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国語の成績を上げるためには…

かなり長いですが、国語の取り組み方についてザックリとお話します。

漢字

漢字は表意文字です。
ですので、見ただけで意味が分かります。

日本語は同音異義語・同訓異字が多いので、音だけでは判断しにくい場合があります。

例えば
「ごっちん先生は『むきゅう』で働いている」
という文があります。

この場合の『むきゅう』は
①無休
②無給
③無窮
の3パターン考えられます。

さて、どれが正しいのでしょうか?
(正解は全部なんですよね・・・悲)

また全て平仮名で書くと
「ごとうせんせいはむきゅうではたらいている」
となり、読みにくくなります。

つまり、漢字がないと困ってしまうのです。

だから漢字を学習しなければいけないのです。

ところが、漢字の学習法って教わっていないですよね。

とりあえず頭に浮かぶのが漢字練習ですね。

これ、かなりの落とし穴にはまってしまいます。

男の子をお持ちの保護者なら分かると思いますが、「漢字を10回書いてこい!」という指示を出すと、一字一字書かずに、部首ごとに書いているケースがあります。

例えば「指」という漢字でしたら、手偏だけ10回書いて、その次に旨を10回書くというとんでもないことをやらかす場合があります。

また、10回書くことが目的となってしまい、結局覚えていないなんてこともありますよね。
(目的と手段がとっ散らかってしまう典型ですね)

漢字に限らず、英単語や用語の暗記にも通用しますが、暗記の基本はテストです。

5回くらい練習をしたら、すぐにテストをします。

間違えた漢字をまた5回くらい練習をしたら、すぐに再テストをします。

全問正解するまで、これを何度も繰り返してください。

初めはかなり時間がかかると思いますが、慣れてしまえば2周で完了します。

これで漢字を書けるようになります!


次に意味・用法です。

先程も書きましたが、漢字は表意文字です。

字自体に意味があります。
(例えば「民」という漢字の成り立ちはかなり残酷です)

漢字自体にどんな意味があって、どんな用法があるのかを身につけなければ意味がありません。

そのためにも、その漢字を使った熟語で例文を作ってみてください。

ただ、熟語を調べるだけではだめです。

きちんと書けて使えるようにしないといけません。

そのためにも目標を持って学習することが必要です。

そこで「漢検」を上手く利用してください。

文法

これ、困ったことに学校では詳しくやらないんですよね。
(特に都立高では出題されにくいので都内の中学校は)

何が困るかというと、国語なのに英語で一番困ってしまうのです。

英文法を教える際に、動詞などの品詞の話をすると、大抵の子はポカンとしています。

また、口語文法がわからないと古典も手がつけられません。
(特に品詞の識別問題で)


①文節のはたらき
まずは文節のはたらきである、主語・述語、修飾語を押さえてください。

日本語は基本的に述語が文末に来ますので、述語を見つけてからそれに対応する主語を見つけてください。

この一言と、ちょっとした練習でできるようになります。


述語が見つかったら、文型の話になります。

日本語の文型は述語で決まります。
●「何が何だ」:述語が体言+断定の助動詞「だ」
●「何がどうする」:述語が動詞
●「何がどんなだ」:述語が形容詞・形容動詞

また、主語・述語の関係で文の種類が3つに分かれます。
●単文:主語・述語の組み合わせが1つ
●重文:主語・述語の組み合わせが2つ以上(句点で2つ以上の文に分けられます)
●複文:修飾部で主語・述語の関係がある(例:私は、母が作ったカレーを食べた)


②品詞(単語)
品詞は、それぞれの意味とはたらきを押さえてください。
●名詞・代名詞:自立語で活用がない、ものの名前を表す言葉、別名は体言
●動詞:自立語で活用する、動作・存在を表す言葉、言い切りはウ段
などのように、いろいろな角度から答えられるようにしてください。

品詞の識別は、また別の機会にお話します。
(リクエストを多数いただければ笑)

読解

まず、読解が苦手な生徒は問題の解き方がわかっていません。

考えて「わからない」といいます。

これが間違いなのです。

読解は本文に即しているので、「あなたの意見を書きなさい」と言われなければ答えは本文の中にあるのです。

ですから、「考える」のではなく、「探す・見つける」のです。

Don't think . Find ! (Feelではだめです笑)

基本的には書き抜き問題です。

答えがどこに書いてあるのかを見つけるのです。

「本文の言葉を使って・・・」と指示されている場合は
①そのまま書き抜くと日本語としては不自然なので、助詞・助動詞などを変える
②点在しているのでまとめる
の2パターンになり、基本は書き抜きです。

また記述系では答え方にも気をつけなければなりません。
・どんなことですか?→~こと。
・なぜですか?→~から。
というように設問と解答が呼応していなければなりません。


また、国語が苦手な生徒は「木を見て森を見ず」的なところがあります。

どういうことかと言うと、設問同士の関係を見ていないからです。

問1では「嫌い」と答えていたのに、問5では「好き」と答える。

全体を見ないで、設問ごとに「多分こうだろう」と答えてしまった結果です。

整合性や時系列、因果関係が分かっていない。

そんな子供は、文や段落の並び替え問題ができないのです。


かなり余談ですが、先日Gが出現しました。
1匹は死骸、1匹は元気に走り回っていました。

まあ、下が食べ物屋さんですから仕方がないのですが・・・

当然予防しなくてはいけないので、侵入経路を特定しなければなりません。

私の思考は
①どこで発見されたか⇒2匹とも流しで発見
②その場所で侵入できる場所はあるのか⇒換気扇が怪しい
となりました。

つまり論理的思考です。

勉強が苦手な子供ほど、この思考ができません。


論理的思考のトレーニングとしては
①原因・理由を考える
②どのようにすれば改善できるのかを考える
③そのために客観的事実を集める
をしなくてはなりません。

日常生活の会話でも、しっかりと原因・理由⇒結果の流れで会話させてください。


話を戻すと、ある設問は別の設問のヒントになっているのです。

良問ほどその傾向が高いです。

ですから、見直しの際に設問ごとの解答に一貫性があるのかどうかを考えると時間短縮になります。

また、ただ文章を読むのではなく、
●説明文なら段落構成を考える
●物語文なら登場人物の心情の変化に気を付ける
をしながら読む癖をつけてください。

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