9%の人が「捨てている」と回答しました。衛生面からも捨てることが推奨されているため、多くの方が捨てているかと考えられます。
一方で、無駄にしないように食べてもらおうと工夫している人も同じく48%程いることがわかりました。
「その他」の回答でも、
・肥料として再利用する
・次の食事の時にまた出す
など、無駄にならないように工夫している回答が目立っています。
続いて、新しく買ってみたがペットが気に入らずにまだパッケージ状態で残っているペットフードはどうしているのかを回答してもらいました。
■ペットが気に入らなかったフードは捨てている人が34.7%!
「アレンジをして食べてもらう」が41.6%、「保護施設や友人へ譲渡している」が18%、「肥料として再利用している」が2%とフードが無駄にならないように工夫している人が大半を占める中、34.7%もの人は「捨てている」と回答しました。
■期限が近くて食べ切れないフードは捨てている人が半数以上!
まだ期限は切れていないが、期限内に食べ切れないと判断したペットフードをどうしているのかを確認したところなんと捨てていると回答した人が62.8%を占めました。
期限が切れていなければまだ食べられるものではあるものの、処理に困って捨ててしまうケースが多いのではと考えられます。
最後にペットフードの廃棄問題である、ペットフードロスについて考えたことがあるかを聞いてみました。
■ペットフードの廃棄問題について考えたことがある人はわずか28.3%
考えたこととがある人は28.3%、考えたことがない人は71.7%にも及び、圧倒的に考えたことがない人の方が多いことがわかりました。
ペットフードは年に約60万トン出荷されていると言われていて、そのうちの1%が廃棄になっていても6,000トンものペットフードが食べられずに廃棄になってしまいます。
調査結果からは「食べられない量は出さない」「期限が切れてしまう可能性のある量は買わない」など少しの意識で、ペットフードの廃棄量は減らしていけるのではないでしょうか。
さらに少子化、ブームやベストフレンド(またはファミリー)という意識の浸透からペットの飼育数も増えてきましたが、今回飼い主さんのペットフード廃棄問題への意識の低さには驚きました。また最近はトイレの場所やゴミの始末など飼い主さんのマナーの悪さも問われています。周りには動物が苦手という方もいらっしゃることを意識して、飼い主ファーストでなく、周囲の人も含めたより良い環境を考えていきましょうね。