【初心者向け】 失敗しない種からの育て方
どうせやるなら種から栽培してみたいと思う方もいるのではないでしょうか? 大丈夫です!大抵の野菜、ホームセンターで種が売っているような種類は初心者でも種から育てられます。
※実際の写真が不足しています。撮影する度に更新予定です。
まずは「種から育てる」「苗から育てる」それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
種から育てる
● メリット
コストの低さ
種を購入するのは苗を買うよりも経済的です。数百円でたくさんの種を手に入れられるため、家庭菜園全体のコストを抑えることができます。
品種の選択肢が豊富
市販の苗では手に入らない珍しい品種や、育てたい特定の品種を選んで育てることができます。
病気リスクの低減
種から育てる場合、購入時に苗についている可能性のある病害虫のリスクが低減されます。また、土に馴染ませる必要もなく、病気になりにくい環境で育てることができます。
成長過程の観察
種まきから収穫までの全過程を観察することで、植物の成長をより深く理解することができ、学びの機会が増えます。
▲ デメリット
手間と時間がかかる
種から育てるには、発芽から苗に育つまでの管理が必要です。これには毎日の水やりや温度管理、育苗用の設備が必要になることもあります。
また、発芽率が低い種もあるため、期待通りに成長しない場合もあります。
発芽率の不確実性
種によっては発芽率が低かったり、発芽後に成長が止まったりすることがあります。そのため、多めに種を撒く必要があります。
苗から育てる
● メリット
即座に栽培開始が可能
苗はすでにある程度成長しているため、購入してすぐに植え付けができます。これにより、栽培の初期段階での手間が省けます。
収穫までの期間が短い
苗から始めると、種から育てるよりも収穫までの期間が短くなります。すでに発芽して成長した状態で購入するため、植え付けから収穫までの時間が大幅に短縮されます。
失敗が少ない
種から育てる場合、発芽率の問題や初期の管理の難しさがありますが、苗から育てるとこれらのリスクが減少します。特に初心者には育てやすく、失敗する可能性が低くなります。
丈夫な苗を選べる
購入時に丈夫で健康な苗を選ぶことができるため、成長が安定しやすく、収穫量も期待できます。
▲ デメリット
コストが高い
苗は種に比べて価格が高く、一つ一つの単価が高いため、コストがかさむことがあります。
品種の選択肢が限られる
市販されている苗の種類は限られており、特定の品種や珍しい野菜を育てたい場合、選択肢が狭くなります。
病害虫のリスク
苗にはすでに病害虫がついていることがあり、購入時に気をつけないと、病気のリスクがあることがあります。また、すでに農薬が使用されている可能性もあります。
植え付け時期の制約
苗の購入は季節や時期に左右されるため、希望するタイミングで手に入らないことがあります。特にホームセンターや園芸店での販売時期を逃すと、入手が難しくなることがあります。
「種から育てる」「苗から育てる」のそれぞれのメリット・デメリットを見ていくと、
・コストが高くても収穫の確率が高い = 苗から育てる
・コストは低くいが生育が不確実 = 種から育てる
となると思います。
苗は、シーズンにはある程度まで生育した状態で売り出されていますから、売り出す数週間前から種を蒔き、育成していることがわかります。そしてシーズン前ですから、当然ハウスなどの温度管理された場所で生育しているわけです。
この苗販売の種蒔きタイミングと同じようなタイミングで、自分で種から育てはじめられれば、苗の購入をせず、様々な好きな品種を育てることができますね。
種から育てる5つのステップ
定植まで多少手間はかかりますが、その分楽しみが増えていきます。
今日は根が出た! 芽が出た! 本葉が出た!と毎日が発見の連続です。
買ったミニトマトから種を採取してミニトマトの苗を育てることもできますから、ミニトマト無双の始まりです!
1: 準備
種と土の選定
まず、育てたい植物の種を選びます。発芽条件や育成に適した時期を確認します。また、育成する土も重要です。園芸用の培養土を使用するか、自分で調合する場合は良質な腐葉土や赤玉土を混ぜて使用します。
必要な道具の準備
必要な道具として、ピンセット、ポリポット、霧吹きなどを用意します。何を蒔いたか分かるようにラベルがあると便利です。
他に、温度管理できる育成ボックスやヒートマットなどもあると重宝します。
2: 種まき(まずは発根させよう)
発根方法
スーパーの肉トレイにキッチンペーパーを2つ折りにして、1/2が底面に付くように敷き、十分に水を含ませます。その上に種が密接になりすぎないように蒔き、キッチンペーパーの残り1/2を種の上に被せます。
被せたキッチンペーパーがヒタヒタになるくらい水を含ませ、ラップで肉トレイごと密閉します。
この時の水にメデールを規定量の1/10程度入れると、発根が早まる気がしています。
温度管理と明るさ
今までの経験から、温度は種目の発芽温度に合わせて適切な温度にすることが重要で、日中はできるだけ明るいところに設置して管理します。
種からの発根状態を毎日確認してください。
3: 種まき(ポッドに移設)
発根を確認したら移設
早ければ数日、遅くても2週間程度で大抵の種は発根します。
種から根の先が数mm程度出てきたのが確認できたら、準備しておいたポリポッドなどに移設します。
発根した部分が下向きになるように、ピンセットなどで土に植えます。この時、土にはしっかり水を含ませ、種の大きさの2〜3倍の深さの穴を開けて種を植え、土を軽く被せます。
種は1つのポッドにたくさん植えすぎないようにしてください。あとの間引きが大変です。
※根が傷つくと発芽に失敗しますから、優しく丁寧に。
温度管理と明るさ、水やり
発根時と同じように温度管理を行います。明るさも発根時と同じように、日中は明るいところに設置します。
本葉が出てくるまで水枯れを起こさないようにしてください。つねにヒタヒタくらいでも大丈夫です。
4: 育苗
育成
芽が出てきたら、ポッドの表面が乾く前に少量ずつ水やりを行います。常に水は枯れない状態です。
常に明るい場所に置き、陽を浴びさせます。できれば育成ライトなどを使うと、成長を促進できます。また、規定量の1/100程度に薄めた液肥をあげるようにするのも成長に効果があると思います。
間引き
発芽後、苗が混み合ってきたら間引きを行います。一般的には本葉が2〜3枚になった頃に間引きを行います。最終的には1ポッドに1〜2本の苗になるようにします。
間引きする際、苗が小さい時は、根から引き抜けば良いですが、大きくなって根が混み合うと抜くことが難しくなりますので、その場合、間引く苗をできるだけ根元から切り取ります。
5: 定植と管理
定植
本葉が5〜6枚になったら、畑や大きなプランターに定植します。元肥を忘れないようにしてください。
植え付け後は、苗が安定するまでしっかりと水やりを続け、1〜2週に1回程度、液肥を規定量あげるようにします。
ベランダなど外に出す場合には、強風に煽られて苗がダメになることも多いので、仮防風や仮支柱などで保護してあげると良いです。
※仮防風は風に飛ばされないように注意してください。
追肥と病害虫対策
成長期には適切なタイミングで追肥を行い、植物の健康を保ちます。
また、病害虫の予防と対策も重要です。適切な環境管理と早期発見がポイントです。
以上が種から育てる方法でした。
手間がかかるようで、実際には負担になるほどの手間はかかりません。
主に、温度、明るさ、水やりです。4月にミニトマトの苗が販売されるとすると、2月からミニトマトの種まきを行うイメージです。2月ではどうしても温度管理、ヒートマットが必要になってしまいます。
温度管理と明るさをクリアできれば、発根はすぐできます。
発根できれば、発芽、定植と順調に進められる確率もグンとあがります。ぜひ試してみてください。