プラスマイナス、むしろプラス
人を羨む気持ちというのは、きっと誰でもあると思う。
私は、日々の当たり前の行動でさえ、誰かの物理的な手助けが必要だ。
私の羨ましさは主に外出に関することが多い。思い立ってコンビニに行くこと、急に必要なモノを買いにでかけること、友人・知人に会うこと、(急病でない場合で)病院に行くこと、わずか3分で済むような外出でさえ、1か月前からヘルパーさんのシフトを調整してもらい、場合によって行先の状況なども調べてやっと叶う。
だから当然叶わないことも多く、私は人を羨む気持ちでいっぱいになる。
障害がなかったら良いのに…
長年障害者をやっていても、やはりそう思う。
だが不思議と「非障害者になりたい」と思ったことはない。
出生前診断で胎児に障害があることが分かった場合どうするか、という議論に象徴されるように、この国では障害があることはまだまだマイナスなことの方が多い。
しかし、私は誰もが人生においてマイナスもあればプラスもあって、トータルすれば幸も不幸もないのではないかと信じている。
時々、とても不幸なまま生涯を閉じてしまう人もいれば、超絶happy人生を送る人もいるが、たいていの人は幸も不幸も両方経験する。
そういう状況において、仮に私が障害のない誰かの人生と入れ替わったとしても、それはそれで困難さに喘ぐことはあるに違いない。
私はむしろ、障害者であるが故にもらう、特別なプレゼントの方が多いのではないかと思う。
「障害がなかったら良いのに…」と思うことはあっても、「非障害者になりたい」と思ったことはないのはそういう理由だ。
今現在、私はあるイベントに行ける人をとても羨ましく思っている。もちろんその人たちだって家庭や仕事などの調整をしているはずだが、私の”調整”とは違う。出先での困難さだって、私から見れば雲泥の差ではないかと思う。
けれども、私にはそれを上回る、ここに書いて自慢すると総スカンを食らいそうなくらい良いことがたくさんあったし、これからもあるはずだ。
きっと今のこの羨ましさをグッと堪えてやり過ごせるようになった時、素晴らしく良いことが起きるに違いない。
だから私の人生は、他の人生と比べてプラスマイナスゼロ。比較してはいけないのだろうし、比べることに意味はないのだろうが、それでも言わせてほしい。
私の人生は「プラスマイナス、むしろプラス」だ。
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