"データドリブン"で"しっかり効かす" セールスイネーブルメントの基礎づくり
みなさんこんにちは。
セールスイネーブルメントツール『GRAPH』運営、株式会社グラフの代表 藤田健太(@Fujita_GRAPH)です。
私はこれまでビズリーチ、弁護士ドットコム、メドレー、セルソースの営業チーム立ち上げを経験し、2020年11月にグラフを創業しています。
今回は「セールスイネーブルメントの基礎づくり」について、
営業改革支援に入らせていただいている製造系エンタープライズ企業さまの事例に沿ってお話します。
本題に入る前に、端的に自己開示させてください。
私は「わかりやすい実利・実績主義」で、プレイヤー当初は「データ蓄積は面倒」「結果出ればOK」という思想パターンでしたが、マネジメントに移るにつれ、データ活用の重要性、実利貢献の大きさを実感し、意識して研鑽を積むようになったタイプです。
それでは本編です!
「成長ベンチャーのような営業チームに変革したい」
依頼者は従業員数1万名超、世界に100超の拠点を数えるエンタープライズ企業。同社ではBtoBSaaS新規事業が立ち上がっており、企業の威信をかけた当該事業にはT2D3 (Triple, Triple, Double, Double, Double)の成長が期待されていました。
一方、営業チームは、既存事業(ルートセールス)からの異動メンバーで構成され、新規開拓営業に強いメンバーは不在。
事業は"これまでのところ"順調なものの、今後もT2D3な成長を実現するためにIPOを目指すベンチャーのような(急成長を実現しうる)営業チームへの変革が求められていました。
私がみてきた成長ベンチャー営業チームの特徴は
日次で数値進捗をデータ管理、可視化
データドリブン+磨かれた嗅覚で施策を吟味し、やりきる
目標達成をにこだわるスタンス
一方、クライアントの状況は、その逆
数値進捗管理の習慣がないことに起因し→数値意識が低い
データドリブンな施策検討が十分でない→当事者意識が低く当て勘の施策
成り行き的な達成スタンス→T2D3な成長に挑めない
さて、何から手を付けるか
予実管理は営業パーソンの基礎
適切な予実管理習慣から生まれる 達成へのイメージ(未達への危機感)は「全てのアクションの質と量を大きく引き上げる」という、成果の最大化に対して大きな効果を発揮します。
その観点から、セールスイネーブルメントを「成果を出す営業パーソンを輩出し続ける人材育成の仕組み」と定義するのであれば、予実管理習慣こそ、真っ先に育成・獲得すべきテーマだと考えます。
「ダイエットを成功したければ、まず毎日体重計に乗りなさい」
と言われているように、現状を直視することを習慣化すると、それに基づいた危機感のあるアクションが発生する。それを可能な限り高頻度で繰り返すことが重要です。
「見えているから、ようやく動く」
人は「見えていない」のに、大変な、負荷がかかる、わざわざやりたくはないアクションを起こせるほど「強くない」
であれば、見るべきものを「見やすく見る習慣」を与えることで弱さを補い、人を強くすることが有効。それでようやく動き出すというものです。
多くの組織が陥るCRM・SFAの活用不全
一般的に、前述の「データ蓄積」や「見える化」は、CRM・SFAが担っている領域と言えます。
しかし実際には、CRM・SFAに「データ蓄積」こそできているものの、それらのデータを適切に活用できていないケースが多く存在しています。
「データを巧く視せること」で営業メンバーの振る舞いは大きく変わり、
「データを適切に分析すること」でPDCAを適切に回すことができますが、それらは、決して容易なことではありません。
なぜ難しいのか。
個人的見解では、大きな要因として「データは人を動かし、事業を動かすものである」という、覚悟にも近い、前提の認識が抜けているからではないかと考えています。
クライアントの営業チームも同様の現象に陥っており、SalesforceとBIツールを用いてデータの収集と、ある程度の見える化を行っていましたが、見るべきデータの粒度の誤りと、データを活用の習慣化が甘く、営業チームの行動変容、売上向上には繋げられていませんでした。
営業チームの行動変容のため最低限可視化すべき項目と頻度
営業メンバーごと、チームごとの目標値(売上や各種KPI)
目標に対する実績、着地見込み、目標への差分
基本的に頻度は「日次」
見える化の先にあるもの
こうして「行動変容を起こすための見える化」を行ったのですが、それで
すぐにメンバーの行動が変わるわけではありません。
実際に行動変容を起こすには、データを徹底的に意識した営業チーム・メンバーへと生まれ変わる必要があります。データを徹底的に意識するとは、具体的には下記を意識する習慣・カルチャーを創出することです。
会議や報告シーンにおいて
目標達成から"逆算"した報告になっているか
目標と現在の"差分"が明確か
目標と現在の"差分"を埋める最適なプランが練られているか
こうした習慣・カルチャーを創出するには、データを基に適切な報告内容の読み合わせをしたり、課題に共に悩み・考えることが有効。
実際、クライアントの現場メンバーと一緒にツール(シート)を見て、データの見方、報告の仕方を伝授し、達成が危ぶまれる際にはリカバリープランについて一緒に悩みました。
変わり始めた営業メンバー
目標達成に対する当事者意識が高まったメンバーは、自発的に行動量を増やしたり、受注率向上のため社内ナレッジ収集に取り組んだり。
結果、一人当たりの生産性が大きく向上しはじめました。
伴走コンサルテーションもメンバーの成長に併せて、次の段階へ。
リカバリープランの詰まり具合や、その妥当性、案件失注などに対してやや厳しめのツッコミを入れるなど、変わり始めたメンバーの成長に向き合います。
変わり始めたマネジメント
メンバーの変容に呼応するかのごとく、変わり始めたのがマネジメント。
メンバーの達成をサポートするため、チームとして達成を実現するため、現場と連携したトップセールスを連発したり、ウルトラCな受注を画策したり、チーム全体として達成への一致団結が見られるようになりました。
【最後に】 来たるセールスイネーブルメントBigwaveに乗るために
ここまで、データに基づいた行動変容についてお伝えしました。
本内容、要素は「勝てるチーム」づくりの必須項目であると同時に、セールスイネーブルメントBigwaveの恩恵を受けるための"必須基盤"となります。まとめると下記3つです。
CRM/SFAによるデータ蓄積習慣(やっぱり大事)
現場メンバーが "親しみやすい" データ可視化(UI/UX重要)
データドリブンな行動変容(これが強さのはじまり)
御社は強固な"基盤"を手に入れてますか?
早急に上記3要素の獲得に取り組みましょう!
以上、
"データドリブン" で "しっかり効かす"
「おとなのセールスイネーブルメント」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!