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発電側基本料金まとめ①

再生可能エネルギー発電業界で年始からも話題になっている「発電側基本料金」ですが、現在は「負担額の調整措置」が大きなテーマです。これについて質問を受けることが増えてきたので、全体像をまとめてみました。

①発電側基本料金とは

●発電所で作られた電気を送るための「送配電設備」の維持管理費用を、発電事業者に一部負担させる仕組み。

●現在は、その維持管理費用は「託送料金」として小売電気事業者が負担しており、小売電気事業者は電気料金に乗せて消費者から回収している。

●日本国内の託送料金は年間5兆円で、そのうち10%相当を「発電側基本料金」として発電事業者に支払わせる仕組みが検討されている。

●支払う金額は1,800円/kWで一律となる。

●国内の託送料金の総額は変わらないので、基本的に消費者の払う電気料金は変動しない

●2023年度からの導入を目指して制度設計中

大まかにまとめると、このような内容になります。

②発電側基本料金の何が問題か?

●設備の容量に応じたkW課金なので、設備利用率(実際の設備の発電量が、設備が100%稼働した時の発電量の何%か)の低くなる再生可能エネルギーが不利(1kWhあたりの負担額が増える)になる。

●発電側基本料金は、「送配電設備」のうち「上位系統」という電圧が高い設備の費用を賄う目的なので、その設備を使わない小規模な発電設備は払い損になってしまう。

●発電事業者は、この発電側基本料金を発電した電気の販売費用に上乗せして売電すれば、実質的な負担を減らすことができる。しかし、再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度(FIT)を利用している発電事業者では、電気の販売費用が固定されているので、負担を転嫁できない。

この辺りが、再生可能エネルギー事業側から問題点として指摘されている内容になります。

基本的に託送料金の総額が変化しない中で、発電事業者の電気の販売費用に発電側基本料金を含めてしまえば全体のバランスは取れるのですが、FIT制度で事業を行っている事業者はそれが出来ないという点が、1つ大きな問題点です。

再生可能エネルギーの普及拡大を目指していながら、再生可能エネルギー発電が不利になるような制度設計になってしまう恐れもあり、それに対する調整措置が現在議論されているのです。

②に続きます。

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