浜松市ソーラーシェアリングセミナーの開催レポート
去る9月8日に、浜松市にてソーラーシェアリングセミナー(主催:日本PVプランナー協会、共催:浜松市・浜松新電力)が開催され、私も基調講演者として登壇させていただきました!
その内容を、簡単にですがレポートします。
静岡県内初の一大ソーラーシェアリングセミナー
静岡県はソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の一時転用許可件数が全国トップ3に入る地域ですが、市町村ごとの温度差があることや、発電事業優先の事例が多く営農面での懸念が農業委員会に強くあるなど、一層の普及に向けた一手が必要とされていました。
今回、ご縁があって浜松市役所の協力をいただくことができ、日本最大の太陽光発電導入地域である浜松市を舞台としたソーラーシェアリングセミナーの開催に至ることができました。
厳重な新型コロナウイルス対策によって会場定員を大幅に減らしての開催となりましたが、近隣自治体を含めて行政・議会・JA・金融機関・農業者・施工業者・発電事業者など幅広い方々にご参加をいただくという、一大セミナーになったことは感無量です。
農林水産省・環境省・資源エネルギー庁からも登壇
何よりも安心を集めたのは、農林水産省・環境省・資源エネルギー庁とソーラーシェアリングに関わる各省庁から、担当官をお招きしての講演登壇が叶ったことでしょう。
各省庁の立場から、昨今の再生可能エネルギーに対する政策面での取り組みや、ソーラーシェアリングに対する捉え方を直接伺えたことは、参加された皆さまにも大きな関心を持っていただく切っ掛けになったはずです。
写真左:川中正光 室長(農林水産省 食料産業局 バイオマス循環資源課 再生可能エネルギー室)
写真右:濱翔平 係長(資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課)
ソーラーシェアリングの適正化という課題
各省庁の担当官という錚々たる顔ぶれの講演の後に、私からは「農業支援としてのソーラーシェアリング設備の適正化と実例」というタイトルでお話をしました。
先ほども触れましたが、行政や地域農業者が懸念を抱くようなソーラーシェアリングが増えてしまっている中で、改めて農業を支えるものとしてのソーラーシェアリングという位置づけの確認、トラブルを起こしてしまっている設備では何が起きているのかなどに触れています。
事故事例なども交えながらのお話に対して、講演後のアンケートでは非常に前向きな感想をいただくことができ、これからソーラーシェアリングに取り組もうとする皆さんの参考にしていただけたと感じます。
ソーラーシェアリングの一層の普及に向けて
今回のセミナーを切っ掛けに、静岡県内でソーラーシェアリングに取り組みたいというお声がけが増えただけでなく、「地元でも同様のセミナーを開催したい」という相談も舞い込んでいます。
再生可能エネルギー業界や農業界でもソーラーシェアリングが認知されるようになったとは言え、まだ事例がない・少ない地域も多いほか、トラブルを抱えた事例が目立つことで行政や農業者がマイナス印象を持ってしまっていると、なかなか新たに取り組もうという機運が生まれにくくなります。
浜松市ソーラーシェアリングセミナーは、これからの日本における再生可能エネルギーのメインストリームをソーラーシェアリングが担うにあたり、こうした地道な啓発活動の重要性も高まっていることを感じる機会にもなりました。