夢とは
寝ている時に見る夢はたいてい奇異なものである。
昨晩は、ある香水のイベントでフランス人調香師に「土の香料はどうやって取るんですか」とフランス語で尋ねた夢を見た。しかも香料を表すフランス語がわからず、そばにいたフランス語がわかる日本人に何と言うか尋ね、教わった単語をちゃんと使って先の質問していたのである。
目が覚めて、そのシーンは覚えているものの、「土の香料はどうやって取るんですか」と質問できる自信はない。
そもそも「土の香料」って何だ。
そんなふうに、夢の中身は目が覚めて改めて思い出すと辻褄の合わないことの方が多いのではないだろうか。
古今東西とまで言えるかわからないが、少なくとも私が知っている英語・スペイン語・フランス語、そしてもちろん日本語で「夢」はふた通りの意味を持っている。
ひとつは言わずもがな眠っている時に見るもの、もう一つは憧れや目標などを表すものだ。
何故この2つに同じ単語をあててしまったのかわからないが、それによって私たちは"夜見の方"と"昼間の方"といちいち注釈をつけねばならなくなった。
先人は、夢とは「一瞬で消えてしまう儚いもの」と考えていたのだろうか。
夢を叶えるには相当の努力を要するが故、たいていの夢は儚く消えてしまうものだからなのか。
それにしてもいくつかの言語が、「夢」という言葉に2つの意味を持たせているのは興味深い。
その語源を調べればさらに興味深いことがわかりそうだが、夢が壊れそうなのでやめておこう。
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