“アソビの言語化”を強化。アソプラ会実施背景や体験会、WSの感想をインタビュー
第1回で体験したコンテンツについて
——アソプラ会について教えてください
森本:アソプラ会は、アソビの共通言語を作ることを目的とし、Graffityのメンバーで、体験したことがないエンタメコンテンツを一緒に遊び、その後のワークショップを通して「何が楽しかったのか」「なぜ楽しかったのか」を言語化する会です。
Graffityはバリューをアップデートし、「ASOBI++(アソビプラス)」が加わりました。新バリューには「アソビを言語化し、アソビの言語を作り、アソビを加えていく」という思いが込められています。
アソプラ会は、このバリューの推奨行動である「アソビの言語化」をさらに強化するために始まりました。アソビを言語化して共通の言語にすることで、私たちのプロダクトや日々の業務にアソビの要素を取り入れたいと考えています。
第1回のアソプラ会は、会社のメンバーが出し合ったアイデアの中から選ばれたものを、私がブラッシュアップして実施しました。
——第1回のアソプラ会では、どのような体験をされましたか?
森本:新宿ダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」に行きました。ソニー・ミュージックソリューションズさんが運営する体験施設で、仲間と協力してミッションを攻略してダンジョンクリアを目指すという体験型アトラクションです。謎解きをしたり、ハンマーの形をしたデバイスを使ったり、実際に体を動かすミッションもあります。1パーティ2〜3人で挑戦するコンテンツで、今回は12人のメンバーが参加しました。
——「THE TOKYO MATRIX」を選んだ理由を教えてください
森本:ディレクターやプロデューサーメンバーで集まって、どんな体験がしたいか案を出してもらいました。そのなかには「イマーシブ・フォート東京」、「Roblox」や「VRChat」、マジックリアリティ・シアター「ティフォニウム」などもありました。私たちが会社として時間をとらないと体験する機会があまりないもので、かつ新しい遊びを選んだ結果、今回は「THE TOKYO MATRIX」に決定しました。
実際に体験することでユーザーとしての感想が生まれた
——体験してみて、どのような感想を持ちましたか?
柳沢:デバイスの動かし方を一生懸命考えたり、体も使う謎解きがあったりして、仲間と手分けして協力するシーンも多く盛り込まれていました。
AR・VRコンテンツは自分の体を動かしながら実感のある体験を楽しめるところに妙味があると考えています。AR・VRコンテンツを普及させていくということは、生活の中に「体を動かすことが楽しい」と感じてもらえる時間を増やすことにつながるはずです。しかし、実際は自分の体をかっこよくイメージ通りに動かすことってなかなか難しいですよね。自分も日常であまり運動をしてこなかったので、「THE TOKYO MATRIX」の縄をくぐるアトラクション等で思うように体が動かず、そのせいで楽しさを十分に感じられないということもありました。そこで、AR・VRコンテンツの妙味を思いっきり楽しんでいただくために、コンテンツ提供側は利用者のボディケアにも積極的に貢献していくことというのが大切なのかなという気づきを得ました。生活の中に「体を動かすことが楽しい」と感じてもらえる時間を増やすことにつながるはずです。
また、VRデバイスをつけて遊んでいる人がモニターに突っ込んでいってしまう……そんな動画を見たことがありますが、今回の体験を通じて、そういった感覚や危機感をよりリアルに理解することができました。楽しく遊びつつもユーザーがリアルで危ない状況になってしまわないような工夫も含めてコンテンツを考えていかないといけないな、と思いました。
竹村:私もデジタルゲームを家で遊んでいることが多く、こういった体験型アトラクションに行く機会はあまりなかったので、グループで一緒に挑戦できたのは有意義でした。感想としては、いかにユーザーに楽しんでもらえる誘導を入れられるかが難しいポイントだと思いました。デジタルゲームと違って、体を使った体験は自由が効きますが、どう誘導すれば、想定している範囲内のアクションをしてくれて、そのなかで楽しんでもらえるかを考えなければいけません。リアルで遊ぶということの面白さと難しさを改めて感じました。
柳沢:普段個人でエンターテインメントコンテンツを体験した際、どうしても開発者視点に偏った感想が多くなってしまいがちです。ですが、今回のアソプラ会で複数人とワイワイ盛り上がりながら体験することで「楽しい、難しい、悔しい、もっとこうなってほしい」といった“ユーザーとしての意見や感想”を自分から自然に出すことができていました。これは一人だと意識してもなかなかできなかったことなので、とても良かったなと思いました。
「自分たちだったら、どのようにアソビをプラスすることができるか」ワークショップでの意見
——体験後のワークショップについて教えてください
森本:オンラインでMiroを使って1時間くらいのワークショップを行いました。まずは、「面白いと思ったこと」「なぜ面白いと思ったのか」を付箋に書き出してもらいました。100個くらい意見が出て、それらをグルーピングを行い、今回は「世界観」「演出」「リアルな体験」「レベルデザイン」などグループにまとまりました。最後に「自分たちだったら、どのようにアソビをプラスすることができるか」というテーマでアイデアを出して行きます。
——「THE TOKYO MATRIX」の良かった点はどのようなところですか?
柳沢:まず、最初のゲートの演出が作り込まれていたところです。縦長のカプセルに入って、横のパネルには自分が選択したアバターが表示されていて……今回はアニメ「ソードアート・オンライン」とコラボしたダンジョンだったので、オンラインゲームの世界に入っていくイメージがしっかり反映されていました。参加者が一番最初に体験するところですし、プレイヤー本人も外から見ている人も楽しめる作りでとても良かった。見栄えのするキャッチをしっかり入れていて、素晴らしかったです。
竹村:「THE TOKYO MATRIX」では、参加者はまずは同じミッションに挑戦し、そのあと複数のミッションから3つ選んで挑戦していくという形式になっています。何度も挑戦して攻略を目指す形式なので、異なる体験をしたプレイヤー同士の情報交換が活発に行われます。これは積極的に話すための工夫だと思いますし、攻略について意見を出し合うのは楽しいし盛り上がりますね。
——「アソビ」をプラスすることに関しては、どのような意見がでましたか?
柳沢:「ソードアート・オンライン」の世界観に合わせてコスプレが出来たら良かったね、という意見が出ました。自分が選んだアバターの服やアイテムなど、リアルグッズをひとつ身につけることができたら、スタートからテンションが上がるし、没入感もより高まるだろうな、と思いました。
あとは、デバイスがハンマーの形をしていたので、もっと振らせてくれても良かったんじゃないか、など。でもあえて使わないシーンがあるというのも、メリハリがついて面白かったという声もあったので、良し悪しを踏まえつつ意見を出し合いました。
竹村:常に携帯しているデバイスがあることや、物を掴んでアクションを起こすシーンがあるので、アイテムの手触りはもっと工夫のしがいがあるんじゃないかと議論にあがりました。
もちろん、装飾やアイテムのクオリティを上げるということに関してはできる範囲があると思いますし、自分たちが体験したなかでも没入感を高める工夫はたくさん感じられました。「もっとこういうのがあったらな」と思いつつ、「我々も頑張らないと」と思わされました。
Graffityメンバーが面白いと思ったものをみんなで体験
——アソプラ会で体験してみたいコンテンツはありますか?
柳沢:個人的にはアミューズメントカジノですかね。1人で行くのは心理的に難しく感じますが、会社のメンバーで適切な制限を設けながらだったら良い機会になると思います。ゲームというものは「運」や「確率」の要素が切り離せないものです。また、勝ち負けが明確にわかるので、ランダム性や根本的な面白さで盛り上がりやすいのではないでしょうか。
竹村:自分が過去に体験して面白かったものでいうと、IPコンテンツを元にした施設。私が体験したのは、学園モノ作品のイベントで、実際の廃校を貸し切って文化祭を体験するものでした。作品を再現した屋台や演劇などの催しがあって、それらを自由に体験して遊びました。たくさんの工夫があって楽しめたので、コンテンツの知識を持った上で世界観を楽しむ体験をもっとしてみたいと思いました。
森本:他のメンバーから出た案には、スポーツの試合や絶景を見に行くという案も出ていました。ARはリアルの本質的な価値にデジタルを加えて拡張し、新しい体験に変えていくものです。過去にGraffityが提供したARシューティングバトル「ペチャバト」は雪合戦をモチーフにしています。このようにリアルの本質的な面白さを、デジタルを活用してより楽しくすることにARの価値があると考えているので、そのような面白さに触れることができる機会も積極的に設けていきたいと考えています。他にも、海外の若い人たちの間で流行っているというVRゲーム「Gorilla Tag」など、グローバルのティーンのトレンドを積極的に追っていくのも面白そうです。
Graffityのメンバーは興味関心のベクトルも違うので、それぞれが面白いと思ったものを提案いただき、様々な体験を一緒にできればと考えています。
アソプラ会をGraffityのカルチャーに。良質なコンテンツを生み出すことに繋げていきたい
——今後のアソプラ会について
柳沢:今はスマホゲームやYouTubeなど、個人向けのエンタメが充実しています。だからこそ、「人」と遊ぶには自発的に飛び込んでいく行動をとらなければできません。会社がそういう場を定期的につくることで、メンバー間で話題が膨らんで良質なコミュニケーションにも繋がると思います。単純に仲間と一緒に遊ぶのは楽しいことですし、それを共有できるのはとても会社として良い文化になっていくのではないでしょうか。
竹村:遊びを共有して話し合い、言語化するということは有意義だと感じました。どんなコンテンツにも当てはめることができますし、継続するべき習慣だと思います。遊んでみて「何が楽しいか」「どう楽しかったか」を深掘りして意見を出し合って形に残すというのは、個人ではなかなかやらないことだと思います。会社としてワークショップ形式で取り組むことで、分析力や言語化する力が鍛えられていきますし、自分のノウハウや知識として蓄積されていくと思います。
森本:みんなでコンテンツを楽しむこと、それを言語化して共通言語を作る取り組みとして、アソプラ会の第1回はファーストトライとして非常に良い出来だったと思います。
今後は、この言語化や共通言語化をどのように会社のプロダクトに活かしていくかが課題です。そのためにも、日々の業務に活かせるよう、組織の仕組みを強化し、継続的に改善を図っていきたいと考えています。最終的には、ユーザーやお客様から「Graffityは本当に面白いコンテンツを生み出すよね」と言われるようなアソビを、どんどん創出していきたいです。
アソプラ会を通じて、これからもナレッジを蓄積し、さらなる成長に繋げていきます。
Graffity株式会社は、「ARで、リアルを遊べ。」をミッションに、2017年に創業したARエンタメ企業です。これまでに、世界初の技術を使用したARシューティングバトル「ペチャバト」をリリースし、累計25万ダウンロードを突破、運用型ARシューティングバトル「Leap Trigger」を米国にリリースするなど、ARエンタメ業界の発展に寄与しています。
現在は、C向けのプロダクト企画・開発の知見を活かし、AR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善まで支援するスタジオ「Graffity AR Studio」を運営しております。実績として、NTT コノキュー社と連携し、ARアプリ「LOST ANIMAL PLANET」の企画・開発・運用を行っています。2024年にApple Vision Pro向け空間ゲーム「Ninja Gaze Typing」、空間シューティングゲーム「Shuriken Survivor」の2作品リリースしております。
Apple Vision Pro向けにアプリをリリースされたい場合は、Apple Vision Pro向け空間アプリに特化した開発支援事業「Graffity Spatial Lab」も運営しておりますので、ぜひ気軽にお問合せください。
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