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「ソニーKADOKAWA連合」→ソニーに枯渇していた機能→東宝は、どうする???


最近、1980年代を懐かしむ番組があった。。。そこで登場したのがウオークマン。。。

当時、高校生だった私は、カセットテープにダビングして聴いていた。。。

ライフスタイルを変えたよね。。。

まーそれはそれとして・・・

先週のソニーKADOKAWA連合のニュースは、ドキドキした。。。そんな気持ちで朝食を摂っていたら、興味深い記事が。。。以下は、東洋経済オンラインからです。森田さん、ありがとうございます。勉強になりました。


「ソニーKADOKAWA連合」、アニメ業界に走る激震「ソニーにやられた」、買収すれば勢力図は一変か

「これは、なかなかだ……」

あるアニメ会社関係者は、業界の勢力図を塗り替える大型再編の観測報道を前に、言葉を失った。

出版大手のKADOKAWAは11月20日、ソニーグループから同社株取得に向けた初期的意向表明を受領したと発表した。前日の11月19日、ロイター通信など複数のメディアは、ソニーがKADOKAWA買収を検討していると報じていた。

一連の報道やリリースを受け、報道が出る前の11月18日に3045円(終値ベース)だったKADOKAWAの株価は11月25日時点で4465円(同)と、約46%もの上昇を見せている。

KADOKAWAの時価総額は約6000億円。株式の取得比率など協議の詳細について同社の広報は回答を控えたが、仮に完全子会社化を狙う場合、ここ数年の国内エンタメ業界で最大規模のM&Aとなりうる。

関係性は徐々に深まっていた

現在、ソニーはKADOKAWA株を2.1%有する大株主だ。

両社は2021年、ソニーのアニメやコンシューマーゲームのグローバルな展開力とKADOKAWAのコンテンツ力を組み合わせた長期的な関係強化を目的に資本提携。2022年には、ソニーのゲーム子会社であるソニー・インタラクティブエンタテインメントから、KADOKAWA傘下の有力ゲーム会社、フロム・ソフトウェアにも14.0%を出資するなど、徐々に関係性は深まっていた。

ソニーがKADOKAWA買収まで狙うのであれば、世界累計出荷本数2500万本を突破した大ヒットタイトル「エルデンリング」を生み出したフロム・ソフトウェアの存在は、大きな誘因となる。また、ソニーが「注力分野」と明言するアニメの事業戦略においても、KADOKAWAはピタリとはまる“欠けていたピース”だ。

傘下の企業群をみれば、日本のアニメ産業において、ソニーが唯一無二の存在であることは自明だろう。

アニメの企画・製作会社であるアニプレックスは、「鬼滅の刃」を筆頭に数多くの人気アニメをプロデュースしてきた、業界最有力のヒットメーカー。A-1 PicturesやCloverWorksといった有力な制作スタジオも抱える。

日本アニメの配信で世界最大級のクランチロールは、200以上の国と地域に1500万人以上の有料会員数を誇る。アニメの企画から制作、配信までのバリューチェーンを超一流の企業群でカバーするソニーに、総合力で右に出るものは見当たらない。

しかしそんなソニーですら、アニメビジネスで足りていない機能がある。IP(知的財産)をつくり出す力だ。

ソニーに枯渇していた機能

IP創出に当たっては、漫画やライトノベルなど電子を含む出版、オリジナルアニメ、ゲームといった選択肢がある。

自社で創出したIPに対して、他社からマルチメディア展開やグッズ化、宣伝利用などの引き合いがあれば、原作使用料というおいしい収入が舞い込んでくる。他社のIP利用で世の中とのタッチポイントが広がれば、原作となったコンテンツにも宣伝効果をもたらすため、エンタメ業界各社はIP創出への意欲を高めてきた。

ソニーにはアニプレックスの「リコリス・リコイル」など、直近でもオリジナルアニメのヒット作は存在する。ただ、アニメやゲームの制作費は年々高騰しており、クオリティを求めると、アニメであれば1クール13話で5億〜10億円規模、ゲームに至っては1タイトルあたり数十億~100億円規模の投資も珍しくない。原作ファンを取り込めないオリジナルアニメを連発することは、投資回収リスクの観点からも非現実的だ。

この点、絵が動かない漫画や活字中心のライトノベルの制作費用はアニメ・ゲームと比べ圧倒的に低く、大量にIPを創出できる。数を撃てるぶん、人気IPの絶対量が積み重なる構造だ。

アニプレックスの代表作となった「鬼滅の刃」から、主題歌が話題を呼んだ「マッシュル-MASHLE-」、「ぼっち・ざ・ろっく!」、「WIND BREAKER」まで、直近でも人気作の多くが漫画原作アニメであるのは、こうした背景に起因している。

有力作品の製作パートナーの座を獲得できるよう、アニメプロデューサーは、集英社の「週刊少年ジャンプ」を筆頭とする漫画雑誌の編集部との関係性構築にいそしむ。アニメの制作物から宣伝、2次利用に至るまで、編集部の先にいる原作作家の意向を尊重することも欠かせず、プロデュースの自由度には制限がかかる。

一方で出版もヒットビジネスであり、大ヒット原作が安定供給される保証はどこにもない。ソニーに限らず、アニメ事業を展開する企業にとって、外部の出版社頼りという構図は無視できないリスク要因となっていた。

ソニーとの連携は「ダイナミックすぎて…」

そんな状況も、KADOKAWAを買収してしまえば一転する。

同社は小学館・集英社を擁する一ツ橋グループ、講談社率いる音羽グループと並ぶ、出版3大グループの一角だ。ライトノベルの有力レーベルや漫画出版機能を有し、2024年3月期のIP創出点数は5900に上る。質の面でも、ライトノベルから漫画、アニメとグループ内でメディアミックスを推し進めた「Re:ゼロから始める異世界生活」を筆頭に、「ダンジョン飯」、「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」など、有力IPをコンスタントに輩出してきた。

同時にアニプレックスや東宝などと並ぶ国内有数のアニメ企画・製作会社でもあり、直近では集英社原作の「【推しの子】」をヒットさせた。ただ、あるKADOKAWAのアニメ部門社員は「有力なKADOKAWA原作のアニメ化に際しては、(社外のアニメ企画・製作会社よりも)社内のアニメ部門に若干の優先権があり、KADOKAWAアニメ部門の強みとなっている」と明かす。

買収が実現すれば、KADOKAWAのアニメ部門と同様に、アニプレックスがKADOKAWAの有力原作を安定的に確保するというスキームもみえてくる。「ソニーと連携すれば、原作からアニメの世界配信までが完結してしまう。ダイナミックすぎて現実味がない」(前出のKADOKAWA社員)。

「6000億円規模というM&Aはわれわれにはできない。会社の首脳級も『ソニーにやられた』と頭を抱えているようだ」。あるアニメ会社の幹部がそう打ち明けるように、ソニーがKADOKAWAを傘下に収めれば、業界勢力図が大きく塗り替わる可能性も出てくる。

直近、アニメ業界で急速に総合力を高めてきた“台風の目”は、東宝だった。

国内売上高トップの映画館「TOHOシネマズ」を有し、企画・製作を担ったアニメの劇場版を精力的に配給できる強みを武器に、「僕のヒーローアカデミア」や「ハイキュー!!」、「呪術廻戦」、「SPY×FAMILY」など、アニプレックスをしのぐ勢いでジャンプ系IPをアニメ化。いずれも原作に見合う大ヒットとなった。

怒涛のM&Aも見逃せない。2023年11月にタイのアニメスタジオと資本業務提携すると、今年6月には「ダンダダン」などを手がける国内の有力アニメスタジオ・サイエンスSARUを買収。10月には「君の名は。」などの新海誠監督作品を扱うコミックス・ウェーブ・フィルム株も6.0%取得した。

さらなる打ち手を迫られる東宝

これら制作関連のM&A以上に注視すべきは、10月に発表されたアメリカのGKIDS買収だ。同社は北米を中心に、スタジオジブリ作品などのアニメ配給を担ってきた。

東宝の松岡宏泰社長は10月16日の決算説明会で、「日本のアニメ関係者が海外で作品を展開する際に、GKIDS、あるいは東宝を信頼し、架け橋のような存在になれることを目標にしたい」と語った。これはソニー傘下のクランチロールが担ってきた役割を、東宝も映画配給で果たしていくという宣言にほかならない。

そんな東宝も悩みの種はIPの創出だ。これを打ち破るべく、8月にはオリジナルIPの企画開発と国内外における活用を目的に、バンダイナムコホールディングスと資本業務提携を締結。ゲームからアニメ、玩具までIP展開の総合力に長ける同社と手を組み、ソニーに先手を打ったばかりだった。

以前、ある映画大手の幹部は東宝の戦略について、「売り物は出ていないが、ゆくゆくは(ソニーが有する)動画配信機能もM&Aしたいのではないか」と読み解いていた。ソニーがKADOKAWAを買収してしまえば、東宝は総合力でいっそう水をあけられるため、こういった大胆な打ち手を本格的に迫られるかもしれない。

ソニーも、KADOKAWAを買えば万事解決というわけではない。

集英社のジャンプ系IPが爆発的なヒットをたたき出すのに対し、KADOKAWAは中規模ヒットのIPをコツコツと積み重ねるスタイルが特徴的だ。実際、「集英社や講談社の原作が強いので、別に(ソニーにKADOKAWAが買われても)よいのではないか」(前出のアニメ会社幹部)と冷めた意見も聞かれる。

アニメ業界全体の制作体制強化が不可欠

アニメ人気上昇によるスタジオの需給逼迫が深刻さを増す中、ソニーグループ内外の限られた制作リソースを、どのIPのアニメ化に費やせば収益を最大化できるかが焦点となる。その際、KADOKAWAのライトノベルなどよりも、今まで通りのペースで集英社や講談社の作品をアニメ化したほうが合理的となれば、M&Aによるシナジーが限定的になりかねない。

シナジーの最大化を図るには、社外のスタジオも含めたアニメ業界全体の制作体制を強化しなくてはならない。その際には、ソニーが5月の経営方針説明会で明かした海外でのアニメクリエーター育成計画やアニメ制作専用のソフトウェア開発など、アニメ産業支援の加速がカギとなるだろう。

ダイナミックに札束が飛び交い、目まぐるしく情勢が変化する日本のアニメ産業。ビッグネーム同士の提携の行方を、あらゆる業界関係者が固唾を呑んで見守ることになりそうだ。


ここまでが記事です。

ドンドン変わっていかなくては、生き残れない・・・

経営的な視座・・・次の一手が楽しみです。

企業価値って何???考えさせられます。。。

では、また・・・

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