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話題になっていた三体を読んだ感想

「三体」, 英語名でThe three-body problem, をついに読み切った。

中国在住の友人から「大学で物理を専攻しているなら、きっと面白がって読めると思うよ」と勧めてもらった本だった。
駅前の本屋に単行本が高く積まれているのを見て、あ、読もうって思い出し、図書館で予約をしたときにはすでに100人待ちだった。
「すごく人気じゃん...」
ついに貸し出しの順番が回ってきたのが半年後だった。

読んだ感想はと言うと...

「読んでいくことで点と点がつながる、壮大なSFだった」

これまでにこんなに物理学を強く押し出したSFがあっただろうか?
私自身、物理学は主に大学の学部時代にしかかじってこなかったが、単なる物理だけではなく、天体物理、惑星にも特化していたことが興味を引きつけた。
読みながら、文章に出てくる世界を想像して心がワクワクするのを感じた。

そして、主人公の頭のキレ具合に感服した。
私には点と点で別々にあった場面が、主人公の行動と、徐々に明かされる登場人物たちの過去により、線となり一つの物語が出来上がる。
とても緻密な話作りがなされていて、読み進めると謎が解明されていく実感があった。

よく友人とSF映画を見ながら「これは物理的にあり得るのだろうか?」と議論し合うのだけれど、とっても白熱しそうな内容である。
SF超大作映画としてハリウッドのCGで実写化をしてもらえないだろうか...

もう一つびっくりしたのは、(特にこれが衝撃度が高かったのだが)
こんな政治的・軍事的っぽい内容を孕んだ小説が中国で出版できるんだ、ということ。
無知で恥ずかしいのだが、文革の実態を初めてこの本で知った。
まさか社会運動がSFに発展するなんてね。解説にも書いてあったけど、中国人の作品ならではだと思いました。

気になる続き(第二部・第三部)はこれから発売とのこと。
第二部はAmazonに発売の予告がされていました。上、と書いてあると言うことは上下巻なんですかね...?

第一部「三体」でも十分な文量(約440ページ)だったので、これは図書館で借りて読むのはさらに貸し出し期限の面でハードそうだなぁ、と思ってしまうところもあるけれど、虜になった私はきっと読んでしまうであろう。

楽しみに待っている。

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