【脳科学研究】感情をコントロールできる人とできない人では脳のここが違う
感情のコントロール。
これってなかなかうまくできないものなんですよね。
怒りの感情を抑えられず人に当たってしまう人と、冷静になって自分の感情を抑えられる人。
いったい何が違うのでしょうか?
両者の違いが脳活動の観点から説明できそうなので、今回はご紹介します。
前頭前皮質
前頭前皮質(Prefrontal Cortex:PFC)は、おでこのあたりに位置する前頭葉の一部で、衝動的な感情の制御に関連しているといわれています。
2005年にOchsnerら[1]によって行われた研究によると、感情を抑制する能力の高い人は、この前頭前皮質の活動がより活発であったと報告されています。
扁桃体
扁桃体(Amygdara)は、側頭葉の奥深くにあり、アーモンド形をしていることで有名な領域で、情動反応と記憶に強く関連があるとされています。
特に恐怖や怒りなどのネガティブな感情に強く関連しており、感情的な人は、この扁桃体の活動が過剰になる傾向があるとされています。
前頭前皮質で扁桃体の過剰な働きを抑制する
実はこの、2つの領域の掛け合いが、感情制御に非常に関わっています。
今一度これらの領域の役割をまとめると…
ここで、2003年にHaririら[2]によって行われた研究をご紹介します。
彼らの研究によると、
感情的な人は感情を上手く制御できる人に比べて、
扁桃体の活動が過敏であり、前頭前皮質による制御がうまくできていない。
ということが分かりました。
まとめ
つまり、感情を制御するために必要なのは、
扁桃体によって生まれた強い感情を前頭前皮質によって抑え込むこと
だったんですね。
もし感情が抑えられなくなった時には、ぜひこの記事を思い出して、
あぁ、私の前頭前皮質、頑張って扁桃体をなだめてくれ~~
と唱えてみましょう。
もしかしたら気持ちが少し、落ち着くかも?(笑)
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また次の記事でお会いしましょう!
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【参考文献】
[1] Ochsner, K. N., & Gross, J. J. (2005). The cognitive control of emotion. Trends in Cognitive Sciences, 9(5), 242-249.
[2] Hariri, A. R., Mattay, V. S., Tessitore, A., Fera, F., & Weinberger, D. R. (2003). Neocortical modulation of the amygdala response to fearful stimuli. Biological Psychiatry, 53(6), 494-501.
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