顧客の満足・不満足を把握する
「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。
カテゴリ1.顧客・社会との関係維持について見ています。
顧客の満足・不満足を把握します。
1.(8)顧客満足度把握
顧客は、会社の提供する製品・サービスに満足しているとみられますか。
顧客があなたの組織の製品・サービスやブランドに満足しているのか不満を持っているのか、満足しているとすればどのぐらいか、高いエンゲージメントを持ってくれているかをどのように把握しているかを尋ねます。
あなたの組織に対する顧客の満足度は、果たして競合や他組織と比べてどのぐらい優れているか(あるいは劣っているか)をどのように把握しているかを尋ねます。
顧客の満足、不満足、エンゲージメントの把握方法は、顧客グループや市場区分によって、違える必要があるかもしれません。
また、把握できたとして、それがすぐにアクションにつながるような情報でなければ意味がありません。
顧客満足度調査の評点を確認して、満足度が高いか低いということを把握するだけではなく、それに隠れている顧客の不満を把握することが重要です。
例えば、満足度を5段階で答えてもらう満足度調査で、最高位の5(満足)、次点の4(やや満足)の数値を足して、xx%のお客様がこの製品・サービスに満足していると評価することがたまに見うけられますが、そうした評価は多くの場合間違いです。
次点の4(やや満足)をつけたお客様には、最高位の5(満足)をつけられない何らかの理由、小さな不満があるからです。多少の不満はあってもプラスに評価してくださるお客様は、大切にしたいお客様です。そうしたお客様の満たせない何かに気づき、それを改善していくことが求められます。
顧客の表に出ない不満も含め、顧客の不満を把握し、根本的な原因を特定し、体系的な改善策によって将来の不満を回避できるようにすることです。
他の組織との満足度の比較も大切です。これには、
・競合組織の満足度との比較
・類似の製品を提供する他の組織の顧客満足度との比較
・業界ベンチマークとの比較
などがあります。
業界の情報は入手しやすい部類と思われますが、個別の組織の顧客満足に関する情報の取得は難しい場合が多くあります。
しかし、こうした比較情報を取得することで、そこから、顧客があなたの組織よりも競争相手を選ぶ理由を明らかにし、対応をとることができます。
顧客満足と不満の把握には、
・各種調査
・公式および非公式のフィードバック
・顧客の取引履歴
・苦情
・現場からの報告
・受注/失注分析
・顧客による紹介率
・取引完了率
などが用いられます。
競合組織に対する顧客の満足度の把握には、
・受注/失注分析
・組織自身が行う比較研究
・独立機関の調査結果
などの情報があります。
顧客の嗜好に結びつく要因は、市場を動かし、組織の長期的な競争力と成功に影響を与える可能性のある要因を理解する上で非常に重要です。
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ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、3.2顧客エンゲージメントで同じことを尋ねています。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご確認ください。
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