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代理販売だけじゃない!持続的成長を支えるアライアンス戦略の立て方
多くの企業は「代理店・紹介パートナー」を作ることばかり考えている
「代理店パートナーを増やせば売上が伸びる」—— 本当にそうでしょうか?
私がパートナー事業を立ち上げた時に、まずは紹介パートナーを増やしていきました。たしかに一時的にリード数や契約数を増やすことができました。
しかし、取り組みの中で課題して挙がったことは以下のようなお客様からの言葉でした。
・自社サービスとどう連携して利用すればいいのか
・自分たちでサービスの設定・登録ができない
・サービスの運用を代行してほしい
・他のサービスも組み合わせて全体設計してほしい
たとえ代理店パートナーによって、商談が増えても同時に上記の課題などから持続的には契約数が上がらない状況ではありました。
私が経験したように、多くの企業がはじめに「代理店・紹介パートナー」を重視するのは、売上に直結しやすいと考えるからです。
しかし、長期的な成長には、「販売するだけ」ではなく、プロダクトの価値を支える多様なパートナーが必要になります。
販売だけじゃない!アライアンスの多様な形
アライアンスによる協業は、「販売代理店」や「紹介パートナー」だけではありません。むしろ、以下のような多様なパートナーが支え合うことで、事業全体が強くなります。
実際には下記のようなパートナーがユーザーの状況に応じて、必要になるケースが多いです。
✅ 導入支援パートナー(例: BPO企業)
活用事例: クラウド会計ソフトが外部の会計事務所と提携し、顧客に税務サポートを提供。
効果: 顧客満足度向上、解約率低下
✅ 技術支援パートナー(例: ITシステム開発企業)
活用事例: データ分析SaaSがクラウドベンダーと個別に連携し、企業向けへの提案バリエーションを強化。
効果: 大企業向け導入のハードルが下がる
✅ サービス連携(API連携)パートナー
活用事例: 電子契約サービスとCRMがAPI連携し、契約から管理までを一気通貫で対応。
効果: 顧客の使い勝手向上、サービスの差別化
パートナーの相互作用が売上を生む
単体のアライアンスだけでなく、複数のパートナーが連携することで売上につながる仕組みを作ることが重要です。
例えば、僕がSmartHRでパートナー事業を立ち上げていく過程で、ユーザーニーズを把握しながら、絵を描き、以下のようなパートナー戦略を考えていきました。
あくまで一例ですので、自社に合ったパートナー網を考えることが大切です。
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技術支援パートナーと連携し、基幹システムと連携して大企業向けに展開
SIパートナーを活用し、他社と連携したシステム導入を提供
API連携パートナーを増やし、連携サービスと合わせた運用提案を実現
コンサルパートナーと手を組んで、業務全体の設計からサポート
どの企業にも強み・弱みがあります。例えば代理店は営業力は強いが、サービスのサポートはできないという傾向があります。
そんな時に導入支援パートナーがいれば、サポート部分を補完して協力して提案がすることができます。(逆に導入支援パートナーは営業力が弱いので相互補完ができる)
他にも自社で提案していく中で、ユーザーが利用しているシステムとの連携が必要な場合、技術支援パートナーに入ってもらい連携開発を担ってもらうことで自社ではできない要素を埋め、提案が可能になります。
このように、「代理店・紹介パートナー」単体ではなく、技術・導入・連携・サポートのパートナーが連携してこそ、長期的な成長が可能になります。
「自社が提携するべきパートナー」を整理する
ではどのようにパートナーを選定すればいいのでしょうか?
以下のように現在の自社の課題とユーザーの声を整理し、自社に最適なパートナーを考えてみましょう。
新規顧客の獲得に苦戦している(→ 代理店・紹介パートナー)
導入後の代行・サポートができない(→ 導入支援パートナー)
他社サービスとの連携が求められている(→ 技術支援パートナー)
他社サービスと連携して複合的な提案が必要(→ API連携パートナー)
エンタープライズ企業の顧客を増やしたい(→ SI・コンサルパートナー)
上記のようなイメージで、自社に必要なパートナーの種類を整理してみてください。
その後、それぞれの方面に特化したパートナー企業を調査して、コンタクトを取っていきます。
この時に大事なことは、企業規模は関係ないということです。あくまで自社のプロダクトに対して共感し、協力体制を対等に築けるところと手を組んでください。
必ず自社に合ったパートナーが見つかります。
まとめ:パートナー戦略をどう考えるべきか
パートナー戦略を考える際、代理店・紹介パートナーだけに注目するのは危険です。
むしろ、「販売・技術・導入・連携・サポート」など、多様なアライアンスが相互に作用することで、事業の持続的な成長が可能になります。
まず最初にやるべきことは、「自社にとって理想的なパートナー」を整理することです。
自社の課題・ユーザーの声を整理し、絵を描き、必要なパートナーと協業していきましょう。
私は中小企業・スタートアップ企業のアライアンス事業の立ち上げを支援しています。
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