見出し画像

初めて吐く息の白さを観測した日のスケッチ |詩・絵 風景 シーン11

どこか遠くの、トナカイの国みたいな
空の色

まだ少し木に残っている銀杏
季節が深まるたび白さを増す葉

薄淡い黄の葉は
今日の夕暮れ空を旅する者たちの灯火として
渡されていく

金星が輝く
道を歩く

この冬初めて吐く息が白く
大気を昇っていくのを
観測し

脇道から少年たちのバスケの
ダムダムが聴こえる

Illustration by Yuzu Tsukishina 

いいなと思ったら応援しよう!

月階柚
お読みくださりありがとうございます。紙の本をつくってたくさんの人に届けるという人生の目標を果たすため、応援いただけるととても嬉しいです。読んでくださる貴方に少しでも幸せを渡せるよう進み続けます。

この記事が参加している募集