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日本のゲームをアメリカにローカライズした方法と今年の抱負

明けましておめでとうございます!Graffity CEOの森本です。

2021年は、ARバトルをグローバルスタンダードに。

今年の抱負はグローバル進出です!
昨年末、Graffity初の挑戦として新作「Leap Trigger」のアメリカ先行リリースを決定しました。現在はリリースに向けたクラウドファンディングを実施中です。
そのため、今回はゲームカルチャーの異なる日本とアメリカで、どのような点を意識しながらARバトルの開発を進めたのか、新作の最新情報も含めてお話しします。

クラファン開始32時間で1stゴールを達成!

2020年12月18日、ARシューティングバトル「Leap Trigger」のリリースを目標としたクラウドファンディングを開始しました。1stゴールとして75万円という目標を掲げ、開始からたった32時間(1日ちょっと!)で達成することができました。

現在は、135%にあたる101万円を達成し、2ndゴールの100万円を突破し、3rdゴールも見えはじめているという状況です。

日本、アメリカをはじめとするフランスや香港などの多くの国の皆さまにご支援いただいているおかげで、私たちの想像以上のスピードで目標が達成できそうです。この資金は「Leap Trigger」の本リリースに向け、クリエイティブ開発リソースを中心に投資してまいります。

今後の予定として、2021年前半に「Leap Trigger」のオープンβ版をアメリカにてリリース、2021年後半には日本でもリリース予定です。
なぜアメリカからスタートしたのか?という考えについては、こちらのプレスリリースに詳しく書いておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

ゲームカルチャーのローカライズとは

先日、Graffity COO 兼 Game Producerの斉藤が、「Leap Trigger」開発にこめた思いについて書きました。

今作では、ARと既存アプリの境界をぼかすことに注力したり、ARを使った運用型サービスを確立するといった新たな取り組みを進めています。

なかでも、今年の抱負「ARバトルをグローバルスタンダードにする」にも関連する、ゲームカルチャーのローカライズには心血を注ぎました。

アメリカと日本では、ゲーム環境におけるカルチャーが大きく異なります。

例えば、人々のAI(人工知能)に対する認知のしかたが異なります。
アメリカでAIと言うと、ターミネーターやアイアンマンのジャービスのような、いわゆるヒトの形をしたリアルな存在が思い浮かびます。これは主に、ハリウッド文化が認知形成に影響を与えていると考えられます。一方で、日本でAIを持つ存在として思い浮かぶのは、ドラえもんや鉄腕アトムといったデフォルメされた存在です。これは、まぎれもなく日本のアニメ文化が影響しています。

つまり、グローバルでヒットするためには、日本の可愛らしさに特化したビジュアルではなく、よりリアルなクリエイティブが求められるのです。
「Leap Trigger」の世界観としては、このあと紹介する日本の文化に起源を持たせつつ、実際のクリエイティブはリアルな見た目に寄せています。
例えば、作品中ではバディと呼ばれる、バトルを一緒に戦うモンスターはこちらです。

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これは、LeoBlazeというバディです。アニメらしさというよりは、リアルな存在感を出すように意識していることがわかりますでしょうか。

世界に「つくも神」を伝える

ここからは、私たちがこだわった「日本らしさ」のローカライズについてご紹介します。

私たちの作品は、「人々とモンスターが共存する世界」をモチーフにしています。
人間によって戦うように教育されたモンスターではなく、主人公のバディとしてお互いのスキルを磨き、高みを目指す関係性です。そして、そんなバディのベースには日本古来の神様である「つくも神」を選びました。つくも神とは、長い年月を経た道具などに神や精霊が宿るという日本ならではの価値観です。

なかでも、私たちは人の持つさまざまな「感情」につくも神を宿し、具現化してはどうかと考えました。

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感情とは、つねに私たちと共にあるものの、時おり自分が今どんな気持ちなのかわからなくなることもあるように、認知しづらいものです。そんな感情という存在が、発展した技術によってつくも神――モンスターとして具現化する。そして、彼らを深く理解するために「Leap Trigger」というスポーツが生まれ、バディとして互いの理解を深めていく。

このように私たちの世界観を広げていくなかで、山村れぇさんというクリエイターさんに出会いました。山村さんは、まさに私たちが追い求めていた”生き物と概念のあいだ”にある、愛らしい生き物を描かれる方だったのです。

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私たちの熱意を伝えたところ、モンスターのデザインをすることに快諾いただけました。
早速感情のなかでも両極にいるポジティブ・ネガティブのふたつをテーマにモンスター化を依頼しました。今回は”雨”と”血気”をモチーフに、複数のアイディアをいただきました。

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血気という感情が持つ、前のめりで闘志にあふれつつも、やんちゃでいたずらっぽいモンスター…という、私たちの伝えた絶妙なニュアンスも再現いただけました。このようにモンスターをブラッシュアップするなかで、山村さんであれば私たちの理想とする「Leap Trigger」のバディを作っていただける、と確信しました。

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こうして、日本古来の価値観をモチーフとしつつも、グローバルで戦えるリアルな見た目も兼ね備えたモンスターが山村さんによって生み出されました。

私たちは日本企業として、日本のエッセンスを含んだゲーム開発をしたいと考えています。「Leap Trigger」で遊ぶことで、つくも神という日本独自のカルチャーに触れるきっかけができる。ゲームカルチャーのローカライゼーションとは、一方で日本の文化をグローバライゼーションするということでもあるのです。

文化というものは、過去に人々が触れてきたプロダクトやサービス、そして体験が地層のように積み重なって醸成されると考えています。「Leap Trigger」を楽しむ人々にとって、ARバトルというカルチャーが本人の文化の層に新しく重なり、新しい価値基準となっていくことを信じています。

さいごに

2021年、Graffityは「Leap Trigger」を通して、ARバトルというジャンルをグローバルスタンダードにします。

「Leap Trigger」がARの新しいユースケースを作り、AR市場を拡大させる。そして、ミッションである「ARでリアルを遊べ」という言葉の通り、このゲームを通して人と人のつながりもより豊かになっていく。

そんな世界を目指し、今年はGraffityを創業してから3年間の集大成として、全身全霊を傾けた事業を展開してゆきます。

2021年も、よろしくお願いいたします!

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