
基準は飢餓しない
「わたし食欲がないの
食べることのアレルギーなの
お腹が減らないから
すごく寒く感じた時が
食べるタイミングなのね
飢餓を察知しないと
食べられないし
飢餓しない程度にしか
食べられないの
こんな生活で先に飢餓で死ぬのか
アレルギーで死ぬのかわからない
そもそもどうしていま生きていられる
のかわからない」
目の前の彼女はそう言って目を伏せた
彼女の体の冷たさや心の冷たさは
物理的に熱量が摂れないからだったのか
寒いならいつでも抱きしめよう熱をあげよう
人肌でしか彼女は温かさを享受できないのだから