母の難病
私が小学校の低学年だった頃
母が難病になった。
体調を崩して病院に行ったところ
大きい病院での検査を勧められ
あれよあれよという間に入院になった。
1週間くらいの出来事だった。
入院しても入院期間や治療法はわからなかった。
父は家事の一切ができないので家族で
祖母宅に居候することになりすぐに引っ越した。
母は病院でできる治療が何もなくなり
一年足らずで退院した。
どうせなら子どもの顔を見て過ごしたいから、
とのことだった。
母の入院中、私は
母はもう死ぬのかなとうっすら思っていた。
退院する頃になってどうやら死なないらしいとわかり少し安堵した。
退院した母はステロイドの大量の投与で見た目が変わっていた。
いわゆるムーンフェイスで体はむくみきり
髪は抜けてカツラをかぶっていた。
攻撃的な目をしていた。
以前のようか白くてふっくらして
可愛らしい母とは別人になっていた。
母はステロイド誘発性の統合失調症になっていた。