サーキュラーエコノミー(循環型経済)ってなんですか?
サーキュラーエコノミーとは循環型経済とも呼ばれていて、
物がぐるぐると循環することで結果的にゴミを出さない経済システムのことを言います。
我が家の例を参考に説明すると、
今朝はオーガニックファームでニンジンやビートルートを収穫して来ました。不可食部分になる茎や皮、葉っぱの部分を家で捨てずに
その場で切り取って同じファーム内で飼育されているヤギやうさぎに餌として与えます。
その結果、私達が収穫した野菜から出た生ゴミはゼロになりました。
地球環境へのインパクトで考えるととても小さな行動ではありますが、
これも立派な循環型経済と言えます。
無農薬野菜であれば皮ごと食べられる果物や野菜も多いので
生ゴミを出さない努力はそれほど難しくありません。
もし一軒家に住んでいれば(住環境による)、コンポストと言って生ゴミを堆肥に変える家庭用システムも有効です。
さらに言うと生産性の高いニワトリやヤギなどの家畜を飼育することも
長い目で見ると、サーキュラーエコノミーに一役買ってくれるありがたい存在です。
自分が毎日食べる物にこだわりを持つことはとても良いことですが、
その前後の行動や思考(何を選んでどう食べて循環させるか)はもっと大切になってきます。
日本のスーパーマーケットは、すでにビニールに小分けされた野菜や果物が売られていますが、レジの段階でも商品が濡れないようにと言う気遣いでわざわざビニール袋に入れてくれます。
レジ袋が有料になっても、そもそもの環境配慮の意味が分かっていないと
売り手も買い手も永遠に資源の無駄に気が付かないままです。
サーキュラーエコノミーとは、どの分野においても物を提供する側が消費者に教育を促す立場を取らないと、廃棄物ゼロの目標は実践の伴わないただのスローガンで終わってしまいます。
スーパーマーケットならば売り方を変えて、海外のように量り売りで提供して小分けバッグは自分で持参するかエコバックをお店で買うなどが有効なのでは?と個人的には思っています。
量り売りに慣れないお客からすると、どうして自分の手を汚して野菜を袋詰めしないとだめなの?と思うかもしれませんが、世界的に見てもこのやり方の方が普通ですし、必要な量を自分でコントロール出来るのでとても経済的です。
売り場を眺めてもあらゆる場所にビニール袋が設置されていて、
またそれをお客の方も自由に取り放題なのが日本のスーパーマーケットです。
いくら買い物袋が有料になっても、減らす努力の意味が根本から分かっていないと1円くらいの出費は痛くもかゆくもありませんもんね。
洋服やコスメについても他の記事で書きましたが、H&MやZARAは大量生産でシーズンごとに使い捨てするようなブランドです。
安くてそれなりに雰囲気が出せる服で、消費者にも手が出しやすいお値段。
けれどもこれらのファストファッションから出る大量の廃棄物は
世界の二酸化炭素の排出量の10%をも占めると言われています。
食べ物も洋服も日用品雑貨も全て、そもそも物を買わずに増やさない努力をすると同時に、捨てる時に「これって土に還る材料で出来てるんだっけ?」と小さな問いを持てることが個人で出来る最も効果的なサーキュラーエコノミーの基本的な姿勢です。
物を持つ、さらに質の良い物を持つ。そうやって人は物質に散々こだわってきましたが、今もなおインスタグラムなどのSNSでshow off (見せびらかせ)をする個人や企業が多く、そこから売り上げを出すビジネスモデルも少なくありません。けれどもそんな時代はもう終わっているのです。
これからは物に翻弄されない、そして“物を増やさない喜びに転換”できる時代がやってきているのだと私は思います。
循環型エコノミーとは何も難しい経済システムではありません。
あなた一人が何を考えてどのように物を消費して生きているか?
そこを少しだけ俯瞰で眺めてみることから始まる、ごく自然な社会貢献の一つなのです。
今回の記事がどなたかの役に立てば嬉しいです。
グレイス