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代替えチョコレート誕生における光と影


✅新進気鋭の代替えチョコレートブランド


イギリスのスタートアップ、
WNWN (ウィンウィン・フードラボ)はチョコレートの材料である
カカオが抱える児童就労問題や、
製造・輸送のプロセスで排出されるCO2の課題に取り組んでいる
新進気鋭のチョコレートブランドです。

WNWNのブランドコンセプトは何と言っても
「カカオ不使用のチョコレート」

でもどうやってカカオを使わずに
あのチョコレートの風味を出す事に成功したのか?


✅チョコレートそっくりな植物の発見

WNWNがカカオの代わりに発見した材料は、
Carob (キャロブ)日本語名ではイナゴマメと言う
チョコレートの味にそっくりな豆科の植物なんです。

主に地中海東部、中東、
アフリカ(一部)などに自生している常緑高木。

カカオの味に似たキャロブ

キャロブは果肉に糖分を含み、
環境耐性が高く塩分を含んだ土壌や乾燥した気候でも、
植樹から5年もすれば5メートルほどに成長し
手入れもほとんど不要な事からパレスチナやシリアなどでは
大気浄化植物として、
環境汚染が危惧される地域などに積極的に植えられる木だそうです。

Carob tree (イナゴマメの木)

✅光と影を改めて見つめ直すと


イギリスのスタートアップWNWNを含め、
代替え品を作ると言う事は
ある材料の代わりに何か別の物と差し替えているわけです。
カカオの代わりにキャロブ、肉の代わりに大豆、
牛乳の代わりに植物由来など色々あります。

けれどもカカオの代用に使われるキャロブは、
実はシリアでは絶滅危惧種として扱われその復活を願って
樹木園で保護されていますし、
パレスチナでは環境緑化として採石場の近くにあるオリーブ畑を粉塵から
守る為に植えられます。

ビジネスエコやビジネスサスティナブル。
これらのブランドが掲げる環境配慮は
全体を通して見ると、結果的にどこかの誰かの資源を奪う
ただのお金儲けに過ぎないのだと。
光と影の両面をよく見てみると、
何が本当のエコロジー精神なのか?が理解出来るようになります。

どうかこの代替えチョコレートの為に
シリアやパレスチナのキャロブの木が横取りされませんように…

✅チョコレートはそもそも食べなくていい


最後にチョコレートを週に一度食べると
一体どれくらいの環境インパクトがあるのか
少し見てみましょう。

週に一度チョコレートを食べると
年間約80グラムのCO2を排出する事になります。
これはガソリン車で330Km走行する量と同等です。
(資料元:The book will cool climate)

国産カカオを使用している場合は
この数値も変わってきますが、
日本で売られている多くのチョコレートは
そのほとんどを輸入に頼っているので
製造に加えて輸送の段階で排出されるCO2も
無視する事はできません。

なお日本は年間3~5万tのカカオ豆を
発酵カカオ豆の形態で輸入しています。

スーパーで何気なくいつも買っている商品を
よく見直すと、
海外からの輸入品がたくさん含まれていると思います。
チョコレート1つのインパクトは小さなものかもしれませんが、
その購入頻度が増えるたびCO2排出量もじわじわと
上がり続けているイメージを忘れないようにしたいものです。

特にカルディーやビオ系の輸入品ショップは
オーガニック商品やパッケージがお洒落でヘルシーに
見えたりするのでつい欲しくなりますよね。
ですが原材料調達から輸送におけるCO2の排出量を考えると
環境面においては不健康で全くお洒落な要素は含みません。
もちろんその商品に関わる人々の人権問題も込みの問題です。

代替え商品は根本的な問題点を解決しないまま、
他のアイデアをあたかも
新しいソリューションのようにうたう傾向があります。
よって人々に注目されやすいメリットはありますが
「それが本当に存在として良質な物のか?」は分かりません。

環境問題改善の糸口はグローバルなビジネスマターではなくて、
あくまでもローカル。
1人の思考の変化を皮切りに、次第にその輪が広がり
既存の社会システムを介さなくても小さな集団の中で
お互いが助け合って生きていける、
そんな最も原始的な所に本来のサスティナブルな生き方が
あるのだと私は思っています。

グレイス








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