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どうやら私は元気らしい

先日、区役所の調査員がやってきた。高齢者でいうところの要介護判定のようなもので、公的補助を得てヘルパーさんを使うために必要なものだ。3年ごとに更新される。


やってきたのは、かつて介護業界で働いていたという年配の女性。公務員らしからぬ雰囲気、まるでさっきスーパーで買い物をして帰ってきたかのような普通のおばちゃんである。おそらく役所勤めの公務員ではなく、行政から委託を受けた人だと思われる。親しみを込めて”おばちゃん”と呼ぼう。


調査員のおばちゃんはとてもよく笑う人で、出したアイスコーヒーをおいしそうに飲んだ。
そして調査が始まる。
1日のおよその行動、1週間の行動、その中でどのようにヘルパーさんの支援を受けているか、人との関わりはあるか、外に出る機会はあるか、食事や排泄の状況なども尋ねられた。
外出時はどんなところに行くか尋ねられ、買い物、美術館、観劇などと答えるとおばちゃんは「推しさんがいるのね、ふふふ」と笑った。彼女は私が答えたことに「それはいいですね」「それは大切ですね」などと、相槌を打つ。福祉の方々は職業柄、共感性を大切にするが、多くの方のそれの場合、私にはマニュアル通りに見えてしまう。しかし、おばちゃんは心からそのように思っているような雰囲気だった。


質問に対して考え、言葉を選びながら回答していくと、どうやら私はとても元気な人のような気がしてきた。調査員はあくまで項目に従って質問するだけで、困ったことを相談するための人ではない。だからもしそこまで答えようとすると、もちろんネガティブな回答をたくさんしなくてはならないが、現状の表面的な回答だけで見ると、障害がある以外は心身ともに健康で元気な人だ。


調査は30分程度で終了した。おばちゃんは終始にこやかだった。
もうちょっと彼女と話をしてみたかった。

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