2/15(水)Megソロ『GREATEST DiVA ~sing.11~』参戦レポ【まいにちFinally・day15】
こんにちは!灰色です。本日のまいふぁい更新のお時間でございます。
本日は久しぶりのMegソロLIVE!ポピエモさんやナウドラさんの事務所O-keyさん主催のDiVAに行ってまいりました。
配信のアーカイブ動画はこちら!
1500円で購入可能、3/1まで見ることができます。
ハッキリ言って、絶対に買った方がいいです。たとえFinallyにこれまで触れていない人でも、このアーカイブだけは見てください。本当に……。詳しくはここから先にて。(ネタバレしてほしくない人は今すぐ買ってこの記事は閉じましょう)
『DiVA』はアコースティックLIVEのため、普段のパワフル対バンとは全く違うムードが楽しめる大好きなイベント。これが2回目の参戦ですが、この前はギターだったのでピアノ回は初めてです。ちなみに前回のレポはこちら↓
前回は一人だけチェックのジャケット&パンツスタイルというシックな出立ちで登場し、これまた一人だけ男性ボーカル曲を2曲披露して颯爽と去っていくという、ルール無用の別格ぶりを見せてくれたMeg様。果たして今宵はどんな世界に誘ってくれるのでしょうか。
本日の会場は、繁華街の喧騒から遠く離れた渋谷ロフトヘヴン。初めて向かう方面だったので道がいまいち分からず、凍えながらも開演少し前になんとか辿り着きました。グランドピアノのある素敵なバーで、本日だけのものかは分かりませんが、天井にもひらひらした装飾がされています。
では、セトリツイートをどうぞ!
先に、一言だけ。
たったの15分。
たったの15分でしたが、まるで映画を一本観た後のような、そんな余韻が今も残っています。
Megの歌声は、物語でした。
麗人という言葉が思い浮かんだ前回の装いとは打って変わって、今回はワンピーススタイルで登場したMeg。華やかさもありつつ、ジャジーなステージにぴったりの落ち着いた雰囲気です。たまたま直前にmimonalチェキでストリートカジュアルな彼女を見た直後だったこともあり、シンプルにこの人に似合わない服ってあるのか……と感じてしまいました。
今回は前回より多い3曲を歌う予定ということで楽しみにしていましたが、早速宇多田ヒカルの「First love」からスタート。言わずと知れた名曲中の名曲です。
前回はギターだったので男性ボーカル曲だけだったけれど、今回はバレンタイン(の一日後)だから恋の歌を持っていく……とも言っていたのですが、これまた一切妥協のない選曲。さすがです。
この曲のピアノバージョンをまともに歌いこなすだけでも相当難しいと思われますが、彼女は今回も最初からその力量と個性を存分に発揮!完全にMegバージョンのカバー曲として披露していました。
Finallyのステージではまず見られない、一曲を通じて全身で哀しみを表現するMeg。かの有名な「最後のキスはタバコのFlavorがした ニガくて切ない香り」という歌い出しの通り、ビターな質感をまとっています。
ことばの一つ一つを丁寧に紡いでいくところはいつもの彼女と変わらないものの、今回はブレスや表情に至るまでの全てが、震えながら泣いているような歌い方。
それでいて、Megはもともとの力強さと声量が並大抵ではないため、その圧倒的な深みと奥行きに引き込まれました。持ち味のロングトーンでも、あえて普段のパワフルな安定感を出さず、消え入っていくように歌うところが目立ちます。
抑えても抑えても激しく込み上げてくる涙、心の傷が癒えるより前にその喉が枯れていってしまう痛々しさ。そんな様子をも思わせる歌唱でした。
この時点で文字通り息を呑んでいましたが、彼女の世界はまだ続きます。
続いてはまさかの男性カバー再び!しかも平井堅です。これでこそMeg!!しかし、チョイスされていたは知らない曲でした。「even if」というそうです。
これが、また、たいそう凄まじかった……。
会場のムーディーさが好きで、それに合う曲を持ってきたということだったのですが、なんと照明も紫一色で横顔を照らすだけという演出でスタート。空気がガラッと変わり、只事ではないオーラに私の方が緊張してしまいました。
まず曲のシチュエーションからして、ろうそくの灯りが揺れるバーカウンター。しかも片想いをしている(おそらくは恋人と結婚直前の)相手と一緒に、前々から連れてきたかった店を偶然見つけたフリをしながら、終電で帰る前に一杯だけ飲みに来た……という、尋常じゃない湿度の曲です。
その上、主人公は格好つけてか酔おうとしてかバーボンを飲んでいるのに、「君」が選んだのはカシスソーダという、ちょっと類を見ないほど異様な解像度。なんだこの選曲は……。
個人的には歌詞がピンポイントでブッ刺さりすぎて頭抱えて逃げ出したくなりました。イワークにスターミーがハイドロポンプ撃ったくらいのオーバーキルです。最近そればっかりだな。
even if自体のヤバさに字数割きすぎました。ただ、LIVE終了後に平井堅の原曲は数回聴いたものの、だいぶ個性的な曲だったので(ケンヒライカラーが強くて)これ単体だとそこまでハマらなかっただろうな、というのが正直なところ。
Megカバーだったから、突き刺さりました。
マジで泣きたくなるくらいに……。
紫のライトがごく自然に思えるほど、気品と色香が完璧に調和したMegのたたずまい。それなのに、歌われているのはどこまでもいじらしく、恥ずかしくなるほど身勝手な感情ばかりです。
あまりにも、私の知っている彼女に似つかわしくない歌。ステージでいつも見せてくれる凛々しさとは全くの真逆です。けれど、それがまるで最初から彼女のために書かれた曲であるかのように、ピアノを伴ったMegの声はありありと情景を描きだしていました。
本来の力強さを抑えつけているようにも聴こえる、不安定さすら感じる歌声が、やり場のない主人公の想いと重なります。
一人でバーボンに唇をつけては自虐じみて愛想笑いをする滑稽さを、彼女の表情が否応なく想起させます。
LIVEのたびに元気づけられているMegの歌を聴いて、ここまで胸が疼くとは、想像だにしていませんでした。
ラストの「そりゃかなり酔っ払っているけど」という歌詞に合わせ、おどけたように自嘲気味な笑みを見せたところに至っては、そのままMVとして使ってほしいほど。月並みな言葉ながら、ドラマのワンシーンを切り取ったかのような瞬間でした。
最終的にはこの後も含めた3曲の全てを、Megは椅子に座ったまま歌い終えました。彼女は妖艶な幻想を謳っていたわけでも、異国の言葉を発したわけでもありません。
その朗らかな人柄も、人懐っこい笑顔も、私は既に知っています。
それなのに、今こうして彼女の姿を思い返していると、どこか言葉にできない怖れすら感じます。
ただただ、底知れないひと。
あの空間にいたMegのことは、最早そのようにしか形容できません。
こうして、一曲目からの劇的な変化に、Meg劇場を十二分に堪能した……はず、だったのですが……
来ました。
考えたこともなかった、ソロ歌唱・ピアノバージョンの「君エール」が。
まさか、昨日一昨日の二日間にわたり1万字近くかけて考察しつくしたと思ったこの曲を、こんな形で聴けるなんて。
最後のこのパートだけは、振り返って解説をしようと思ってもできそうにありません。
彼女が退場するまで、涙が止まりませんでした。
明るくひたむきな歌詞で、いつも私の背中を押してくれる君エール。
LIVEでイントロが流れるたびに、幸せな気持ちに包んでくれる君エール。
感動で泣いた、と言ってしまえばそれで終わりです。
ただ、それでも理由を言葉にするならば、彼女の歌に出会えたこと……その偶然に対する嬉し涙だったのだろうと、今は思います。
どこまでも伸びやかで、力の限り歌っても決して透明さとしなやかさを失わない、Megの歌声。
およそ人間の想像力が追いつく限り、どんなストーリーでもこのひとは歌で語り、聴き手を引き込んでしまうのでしょう。
聴き慣れたはずの楽曲が終わったとき、私の胸に浮かんだのは一つの身勝手な想いでした。
ずっと、舞台の上で歌うことを続けてほしい。
このひとの歌を、いつまでも聴いていたい。
そんな願いを抱かせるほど、涙越しに映ったMegというアーティストは、絶対的な存在でした。
たった15分。
たった15分のあいだにMegが見せた、現実感がないほど変幻自在の世界。
たった15分でMegがもたらした、心地良い陶酔感と、かすかな畏怖。
それはずっと昔に飲んだ洋酒の味と同じように、言葉では表現しきれない何かとして、私の心に残り続けるのでしょう。
それならばせめて、この記事を残しておくことで、その何かの時間を止めてしまうことにします。
たった15分。
たった15分について書くだけなのにこれほど芝居がかった言い回しをするというのも、我ながら大概です。
多分、かなり酔っ払っています。
けれど、今回ばかりはどうか許してください。
その責任は、Megなのですから。
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました!!
また明日の「まいふぁい」でお会いしましょう!
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