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学校に対する保護者のスタンス

桜がすでに満開を越えた京都では、卒業式を終え、終業式を終え、学生と言われる子どもたちはほぼ全員春休みに突入し、新学期を迎える準備をしている時期。

我が家の子どもたちももれなく、春休み謳歌中。
長期休みは、生活リズムのキープがとことん難しい。食生活も、睡眠時間も、徐々にだだ崩れ〜。(え?うちだけ?)
そんな中で、春休みのない大人は自分を戒めて生活をキープしなきゃなんないのは、なかなかの苦行。(親だってダラダラしたい)

とまあ、愚痴ってばかりいても何も変わらないので、せっかくの春休みを上手くスケジューリングしながら、子どもたちと楽しむっきゃないでしょう。
未だ、遠出も人混みも推奨されない世の中ですが、オープンエアーの場所へ出かけたり、穴場の桜を見に行ったり、せっかくのポカポカ陽気ですもの、楽しみようはいくらでもあるはず。

ということで、娘と共に、昨年度の荷物諸々の片付け&新年度の準備をしながら、
今年度最後の記事(になるはずが、気づけば4月に突入し新年度を迎えていた汗)は、長女の通う国際バカロレア(IB)のPYP認定校の一条校における、保護者のスタンスについて。

PTAというものは

それにしても、世の中にある、いわゆるPTAってやつは、どうしてこうも良いイメージがないのでしょう。
PTAに対して積極的に関わりたいと望む親って、全体の0.1%に満たないのではないだろうか(経験からの完全なる推測値)。
正直言って、私も残りの99.9%の方の立場です(“でした”と言いたいがやっぱりまだ“です”な気がする)。

子育てして、仕事もあって、スケジュールがキチキチの毎日の中で、一体どこにPTAという名の奉仕活動を入れ込むことができる余裕があるのだろうか。と思っている方も多いのではないかと。

でもこれ、スケジュールとか余力の問題とかではなく、結局、“気持ち”の問題だと思うのです。
だって、どれだけ忙しくても、自分のやりたいことって睡眠時間や食事の時間を削ってでも、やったりしません?(あれ?しない?)
同じ奉仕活動でも、自分が動きたいと思って取り組む奉仕活動には、自分の時間を使えるじゃないですか。
たぶん、PTAの役員等を、みなさん積極的にお断りなのは、忙しくて時間がないから、じゃないんですよね。
“やりたくない”んですよね。なぜなら、よくわかんないから。よくわかんないから面白いと思えないから。
面白いと思えない、興味の湧かないものに、自分の時間と労力を削って奉仕しようと思える人なんていないから。(お金もらえる仕事なら別ですけどね)

面白い面白くないという表現は語弊を生みそうですが、あえて使うと、問題は、面白くないと思われていること。そして、それが、続いていること。
面白くないと思われているなら、面白みがよくわかるようにオープンな形に変化していかなきゃいけないのに、戦後なかなか教育システムが変わらないのと同じように、PTAという組織もなかなか変わらないままにきてしまったのではないでしょうか。(ここでPTA批判をしたいわけではないのです。問題点を挙げたいだけで。一生懸命取り組んでいらっしゃる方がいるのも知っていますし、私の夫も数年前に息子たちの公立小学校のPTA会長をしていましたし。)

学校という場は誰が作るものか

なので、子どもの進学先を考えるときに、学校と保護者の関わりが気になる人って結構いるのではないかと思うのです。
親がどれだけPTAに関わる必要があるかを知りたい人が、多いのではないかと。

幼稚園や保育園から小学校へ進学すると、子どもは親の手を離れると考える人が多い。それは、子どもの身体的成長の側面からみて子どもが自分でできることが増える、という意味ももちろんですが、子どもの成長に必要なことを学校側がなんでもしてくれる、という意味を含んでいる人も多いのではないかと思います。
勉学だけではなく集団生活におけるマナーやルールを始め、人間関係とか遊びとか季節ごとの行事とか、とりあえず学校に行っていれば、なんでも子どもに身に付く、親として子どもにすることの負担が減る、と自然とそう思っている親が多いと思うのです。

でも、学校は、しつけ教室でもイベント会場でもなく、現在の学校や教員は、本来子どもたちが学ぶべきこと以外の色々諸々を社会から押し付けられすぎている気がします。親は、学校や教員に対する過剰な期待を持ちすぎている人がとても多いのではないかな、と。
学校という場は、教員と子どもたちだけのものではなく、親や地域の人と共に作り上げるもの。
公立の学校含め、そう伝えている学校は多いと思うのですが、社会(特に親)に浸透しているかと言われると、イマイチなのが現状です。

行事における“学校”と“保護者”の関係性

長女の通う小学校では、「PTA」という名前の組織は存在しません。
代わりに、似たような保護者で組織された会はあります。会長や会計などが所属する管理組織を筆頭として、サークルのようなグループがいくつか存在し、保護者はそのいずれかに属する必要があります。

それらの各グループの存在意義は、明確です。
代表的なものをあげると、スポーツデーと呼ばれる運動会を支えるグループ、年に一度ある大きな文化祭の運営グループ、ハロウィンのイベントを作るグループ、クリスマスのイベントを支えるグループ、図書室の運営を支えるグループなどがあり、その多くは、学校内で行われる子どもたちのためのイベントや日常を保護者主体で動かすために存在しています。
学校で行われる行事の運営は、保護者ありき、ということです。

これは、何をやっているのかよくわからなくて興味も面白みも感じないのに参加しなきゃならないPTAの組織と、似て非なるものかと私は感じています。
何をしているグループなのか、しかも、学校のために引いては子どもたちのためにどう貢献できるのか、が明確であることは、その活動に参加する保護者のモチベーションは大幅に変わってくるからです。(もちろん親の価値観はそれぞれなので、目的が明確であろうがなかろうが、学校に関わる活動に積極的な方もそうでない方もいることは、現実ですが)

そして、学校生活における行事ごとを、学校側のみが作り上げるのではなく、保護者が主体となって行うこと(もちろん学校側と手を取り合って)は、教員の雑用を減らし(保護者が雑用をするという意味ではありません)、本来の仕事に没頭できる環境づくりとしても、必要なことだと感じています。

これは、国際バカロレア(IB)カリキュラムの学校が全てそうなのかはわかりません。日本の長女の通う学校では、の話だと思って頭に入れていただいた方がいいかと思います。

親の意識の重要性

イベントにおける保護者の関わり以外にも、学校と子どもと保護者の関係性で必要なのは、家庭内学習における保護者の意識です。

家庭内学習といって、多くの人がまず思い浮かぶのは、宿題のこと。
私個人としては、“北欧などである事例のように宿題なんてないほうが子どもの成長が促される(この論点は各自でググってください)”と思う気持ちがありつつ、日本での、日本語&英語によるPYP認定のIB校においては、ひらがな・カタカナ・漢字の三種類を使い分ける日本語+英語の言語の学びだけ見ても、単純に身につけるべきものの量が多く、校内における学び以外に、宿題としての家庭学習が必要になってくるのは否めないのかなという気持ちもあります。

なので、「宿題はやったの〜?」「遊ぶのは宿題終わってからにしなよ〜」という本来言いたくないセリフを口から出している毎日で、日々子どもの背中をつつくという状況を変えて、自ら学習に向かう姿勢が生まれる環境づくりに精を出さなければなあと思いつつも、実行できていない現状です(反省)。

しかし、家庭内学習といっても、“子どもに宿題をやらせる”ということが家庭内学習として保護者に求められているものではありません。
IBのメインである探求学習はそもそも、学校内で先生の指示に従って何かを学ぶ、というものではないのです。
子どもたち自身が、物事に興味関心をもち、その物事を調べて知識を身につけ、そこから疑問や課題を解決していく、その学びのスタンスが探求であるということは、この学びは校内だけに収まるものではないのは明らかです。

子どもが学びを追求したいと思えば、保護者はそのサポートをする、そこが必須だと私は考えています。
サポートと言っても、子どもの疑問に直接答えを与えるのではなく(答えを伝えることほど簡単なことはない)、一緒に調べ方を探す、関係するものや場所の体験をするなど、解決に向けての過程を共にすること。
大切なのは、そのサポートをサポートと捉えず、子どもと一緒に親自身の学びとして楽しむこと。

昨年度、長女が日本の行事について学んでいた時に、彼女は「祇園祭(京都三大祭りの1つ)」をテーマにしていたので、娘たちを連れて、祇園祭の行われる八坂神社へフィールドワークに出かけました。
…なんてというと聞こえはいいのですが、一緒に八坂神社やその周辺に遊びに行っただけ。周辺を歩いている中で、祇園祭に関連するものを一緒に見つけたり、彼女が調べた歴史の実際の場所を発見したり。
美味しいお抹茶と和菓子を食べて、大満足で帰宅しました(これが一番の目的だった、なんて違う違う〜笑 え?笑)

大人だって、やったことないこと、知らないことだらけ。
未経験のことを我が子と一緒に体験できて学ぶことができるのは、なんと面白いことかと私は思うのです。


さあ、新年度ももうすぐ始まり。
今年も、娘と一緒に、どこまで自分をアップデートできるのかが楽しみです。


OVER THE BORDERのロバナー長方形

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