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南イタリア プーリアを巡る旅 〜昼と夜は別の顔… 死ぬまでに一度は行きたい町、マテーラ 前編〜
[1] マテーラ 前編 観光編
マテーラという町をご存知だろうか?
『知らんわヴォケェ!!』
という方も多いだろう。
むろん、 ワタクシも存じておりませんでした。。
映画『パッション』の舞台となった、あの町である。と言っても、『パッション』自体がマイナーだから、意味が無いかも・・・
無駄無駄無駄無駄ァ!!
というDIO様ばりの言葉が口をつきそうになる(無論、私の説明能力の低さに関してです)。
乱暴に一言にまとめると、崖の斜面を、往年のディグダグのように掘り進めて住居を作っている、いわゆる岩窟住居によって形成された町なのだ。
カステル・デル・モンテから車で約1時間、標高500m程度のこの町へ到着すると、陽射しはまだ厳しく、存外に暑い。まだ高い日に照らされ、ところどころ禿げて露出している地面と、岩が混在している斜面を見ると、荒涼とした印象を受ける。
ワイルドだぜ~!
・・・すみません、オスカー・ワイルドの方でした。
14時半くらいの到着だったため、初日はゆっくりと宿から町の中心部、ヴィットリオ・ヴェネト広場まで歩く程度の観光になった。斜面に造られたため、非常に立体的な構造の町になっており、少し歩いただけでもどんどん風景が変化していき、とても面白い!
ただし、それは地図がめちゃくちゃ使いにくい、ということでもある・・・小さな町なので直ぐに慣れるが、時間は余裕をみて行動することをお勧めする。
中途半端な時間に町に到着し、昼食を摂り逃していたので、広場に面したパン屋で、名物らしき、オレンジピールとチョコチップを練り込んである、パンともクッキーとも言えない物をパクついたが、これもなかなかオツだった。
水分を全部持っていかれて、口の中パッスパスになったけど!
写真も撮り忘れたけど!!
町中をブラブラしている内に、日も暮れてくる。大聖堂へとつながる坂を登っていくと、急に景色が開ける場所がある。
立体的で複雑に入り組んだ街並みが、暖かいオレンジ色の街灯に照らされる。平面的ではないため、自然と陰影が色濃くついた夜景となり、素晴らしい!! 昼間のやや荒涼とした丘陵地帯、という雰囲気から、ロマンチックな街並みへ、ガラッと変貌を遂げる。
この変貌ぶり、台所事情 と 台所情事 くらいの違いなのだ!!
・・・不要なくだりを挟んだが、この、昼から夜へのドラマチックな変貌に、私は年甲斐もなく、ドキドキしてしまうのだった・・・
この町の風景は、昼にせよ夜にせよ、独特で他では得難い物であり、是非とも皆さんにも訪れていただきたい。
本当に、本当に素晴らしいから。
ここでしか得られない経験があるから。
私は死ぬまでに一度は訪れるべき町だ、とすら感じたので、親を連れて来たこともある。
皆さんにも、自分の大切な人、愛する人とこの町を訪れていただきたい…
[2] マテーラ 前編 夕食編
初日の夕食は、大聖堂至近の『Ristorante Le Bubbole』で。
実はここは、以前は『Don Matteo』という素晴らしいレストランだった。今回、そこを予約しようと、お店にコンタクトしたが、返事がもらえなかったため、
まあ「南イタリアあるある」か…
と、諦めていたのだ。 宿への帰り道でもあったので、店の前を通ると、店名が変わっているではないか‼️
居抜きで別の名前のレストランになっており、店の雰囲気は保たれていそうだったので、
出典 はじめの一歩/森川ジョージ/講談社
いけるダニ!! とずかずかと入り込んで、休憩中?のスタッフに予約を頼み、夜に再訪。
突き出しですな。
もちろんウロ覚えだが、クリームチーズのハム添え、トウガラシのフリットなど。トウガラシはこの辺りの名産。油にくぐらせてあるため、辛味は抜けており、サクサクとした食感で旨い。
これ系より全然マイルドで、辛い物が苦手な人でもイケると思う。
一皿目はエビのタルタル、黒米とパッションフルーツ添え(Red Prawns Tartare, Pila Vecia Black Rice and Passion Fruit)。山あいの町にも関わらず、残念ながら?旨い… エビは甘みが強く、臭みも無い。付け合わせの黒米(エビの下に敷いてある)も、何らかの出汁を吸っているのか、やたら旨い(最低の食レポ)。
二皿目はポーチドエッグ入りニース風サラダ クルトン添え(Poached Egg, Nicoise Salad and Matera Bread Crumble)。
野菜のムース?とベイクドポテトを、卵が優しく包み込む一品。
妙に口数が少ないのは、味わいについてほぼ忘れたからなんかじゃないからねっ!!
三皿目、イチジク、ブッラータチーズ、地元のサラミ(Fiorini Figs, Burrata and Local Capocollo Salumi)。このサラミが、筆舌に尽くしがたい旨さ!! 生ハムともサラミとも言えないしっとりとした食感で、噛めば噛むほど旨味が溢れ出る!!
白状しよう、「たかがサラミでしょ? そんなもん、日本でも食えるじゃんか」と、ナメてましたよ、ええ。しかし、サラミの概念をぶち壊すような、生涯一位のサラミに出会いました!!
四皿目、ブッラータチーズを包んだ巨大なラビオリ、カンタブリア海のアンチョビ、微塵切りトマト、クリーミーなナスとソバのペースト添え(Raviolo Pasta Filled with Burrata and Cantabrian Anchovies, Tomato concasse, Creamy Eggplant and Buck Wheat Crumble)。
アンチョビの風味がやや勝ち過ぎるきらいはあったものの、ナスとソバ!のペーストによりまろやかさが加わる、面白い一品だった。
このレストランでは、隣のスイス人のご夫婦とちょくちょく話す機会に恵まれた。特に奥さんが気さくで、我々のやることに、ニコニコしながら、ちょくちょくツッコミとも合いの手とも言えないものを入れてきてくれた。我々が巨大なラビオリと格闘する様子などは、とりわけ興味津々に眺めておられた。
皆さん、どうぞ、ご心配無く!!
日本人の沽券に関わるので、隠し持っていた箸で食べてやったぜ!!
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