見出し画像

〜heldioガイド〜【S】素朴な疑問&千本ノック

heldioとは?
・慶應義塾大学文学部の堀田隆一先生が「英語史をお茶の間に」をモットーにVoicyで毎朝6時に配信されているラジオ

・このガイドは、heldioを楽しむための道案内となることを願い、お茶の間の住人が作成しているものです。
・アルファベットのAから順にheldioにまつわるキーパーソンやキーワードを紹介します。
\今日からあなたもheldioリスナーに/


今回は原点に立ち戻るようなお話を…

英語に関する「なぜ?」を見つけたら

この記事の読者、そしてheldioリスナーの多くは英語を外国語として学校で学んだ方々であると推察するが、語学学習の付き物と言えば、第一に「なぜ?」という疑問(心の叫び)が挙げられるだろう。授業では単語や文法、そしていろいろなルールとやらを習うわけだが、それらの説明は、自身が見聞きする英語の全てを解決してくれるわけではない。例えばこれまでの英語との付き合いの中で、以下のような疑問が一度は頭の中をよぎったことがあるのではないか。

・なぜ1人称代名詞のIは文頭以外でも常に大文字で書くの?
・名詞の複数形は全てsを付ける!で統一してくれればいいのに、どうしてmenやchildrenなどsを付けないパターンがあるの?
・疑問文を作る際、be動詞の場合は動詞−主語という順番にするけれど、一般動詞だとDoを使うのはなぜ?

その先が肝心なのだが、このような疑問に直面した際、皆さんはどう対処する(してきた)だろうか。「そういうものだからとりあえず覚えておきなさい」と周囲に言われたり、「こんなことをいちいち考えていたら学習が進まないな…」と思い至り、お蔵入りとなったケースが多いかもしれない。
しかし堀田先生は、このような学習者が学びの過程で抱く疑問を「素朴な疑問」と呼び、なんと収集されているのだ。
大学の授業の履修者からこれまでに寄せられた素朴な疑問の一覧が以下のhellog記事にまとめられているので、何はともあれご覧いただきたい。
「だよね、それ私も知りたい!」、「へぇーそんな疑問は全く思い付かなかったな…」などさまざまな反応や発見があるに違いない。
#4732. 英語に関する素朴な疑問を3166件集めました

では果たしてなぜ、これらの疑問は重視されるのだろうか。それはさまざまな理由から片付けられてしまう可能性がある素朴な疑問は、実は英語史研究のテーマと成り得るものであり、英語史の観点から何らかの道筋を示すことができるからだ。研究と言うと何だか難しく、遠い世界のことのように感じる人もいるかもしれないが、疑問を持ち問いを立てることが全ての始まりなのだ。
あなたの素朴な疑問は、学習の妨げになるからと捨てるべきものではないこと、また「英語史」が解決のための拠り所となることをまずは知って欲しい。

千本ノック

「先生、疑問を挙げたからには答えが欲しいのですが…」という声が聞こえてきそうだ。安心してください、もちろん放ったらかしにはしません!
堀田先生は野球の練習さながら、テンポよく素朴な疑問への回答を繰り返す「千本ノック」という取組みをされているのだ。もともとは大学の授業で隙間時間が生じた際に実践されていたそうだが、heldioでは千本ノック回として独立して放送されており、好評を得ている。以下は全放送回の一部に過ぎないが、さまざまなバリエーションがあるのが面白い。

heldio初の千本ノック
#341. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック#342. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 続き

リスナーからの質問を取り上げ!
#446. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック(リスナーさんからの質問編) --- Part 12

複数名の英語史研究者が回答
# 479. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック(矢冨弘&堀田隆一) --- Part 14
#515. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック(矢冨弘&堀田隆一) 第2弾
#1054. 年度初めの「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」生放送 with 小河舜さん

千本ノックの魅力は素朴な疑問が解消され、知的好奇心が満たされることに留まらない。回答そのものと同じくらい注目する価値があるのは、先生(方)の「答え方」である。
意外に思われるかもしれないが、千本ノックでは「これが答えです!」とスパッと1つの説明が与えられることは少ない。むしろ「◯◯の観点からはこのようなことが言える」、「また別の☓☓の観点からはこのように考えられる」と複数の角度から検討しそれらを総合することにより、ある見解にたどり着くというパターンが多い。
つまり多くの場合、絶対的な唯一の正しい答えが存在するわけではないことにまずは気付かされるだろう。そしてモノの見方や考え方、さらには議論の仕方についても学ぶ機会となるのだ。多角的に物事を考えられる人は強いと言われるが、千本ノックを単なる一問一答ととらえるのではなく、「考える力」を吸収したいものだ。応用範囲は言語に関する問題の外にも広がっているだろう。

多面的アプローチの実践例
#604. なぜ慣用句では冠詞が省略されるの? --- for example や from hand to mouth など
#621. なぜ new something ではなく something new なの?

関連情報:堀田先生が英語史をおすすめする理由
#112. 英語史って何のため?
#580. 2023年は「英語史をお茶の間に」に向けて本格的に動き出します
#852. 5000フォロワー突破記念 --- 実はこの回路が知られていない!英語の素朴な疑問といえば英語史なんです!

教えてkhelf会長!

最後に、千本ノックのライバルになることが予期されるheldio新シリーズをご紹介したい。2024年7月に立ち上がったばかりの「教えてkhelf会長!」である。なんと会長直々の持ち込み企画とのことで意気込みが感じられるが、リスナーが英語をはじめ言葉に関する質問を寄せるとkhelf会長や他のkhelfメンバー(共に博士課程の学生)がお答えしてくれるというものだ。
聞きどころはズバリ、回答者が問題をどうほぐし、どのような観点から糸口を見つけ、解決を図るかという点だろう。質問する側としては「答え」に注目しがちであるが、やはりそこにたどり着くまでの思考のプロセスを味わいたいものだ。

所信表明とシリーズ第1回はこちら
#1130. 教えて khelf 会長! --- 新シリーズののろし
#1137. 教えて khelf 会長! --- Yes, this is! 問題を語る

あなたのとっておきの素朴な疑問が見つかったら、ぜひheldioコメント欄に投稿してみよう!
どの回にどんな質問やコメントを寄せても、堀田先生は全て読んでくださるのでご安心を。
回答者としてkhelf会長をご指定の場合は、その旨記載することをお忘れなく!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?