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「上手くやろう」より「やってみよう」――子どもの自己効力感を育てるために

「やればできる!」
この言葉を聞いて、すぐに「そうだ!」と思える人と、「でも…」と不安を感じる人がいる。
この違いは何だろう? それは「自己効力感」があるかどうかだ。

自己効力感とは、「自分はやればできる」と思える力のこと。
これは、仕事や人生のさまざまな場面で大きな影響を与える。実際、自己効力感が高い人は仕事で成果を出しやすく、年収にも大きな差が出るという研究結果もある。

では、どうすれば子どもの自己効力感を育てられるのか? それは、小さな成功体験を積み重ねること。そして、「失敗は思っているほど怖くない」と教えることが大切だ。

子どもの「成功体験」を増やすには?


自己効力感を高めるために、一番簡単な方法は「成功体験」を増やすことだ。
でも、「成功体験」と聞くと、何か特別なことを達成しないといけない気がしてしまう。でも、そんな大げさなことじゃなくてもいい。

例えば、息子が2歳のとき、滑り台に登るのを怖がっていた。何度も「無理!できない!」と言う。でも、「ここまで登れたね」「あとちょっと!」と少しずつハードルを下げながら声をかけた。すると、ある日「できた!」と嬉しそうに滑った。

たったこれだけのこと。でも、子どもにとっては大きな「成功体験」だ。

子どもが何かを達成したとき、「すごいね!」「頑張ったね!」と声をかけることで、「自分はやればできるんだ」という感覚が少しずつ育っていく。

「失敗は怖くない」と教えることが大事


ただ、「成功体験を増やす」と聞くと、「じゃあ失敗はダメなの?」と思うかもしれない。でも、実は逆だ。たくさん失敗したほうが、自己効力感は育ちやすい。

人は、失敗を怖がる。子どもも同じだ。
でも、失敗を実際に経験してみると、「あれ? 思ったより大したことないな」と思えることが多い。

例えば、うちの息子が3歳のときにブロックで大きなタワーを作っていた。
「ママ見て!」と自慢げに見せたその瞬間、タワーが崩れた。息子は一瞬固まり、泣きそうな顔になった。

ここで「大丈夫、大丈夫!また作ればいいよ!」とすぐに言うのではなく、
「おぉ〜!すごい高さだったね!でも崩れちゃったね。どうする?」と声をかけた。

すると、息子は「また作る!」と奮起。何度も崩れながら、最終的に「今度は倒れないタワー」を完成させた。

この経験が、「失敗しても、また挑戦すればいいんだ」と学ぶきっかけになる。
失敗をすることで、次の挑戦へのハードルが下がる。

「上手くやろう」より「やってみよう」


子どもが何かに挑戦するとき、「失敗しないようにしなきゃ」と思うと、怖くなる。
でも、「これをしたらどうなるかな?」という実験のような気持ちで取り組めば、気楽にチャレンジできる。

例えば、子どもが新しい遊びに興味を持ったとき、「上手くできるかな?」と不安になることがある。そんなときは、こう言ってみよう。

「ちょっと試してみようか?」

「失敗しても大丈夫」という雰囲気を作ることで、子どもは安心して挑戦できる。

親の言葉が子どもの未来をつくる


「やればできる!」
この言葉を、心から信じられる子どもに育ってほしい。
そのためには、親が「できたね!」と成功体験を認め、「失敗してもいいよ」と安心感を与えることが大切だ。

子どもにとって、親の言葉は絶対的なものだ。だからこそ、
「またやればいいよ!」
「やってみたことがすごいね!」
「どうなるか試してみよう!」
そんな言葉を、たくさんかけてあげたい。

今日の一言が、未来の「やればできる!」をつくるのだから。

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