
南イタリア プーリアを巡る旅~南イタリア vs 日本 生魚一本勝負!! ガッリーポリ編〜
[1]ガッリーポリ観光①
マテーラを後にし、車で1時30分程度。
たどり着いた町、ガッリーポリ。イタリア半島の土踏まず、かかと寄りに位置している。
ギリシャ語の『カレ・ポリス=美しい町』が語源となっているこの町は、本当に美しいのだ…
新市街から海に向かって、膨らませたフーセンガムのように旧市街ができている構造も、良い。町の端を歩いていれば、自動的に海沿いを散歩した上、町を一周できるからだ。
新市街と旧市街を繋ぐ橋を渡り終えると、直ぐに要塞が出迎えてくれる。要塞だが、丸みを帯びた造形、そして、澄み切った青い空、エメラルド グリーンの海に囲まれているため、厳(いかめ)しさは無い。
潮風と強い日差しによって、カラっと仕上げられたような小さな教会が、海に向かってポツリポツリ散在している。
ベージュがかっているとは言え、白味の強い石造りの教会からの照り返しはキツい。
小さいながらも、海や、網の手入れをする漁師達と向かい合い、すっくと屹立するその姿からは、遥か昔から、大海原も人間も見守り続けてきたんだ、という矜恃のようなものが感じられ、いやに眩しく見えたのだった…
[2]ガッリーポリ 昼食
昼食は、橋の新市街側のたもとの『Ristorante Marechiaro 』で。ここは、海に面してというより、もはや海上に建てられているので、景色もとりわけ素晴らしい。
ガッリーポリは、
港街なので、当然、魚介類のクオリティが高い。
という想像を、はるかに上回ってきやがる、恐ろしい街なのだ‼️
……えっ⁉️
『南イタリア vs 日本 生魚二本勝負 じゃねえか』
ですって⁉️
出典 横山光輝/三国志/潮出版社
・・・・・・・・・さて。
一皿目、貝類盛り合わせ (Frutti di Mare)。
鮮魚の盛り合わせのつもりで頼んだので、奇襲をかけられた気分になったが、速やかに態勢を立て直し、撃退(完食)する❗️
二皿目、シーフードオレキエッテ (Orecchette Frutti di Mare)。
三皿目、シーフードスパゲティ (Spaghetti Frutti di Mare)。
こちらのシーフードスパは、疑惑の一品だ。
『世界一のシーフードスパなんじゃねえか』疑惑である‼️
魚介の旨み、トマトの甘みに加え、ガツンと効いたセロリの旨みと香り。日本では、セロリの香りは忌避されるきらいがあるため、ここまで効かせることはまずない。
日本のイタリアンも、素晴らしく旨く、大好きだ。中には本場を超えているように感じられる品々もある。
しかし、このシーフードパスタの風味だけは、日本ではまだついぞ味わったことがない。
日本人のシェフは非常に繊細なため、香味野菜、油分などを調整して、最大公約数的な味を作り上げているのだろう。
それは大変な労力、技術を要することだ。
しかし、角を矯めて牛を殺す、とまでは言わないが、あまりに万人向けのバランスを求め過ぎると、時に、その料理の溌剌さ、勢いを削ぐことにもならないだろうか。
イタリアのシェフももちろん繊細に調理しているはずだが、強気に攻め抜いた末の絶妙なバランスの上に、この世界最高峰の一品が成り立っているのではないか⁉️
そんな気分に浸ってしまうくらいの一皿だった。
[3]ガッリーポリ観光②
この街には他に誇れる素晴らしいものが二つある。
魚介類 と 夕日 である。
昼食に魚介類を堪能したので、二皿目のメインディッシュ、夕日を味わおう❗️
取り敢えず、のんびりと旧市街の外周を歩く。
みっしり船の並ぶ港、エメラルドグリーンの海ときらきらとした水面(みなも)、そんな海の中、友達と協力してバック宙する子供達やその水しぶき、甲羅干しするおばちゃん、楽しげに、しかし時折、眩しさのためなのか、恥じらいなのか、ややはにかみながら語らう恋人達…
その全てに、南イタリアの強い日差しが照りつけ、輝いていた。
やがて、日も落ちてきた。
日差しで火照った身体を潮風にさらしながら、ぼんやりと、イオニア海へ沈み行く夕日を眺める。オレンジ、山吹、群青、紫などが混じり、複雑に変化していく夕陽を、飽くことなく楽しんだ。
残照と、徐々に点きだした街灯によって、ぼんやりと浮かび上がって見えるような街並みの中を歩くのはまた、夢のようなひと時だった…
[4]ガッリーポリ 夕食
この街には、とてつもないレベルのレストランがある。
『Trattoria La Puritate』
である‼️
ホテルのレセプションにオススメのお店を聞いたところ、こちらが街一番のレストランだ、と紹介されたのがきっかけだった。
入口はやや地味だが、食わせそうな店構えじゃないの‼️
凄まじい戦闘能力を感じさせられ、胸が高鳴る‼️
出典 鳥山明/ドラゴンボール/集英社
前菜盛り合わせ。
エビ、白身魚、イカ、ムール貝の香草パン粉焼きなど。魚はスライスしたオレンジの上に乗せられ、ほのかにその風味が香るのも心憎い❗️ 特にエビの甘さ、旨味は特筆もので、いきなり一発ブチかまされた気分になる‼️
出典 武論尊・原哲夫/北斗の拳/集英社
イカのガッリーポリ風。
イカの香草パン粉焼き。ほのかなニンニクの風味もあるパン粉はごく薄く、胃もたれせずに食べ進められるが、旨味は充分‼️ イカ⇄白ワイン反復現象が起こり、止まらなくなること必至だ‼️
出典 ニュートン/株式会社ニュートンプレス
……見つけてしまったよ、永久機関‼️
デザートはSpumoneという、この辺りで見かけるアイスクリーム。外側はヘーゼルナッツ風味で、中心部にはチョコレートアイス、という構造になっている。
これがまた、めちゃくちゃ硬いので、スプーンで割ろうとすると、勢い余って皿まで瓦割りしそうになるような代物なのだ‼️
しかし、ナッツの風味が濃厚でとても美味なので、皿を『カチーン』と言わせながら食べるのもオツに思えてくる。
甘党ではない私でも旨いと思うような物なので、是非とも挑戦していただきたい。
むさぼるように食べ進めていたが、我々は紳士・淑女のため、隣のご夫婦とも上品な会話に興じるのであった。
聞けば、我々が次に訪れる街、レッチェからいらしているとのこと。地元民オススメのジェラテリアなどの重要事項に関して口を割らせたのち、にこやかに写真に収まる(最低)。
以上のように、大満足という言葉しか無い一軒である。海に面した店の雰囲気、痒いところに手が届き、フレンドリーな接客、非常に優れたコストパフォーマンス…
このレストランに来るために、ガッリーポリを訪れてもいいくらいだ‼️ この街を訪れることがあれば、絶対に外さないで欲しい一軒‼️
ただし、超人気店のため、予約必須。ハイシーズンは2回転制となり、予約が19:30〜と21:30〜のようになることもあるので、ご注意を。
[5]ガッリーポリ観光③
今回の宿は新市街と旧市街を繋ぐ橋の近くにある『Palazzo del Corso』。
海、旧市街の要塞を望む、申し分無い立地。しかも、朝ごはんの充実ぶりも素晴らしい‼️
こちらのクロワッサン型のパンが、鮮烈に印象に残るくらい旨いので、是非とも味わっていただきたい。
通常のクロワッサンはバターの香りがキツ過ぎて、個人的にはちと苦手なのだが、こちらのものは恐らくオリーブオイルで仕上げられているため、非常に軽やかで、小麦の豊かな風味、甘みも感じられ、素晴らしい❗️
また、屋上のテラスで準備されているため、爽やかな朝の光に包まれた港の風景をも、楽しめる。
朝食を堪能したのち、旧市街側の橋のたもとにある、小さな魚市場へ行く。既にほとんどは店仕舞いしていたが、数軒はまだ開けていた。
このような海のおやじ達と『日本人かあ。オレ、川崎行ったことあるぞ、川崎‼️』という、やや謎めいた触れ合いもできるため、少し早起きして訪れてみることを、やんわりとオススメする。
[6]ガッリーポリ 身も蓋もないまとめ
ホテル:
Palazzo del Corso:立地も良く、館内、室内も清潔で、設備も申し分ない。素晴らしい景色を望みながらの朝食も最高だ!
レストラン:この街のハイライトの一つは、食事だ!
Trattoria La Puritate:イタリア各地を旅してきた中でも、最高と言えるレストラン。前菜の盛り合わせから始まる、めくるめく美食の世界を堪能すべし!! しかも、超良心的な価格!! それでいて、雰囲気は良いが、かしこまる必要のない店。予約必須!!
Ristorante Marechiaro:世界最高峰のシ-フードパスタを堪能せよ!!
見どころ:
イオニア海に沈み行く夕日を眺めながら、海辺を散歩する。
#旅 #旅行 #イタリア #南イタリア #プーリア #世界遺産 #トラーニ #カステル・デル・モンテ #デルモンテ城 #モンテ城 #マテーラ #アルベロベッロ #ガッリーポリ #レッチェ #パスタ #グルメ #イタリアン #ツイッター #Twitter #インスタグラム #インスタ #Instagram #短編 #ショートショート #ショートコント #コント #ノンフィクション #コラム #note #生き方 #雑記 #ひとりごと #ブログ #オリジナル