リップクリームはどこへ消えた？

ビジネス書『チーズはどこへ消えた?』を読もう読もうと思って長い時間経ってしまった。アメリカでの出版が1998年、日本語版は2000年だそうだから、20年以上は経過してしまった。折に触れて読みたいと思っているのに、なぜか読まずにきてしまっている。来年のやりたいことリストに入れておこうかとも思っている。

さて突然だが、無人島に行くことになったとしたら、あなたは何を持っていきたいだろうか。

私はまず間違いなくリップクリームと答える。
乾燥する季節の頃、リップクリームがドラッグストアの手前に並び始めるが、私は通年リップクリームがなくてはならない。それも１日に何度も塗るヘビーユーザーで、リップクリーム業界から感謝されてもいいくらいだ。
かさつきはもちろんのこと、アレルギーによるかゆみなどを時々起こすため、医薬用リップを常に使用している。しかし、医薬品ばかりでは良くないかと思い、よくあるごく普通のニベアのリップクリームを購入した。


使い始めてから10日〜2週間ぐらい経った頃だろうか。水色のキャップのリップクリームが突然消えた。きっとどこか隙間に落としてしまったのだろうと、片付けついでに探してみたが、一向にその姿が見当たらない。


リップクリームはどこへ消えたのか？

夏が来る前に壁に挿してあった画鋲が何かにぶつかった拍子にポロリと落ちた。その画鋲も探しても見つからなかった。
ところが、今朝、ふと画鋲が刺してあった壁に目をやると、そこにはなくしたはずの画鋲が刺さっていた。まるで意思でも持っているかのように、画鋲は今まで通り壁に刺さっている。

画鋲は一体どこにあったのだろうか。

この部屋のどこかにブラックホールでもあるのか、私の部屋からは時々何かが姿を消す。いつか私自身もそのブラックホールに入ってしまうのかもしれない。
そして見つかった画鋲のように、いつの間にか同じところに鎮座しているかもしれない。

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